お気楽ナチュラリスト

都内に住んでも心はナチュラリスト。
週末は山と川で遊びたい。

雨の爺ヶ岳、風の鹿島槍ヶ岳(後編)

2024年07月30日 | 登山
papachan家・男チームの夏山の二日目。
鹿島槍ヶ岳に登ってから、再び爺ヶ岳を通過して扇沢へ戻る。
昨日は雨がメインの一日だったが、今日は爆風の中の登山になった。
しかし、もっとも過酷の状況は、下山後にやってきた。
それは、また後ほど。

 ※前編はこちら

睡眠の浅い私だが、昨夜は6時間も連続で眠ることができた。
2時半にトイレに起きた時に外に出てみたら、雨はやんでいた。
3時半起床。
身支度をしてから、自炊室でお湯を沸かし、パスタスープと行動食で簡単に朝食をすませた。
昨日の受付時にもらった水チケットで2リットル確保。
4時から水の受付をやっているのは、頭が下がる。

トイレを済ませてから4:40登山開始。
まずは布引山を目指す。
風は強くガスが流れる。
出発してすぐにご来光を拝むことができた。



モルゲンロートに染まる息子。



ちなみに、私はザックを小屋にデポして空身で登った。
必要なものは全て息子が持ってくれた。
親孝行の息子を持って幸せだ。


5:35、布引山(2683m)に到着。
いよいよ風が強くなってきた。



正面には目指す鹿島槍ヶ岳南峰がそびえ立つ。
稜線の東側から湧き上がってきたガスは、西からの強風で押し返されている。
そのスピード感と迫力は写真ではなかなか伝わり切らない。





最後の登りに差し掛かった。
台風並みの暴風が唸りを上げて、耳元で会話しないと聞こえないほどだ。
風で体温が奪われたのか、息子は手が冷たくてグローブをつけた。



あと少し。
もう少し。



6:27、鹿島槍ヶ岳南峰(2889m)登頂。
頂上はずっとガスっていたが、運よく晴れ渡った。



しばし、撮影タイム。
頂上に居合わせた登山者たちでお互いシャッターを押し合う。
これは登山者の礼節ともいえよう。(笑)



ガスがひっきりなしに流れてくるが、その合間を縫って眺望を楽しむことができた。
まずは、なんといっても立山・劒の雄姿。



振り返ると、歩いてきた後立山連峰の稜線がのびやかだ。
奥には、槍・穂も見える。



五竜・唐松・白馬は、ガスの間からうっすら顔をのぞかせた。
いつかは歩いてみたい縦走路だ。



名残惜しいが、あまりのんびりとしてもいられない。
今日は、来た道を戻って扇沢まで下山しなきゃならないのだ。
爆風の中、景色を楽しみながら下っていく。



8:15、冷池山荘に戻ってきた。
荷物を整理して残りの水を確認。



息子は、お目当ての山バッジも手に入れて満足気である。
鹿島槍のバッジは、冷池山荘オリジナルデザインのバッジにしたようだ。



鹿島槍ヶ岳の山頂には、ずっと雲がかかっていたが、爺ヶ岳まで戻ってきてやっと全貌を現した。
堂々としていてかっこいい山だなぁ。



爺ヶ岳南峰から種池山荘へ下る広い稜線は開放感があった大好きだ。
もう登りは無いと思うと気持ちも軽くなる。



10:50、種池山荘に到着。
二日間がんばったご褒美として、種池山荘名物のピザを食べることにした。
注文してから焼くので、熱々をいただくことができる。



チーズたっぷりのピザと冷たいコーラが五臓六腑に染み渡る。
うまい、うますぎる。



これで思い残すことはない。
では、下山しましょう。



登りも辛かったが、下山も長い柏原新道。
膝に負担がかかるので、サポーター装着する。
途中で3回休憩をはさみ、2時間35分で下りきった。
最後はヘロヘロになってしまった。
14:05、扇沢橋まで戻ってきて下山完了だ。


最近の登山の中ではかなりの充実度であった。
二日間で総距離21,3km、登距離2379m、歩行時間17時間06分(うち休憩3時間40分)だった。
去年の槍ヶ岳の方が楽だったような気がする。


汗みどろの体を温泉でサッパリさせてから、馴染みの蕎麦屋の暖簾をくぐる。
息子は、蕎麦だけでなくかつ丼まで食べていた。
若いって素晴らしい。



帰りは、必ず息子にアイスコーヒーを奢ってもらうのがお約束になっている。
まあ、これくらいしてもらってもバチは当たるまい。



これですんなり帰れれば、終わりよければ全て良し、なのだが。
なんと、車のエアコンが突如故障してしまった。
この日は、各地で気温40度越えを記録した日である。
灼熱の煉獄ドライブ5時間1本勝負。
今回の山行における核心部は、まさかのこれであった。(笑)

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