ぱんどらのへや

ちょっとした子育てに役立つ話を紹介していこうと思います。

ストレスケアはどうしていますか?

2024年09月18日 | 職業
「ストレスがたまると病気になる」とよく言います。
半面、ストレスは、貴方を成長させる素にもなります。
どう、付き合っていけばよいのでしょうか?

さて、ストレスに強い人って、どんな人でしょう?
 なんでも、我慢できる人?動じない人?どんなイメージを持っていますか?
 精神科医の山本晴義先生は、『メンタルヘルス・マネジメント』PHP研究所2002というご著書の中で、以下のようなことをおっしゃっています。今回は、そのご著書を、私流に表現したものを記したいと思います。先生の言葉のママは、ご著書をお読みください。


★ライフスタイルがちょうどよい人。
  疲れはとれていますか?
  体を動かしていますか?
  お食事は美味しいですか?
  一日の流れは、基本的には同じ様に進んでいますか?
  笑ったり、泣いたり、怒ったりすることはありますか?
 
 「眠れていますか?」と書きたいところですが、現実には、不眠の悩みを抱えている方はたくさんいらっしゃいます。受診や睡眠薬を服用するほどではないけれど、と言う方が大半ですが、ドラックストアに行けば”眠り”に関する市販薬のなんと多いこと。眠りの質を高めるとうたう寝具等も多いですね。老若男女、子どもも含めた現代人の共通の悩みです。「眠れない」と悩んでかえって眠れなくなるよりも、「疲れが取れているか」を参考にしていただきたいです。頭の疲れ、体の疲れ、目の疲れ。ストレッチやリラックスでほぐしてください。睡眠に関する本を読むと、横たわっているだけでもましなようです。そして、何より重要なのは、「眠れない」時に、反省会はやらないこと。夜考えると、たいていネガティブなことばかりが頭に浮かんできます。それよりも、貴方が考える楽園や理想をイメージしたほうが数倍リラックスできます。そして、疲れが取れてから、現実的な対処を致しましょう。

 体を動かしていますか?当然、年齢や摂取しているカロリーによって必要な運動量は違ってきます。健診を受けると、手始めに散歩を勧められることが多いのですが、外に出られない状況もあるでしょう。まずは、ストレッチから始めていただきたいです。なんて言ったら、運動の専門家からお叱りを受けるでしょうか?頭や心を柔軟にするように、体も柔軟にしていただけたらと思うのですが。あと、家事をきちんとするだけでも、多少は運動になるのだそうです。

 お食事は美味しいですか?早食いになっている方や、反対にだらだら食いになっている方が多くなっているようです。個食ではなく、会話をしながら食を楽しむことを推奨される、食の専門家もたくさんいらっしゃいますが、昭和世代だと、食事中は黙ってというご家族のルールがあったりします。また、お一人で召し上がらなければならない方もいらっしゃるでしょう。なので、せめて、楽しんでいただく工夫をしていただけたらと思うのです。キャラ弁とまではいきませんが、赤・緑+もう一色を揃えるだけでも、華やかになります。赤は人参、赤かぶ、トマト、いろいろありますね。緑は葉っぱ類や若布とかこちらもいろいろ揃っています。もう一色はご飯の白、海苔の黒、煮物の茶色、たまごの黄色、こちらも色とりどりです。香りや味、噛んだ時の感触等、楽しみ方はたくさんあります。

 一日の流れは、基本的には同じ様に進んでいますか?学校でも、職場でも、家事でも、多少の変更やアクシデントがあるものの、だいたい、ルーチンで回っていますね。昨日と同じ今日が過ごせて、明日が来る。大切なことです。初めての経験だらけや、いつ何が起こるかわからない状況なら、毎日が刺激的ですが、落ち着かず、常に興奮状態になってしまいます。興奮状態が続いた後は、心のバランスをとるために、沈静化=動けなくなります。動けなくなる状態が続くと、自分はどうしたのかしら?と不安になりますので、できれば、こまめに興奮とリラックスが交代するほうが良いのです。そして、同じように進むのなら、これから起こることを予想できて、対策が立てられます。昨日と同じ今日が過ごせたら良しとしましょう。余力があったら、+αを加えてみましょう。

 笑ったり、泣いたり、怒ったりすることはありますか?感情が動かないニコニコ仮面の恐怖は、前回の記事に書きました。ニコニコ仮面という状況だけでなく、感情失禁というものもあります。泣く場面で泣けず、なんでもない時、例えば電車に乗っているときに、きっかけなく、涙があふれて止まらないとか。ちょっと、イラっとしただけなのに、怒りが止められなくなるとか。普段から、無理に感情を抑えていると、このような状態になります。「感情的な人に見られたくない」社会で生きていると必要なスキルですね。でも、心に湧き上がってくる感情を認めることと、それをどう表現するかは違うのです。


★ストレス対処行動をとれる人。
  遊ぶ時は遊ぶ。やる時はやる。そのメリハリができていますか?
  解決方法が見つかった時は、取り合えずやってみる。
  ストレス解消法=リラックスできるもの、熱中できるものがありますか?

