二〇二二年は芥川龍之介生誕一三〇年。全作品は約三八〇。編年体一〇冊の旧版角川文庫で五割強を読む。(徐々に落ち込みそうな予感の読書なので明るい龍之介の写真を貼り付けた。)
「蜘蛛の糸・地獄変」(三冊目、17作品収録)、大正七年、二六歳
・「蜘蛛の糸」初出は『赤い鳥』(児童雑誌)。犍陀多(カンダタ)ってインパクト・ネームだなぁ。
・「地獄変」傑作。再読するのがつらくなるほどの傑作。
・「開化の殺人」力作。自己を苛むのが息苦しくも魅力的。
・「奉教人の死」殉教がテーマだが人及び小説家として「刹那の感動」を意識する芥川。
・「邪宗門」若殿様のスカした佇まいは魅力的だが、未完。
・「毛利先生」身に褄の感覚に襲われる芥川。
・「あの頃の自分の事」新思潮派の立ち位置が見え興味深く読めた。
・「開化の良人」現実に崩される理想を冷静に書く佳作ではないか。
・「短歌雑感」平俗、散文的な短歌には価値を見いだせずと書く。芥川にすれば当然だろう。
メモは(主として)印象が残ったもののみ記す。(再読のため)
出来事
大正七年
塚本文子と結婚。
句作始める。(高浜虚子に師事)
「銀色の切れ端ゆるり慈悲のなき深き闇間に溶けるよに消ゆ(新作)」
~芥川龍之介『蜘蛛の糸』~
不尽
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