お気楽ナチュラリスト

都内に住んでも心はナチュラリスト。
週末は山と川で遊びたい。

魔女の瞳は見えなかった(後編)

2022年10月10日 | 登山
息子と二人で一泊二日の登山旅行で福島まで来た。
今日は、いよいよ目的の山に登る。

 前編はこちら


吾妻小舎の夜は静かだった。
夜中に起きて外に出ると、月明かりとオリオン座が美しかった。
これなら天気は大丈夫そうだ。


寒がりの息子はダウンジャケットまで着込んで布団にくるまってガーガーいびきをかいている。
明るくなってきたので、日の出を見に外に出た。
若干雲が出ているものの、なんとかご来光を拝むことができた。



気温は3℃。
ピンと張りつめた空気が心地いい。
草木には霜が降りていた。



朝食は、おでん定食だった。
寒がりの息子にとって、温かい食事は何よりのごちそうだ。


美味しいごはんでエネルギーも充填したり、いよいよ快晴の紅葉登山だー! と意気込んでいたら、みるみるうちに外はガスガスワールドに…。
管理人さんも、「今日はあんまり良くないみたいですよ」なんて言うし。
てんくらは、ずっとA判定になっているんだけどなぁ。
とりあえず、管理人さんが淹れてくれたコーヒーをすすり、ボーっと窓の外を眺めた。


このままじっとしていても仕方ないので、荷物を整理して小屋を出ることにした。
外で作業をしていた管理人さんにお礼を伝えて出発。
いったん兎平駐車場に戻り、いらない荷物を車に置いてから歩き始めることにした。



浄土平駐車場の手前からショートカットの木道に入る。
草紅葉の中を進む。
これはこれで雰囲気がある?



浄土平には、観光客も歩ける木道が整備され、歩きやすくなっている。
表示に従いながら進むと、一切経山への登山道に吸い込まれていく。



ガスが濃すぎて、数メートル先しか見えない。
晴れていれば、さぞかし素晴らしい紅葉が見られたに違いない。



登り始めて40分くらいで開けた場所に出た。
酸ケ平と呼ばれる湿地帯だ。
木道が整備されている。



木道が分岐しているところに出た。
右に曲がると一切経山へ。



ガスガスの草紅葉の中を一列で進む。
こんな天気でも、登山者は多い。
みんな好きだね~。



分岐から100mくらい進むとうっすら人工建造物が見えてきた。
酸ケ平避難小屋だ。
トイレも整備されている。
休憩するほど疲れてもいないので、そのまま先を進む。



避難小屋を過ぎると、また登りが始まった。
といっても、大したことはない。
ところどころ紅葉が目立って美しいが、ガスガスワールドは続く。



稜線が近くなってくると、風と雨がやや強くなってきた。
暑がりな私もさすがにレインウェアを着ることにした。
息子は、上に4枚、下に3枚も着ている。冬山か!



一切経山は、今も火山活動を続けている活火山である。
そのため、結構な硫黄臭が漂っている。
息子はこの匂いが苦手なので、「くせーし、さみーし…」とぶつぶつ文句を言っていた。(笑)



稜線はだだっ広く、草木が全くない岩礫の道が続く。
風でガスが流れ、荒涼としたロケーションだ。



うっすらと山頂が見えてきた。
雨と風でもう何がなんだか…。



山頂碑かと思ったら、ケルンに「空気大感謝塔」というよくわからない柱が立っていた。
周りに数本立っている木柱は古びていて、何が書いてあるのか書いてないのかわからない。



ガスの中を見渡すと数メートル先に山頂碑が見えた。
9時35分、一切経山(1948m)登頂。

登山開始から1時間15分で登れた。
コースタイムだと1時間45分なので、いい感じで登れたかな。


山頂から見えるはずだった魔女の瞳といわれる五色沼は当然のことながら、全く見えず。
モノクロの世界だけが広がっている。
息子はもう寒さで戦意喪失していて、とっとと下山したいようだ。
ということで、撤収~。



ツアー登山客らをぐいぐい追い抜き、あっという間に酸ケ平まで降りてきた。
予定では東吾妻山にも登ることになっていたが、満場一致で却下となった。
しかし、このまま下山するのもシャクである。
どうせ何も見えないとは思うが、紅葉が美しいとされている鎌沼経由で下山することにした。
酸ケ平分岐を右折して鎌沼へ。
草紅葉の池塘を眺めつつ進む。



あー、やっぱり鎌沼もガスガスワールド。
あまりに寒々しくて、水辺に近づくのもやめておいた。


木道に沿って鎌沼を一周、というか半周。
本当に何も見えなかった。
姥ケ原分岐で小休憩して、行動食をほおばった。
ここからは、浄土平に向かって一気に下っていく。
この下りがドロドロでとても歩きにくかった。
これから行かれる方は要注意ですよ。


なんだかんだで3時間のトレッキングが終了。
浄土平ビジターセンターで山バッジを購入した。
息子としては、ミッションコンプリートである。



帰りは、吾妻小舎の管理人さんが勧めてくれた鷲倉温泉に立ち寄った。
日本秘湯を守る会の温泉だけあって、とてもいいお湯だった。
すいていたのでのんびり温まった。



風呂から出ると途端にお腹がすいてきた。
福島まできたとなれば、やはり食べねばならないのはこれでしょう。

杉乃家さんのなみえ焼そば。
今日はとても混んでいて、1時間待ちだった。


息子は大盛りを注文。
大盛りを初めて見たが、とんでもないボリュームだった。



私はもちろん普通盛り。
息子の方から写真を撮ると、サイズ感がおかしい。(笑)

なみえ焼そばといえば、うどんのような麺の太さ。
シャキシャキのもやしと厚めに切った豚肉で満足感が半端ない。
美味しゅうございました。
息子は、大盛りを瞬殺で平らげ、「まだ食べられる」と豪語していた。


連休中ということもあり、帰りの高速は予想通りの渋滞だったが、息子とあれこれ山の話をするのも楽しい時間だった。
息子は、冬は寒いから登らないと言っているので、次は来年の夏あたりかな。

コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント

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二人旅 (高崎)
2022-10-13 00:21:07
久しぶりの息子さんとの二人旅、羨ましいです。
濃霧に包まれた紅葉もなかなか乙なものではありませんか?
こんど福島を訪ねられたら馬刺しとお蕎麦、そして山塩ラ-メンもご賞味下さいませ!
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お返事 (papachan)
2022-10-14 17:57:54
>高崎さん
こんにちは!
曇りは仕方ないとして、もう少しガスが晴れてくれればよかったんですけどね。
魔女の瞳が見られなかったのは残念でした。
馬刺しといえば長野と思っていましたが、福島も名物なんですね。
山塩ラーメンも初めて聞きます。
次に福島に行くのが楽しみになりました。
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