「卯の月の半ば浜辺で見上ぐれど朝五つ月は見つけがたしも(新作)」
『金色夜叉』の作中、間貫一が夜空を見上げたのは、睦月十七日である。
「ブロンズの頬は乾きて貫一と宮子の涙いずれが真実(まこと)(新作)」
紅葉が遺した「金色夜叉」の構想を読むと、宮子を一概に、「ダイヤモンドに目が眩んだ女」と決めつけられなくなる。
「貫一の足蹴する指なほ太く縋らんとする細き宮の指(新作)」
(お宮の松(二代目))
句碑に書かれた「宮に似たうしろ姿や春の月」を詠んだのは、紅葉の弟子であった小栗風葉。
風葉は、(未完の)金色夜叉を書き継いだ。
(040415、熱海市)
・・伊豆とはいえ、『ナンとかの十三人』や政子など権力者には目もくれない旅は、おしまい。
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