 メリハリは大事です。人は、いろいろな要素でできています。上記の寝る・食べる・仕事/勉強/家事をする。一つのことを止められなくなることもよくあることです。反省して、切り替えして、また繰り返すでしょうか。ですが、常同行為・強迫・依存の域まで達すると、日常生活や、周りの人との関係性、人生の方向性に支障がきたします。

 問題(壁)にぶつかることはよくあることです。自分の思い通りになることなど、ほとんどありません。そんな時、皆その方なりの解決方法を探ります。いつもの問題だけでなく、初めての困難にあたるときもあります。ベストな解決法が取れればよいのですが、そうもいきません。ベストでないとと思うと動けなくなってしまいます。自死する、犯罪行為に手を染めるなどの人生を破滅するような方法さえとらなければ、やり直しできます。回復力が大切です。リジリエンス力を磨きましょう。

 ストレス解消法=リラックスできるもの、熱中できるものを持っていることも大切です。なぜか、大人と言われる人は、遊ぶことを嫌います。さぼりだと言います。でも、”遊ぶ”ことは、創造性・想像性を培う最高の方法です。リラックスして、何かに熱中することで、活力を得られます。そして、心の健康のためには柔軟性が肝要です。


★自分は、なんとか乗り越える力があると思える人。
  今は苦しくとも、この苦しみは永遠に続かないと思えますか?
  嵐の時は安全なところに避難できますか?
  待つ時は待つ。動く時は動く。
  自分の能力を超えたことはしないけれど、自分にできることはする。動き出すための準備はしておこうと思えますか?

 人も、状況も、少しずつ変わっていきます。変わらないものなど、何もないのです。「永遠に続く」ように見える時は、何かが、続くために何かをしているのかもしれません。「永遠」と嘆く前に、状況を、空を飛ぶ鳥の目、地を這う蟻の目など、今いる場所と違う視点から見てみましょう。

 その視点を持つためにも、安全を確保することは必要です。引きこもりがその”安全”な場所となっている場合もあります。なぜか、「逃げてはいけない」という方が多いです。確かに、何も努力しないで逃げているばかりと言うものももったいないです。でも、命や心・エネルギーを削ってまで、頑張ることではありません。「三十六計逃げるに如かず」という故事もあります。何も対策も武器もなしに、頑張り続けるのは愚かです。安全な場所に身を確保して、エネルギーを充填して、作戦を練り対処することが大切だと思います。

 困難な状況は変わりますが、悪くなる場合もあれば、良くなる場合もあります。そんな中、闇雲に動き続けるのは良策と言えません。嵐の中を進む危険性はお判りでしょう。嵐・ブリザードの間は、待って、体力温存。そして、少し和らいだところで歩き出せばよいのです。和らいだ時にも、実際の嵐の時と同じように、土砂崩れ(落とし穴)や濁流等が起こりそうな危険地帯に気を付けて、回避方法を探っておきましょう。地雷を踏むことは避けましょう。
 
 そして、避難している間に、計画を練ったり、協力者を探したり、自分の中で戦うための武器(実際の武器ではなくて、強みです)を整えておきましょう。


★ソーシャルサポートを持っていて、うまく使える人。
  ソーシャルサポートとは貴方を助けてくれる人たち・制度のこと。お友達やお知り合いだったり、近くにいる人だったり、専門性を持っている人だったり。勿論、ご家族・ご親族も含まれます。
 「人の力を借りるなんて弱い」と思われると心配される方もいますが、そんなことはありません。昭和世代では「弱い」と言う人がいますね。でも、それは今は通用しません。うまくサポートを借りることは一つのスキルです。成功していると言われる人は、成功の秘訣として誰かへの感謝を語るでしょう。サポートを得ているということです。借りることが心苦しいのなら、借りっぱなしではなく、貴方ご自身も、誰かに力を貸せるようになればいいのです。
 物理的・経済的なサポートだけでなく、上記の、「鳥の目、蟻の目」のような違う視点や、自分が何をできるのかとかは、困難な事態に状態に巻き込まれているほど、自分では見えません。見えていたら。さっさと解決しています。誰か、困難な事態に巻き込まれていない人の視点が必要です。困難な事態に打ちひしがれているときは、本当にあなたの中に眠っている力(宝物)には、目がいかず、場合によってはその宝物を屑と否定して、ないものねだりばかりしていることが多いものです。使い方がわかっておらず、無駄な使い方をしている場合もあります。
 心理学者ルフトさんとインガムさんが考えたアイディアが素になった「ジョハリの窓」というものがあります。貴方と言う人は①貴方も貴方以外の人も知っている貴方②貴方だけが知っていて貴方以外の人は知らない貴方③貴方は気が付いていなくて、貴方以外の人は気が付いている貴方④貴方も貴方以外も気が付いていない貴方という4つの窓に分かれるというものです。④は前意識や深層心理と呼ばれるもので、それを探るのは、精神分析やユング派の心理療法を受けないとなかなか見えてきませんが、③なら、周りの人に聞いたら教えてくれるかもしれません。もちろん、心理職もお手伝いしますよ。
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