それぞれの春

いよいよ渓流シーズンがスタートした。

渓流釣りを趣味としている副産物に、自分自身の一年間のリズムがつくりやすいということがあげられる。
３月は正月ともまた違う一年のスタートを切るような感覚があるのだ。
これから９月までは、移ろいゆく自然を体感しながら渓流を歩く。


この冬はほとんど雪も雨もなかった。
早春の渓は減水とコケの繁茂でお世辞にもよいコンディションとは言えないが、それならそれに合わせた釣りをすればよい。



朝の気温はマイナス１度。ガイドも凍る。
魚の動きは鈍く、ミノーを積極的に追うようなやつはいない。
流れの緩やかな瀬尻や深場からは、越年のヤマメがゆっくり様子をうかがいに来る程度だ。
沢に陽が差し込んでくると、少しずつ反応が出始めた。
ローギアで底すれずれにチョンチョンと引いてくると、やっとミノーを咥えてくれた。

６寸程度の越年ヤマメ。
サビた色合いがシーズン１尾目にふさわしい。

「久しぶりだね。今シーズンもよろしく。」


里の梅はすでに満開だが、山深いこの地では、いまだ一分咲き。
満開の梅はもちろん素晴らしいが、咲き始めの梅が実は一番好きである。




我が家に春が来たのは、私だけではない。
娘は、自分が志望した美大に合格した。

なりたい自分になれるように、さらに磨きをかけて進んでほしいものだ。


息子は、第一志望には届かなかったものの、最後まで頑張りぬいた努力は本人の自信につながったと思う。
結局、姉と同じ高校への進学が決まった。
よかった、よかった。


とりあえず、子ども達の受験が終わってなによりである。
二人ともおめでとう。
これからみんな忙しくなるだろうけど、たまには昔みたいにpapachanと一緒に遊んでほしいなぁ。