ついに我が子とともに北アルプスを登る日が訪れた。
めざすは、西穂高岳独標。北アルプスの入門コースだ。
自分自身、12年前、積雪期に1度だけ来たことがある。
シルバーウィーク後半の9月22日~23日、テントを持ち上げて一泊二日の予定だ。
自宅を午前3時半に出発。中央道~長野道とつなぎ、松本から梓川沿いに国道を走り、安房トンネルを抜けて岐阜県へ。ロープウェイ駅のある鍋平のパーキングに到着したのは8時過ぎ。
ここまで来るのが結構大変。
爽快な秋晴れを期待していたのだが、数日前から天気予報が悪くなり、結局雨の中のスタートとなった。
まずは新穂高ロープウェイを使って、2156mまで一気に高度を稼ぐ。
ロープウェイ終点駅の休憩室でコンビニおにぎりで腹ごしらえ。
ここからテント場のある西穂山荘までおよそ1時間30分の登りだ。
観光客向けに整備された千石園地を抜けると、「これより登山道」の看板が出てくる。
娘は、買ったばかりのミレーのザックで気分も弾む。
ザックカバーで隠れているのが、もったいない。
この看板の脇に、登山届を提出する無人小屋がある。
いつもは書かない登山届(スイマセン)だが、今回は子連れなので、ちゃんと書いて提出した。
千石尾根は、最初アップダウンが続くが、最後一気に登りがある。
気温が予想以上に高く、ゴアテックスのレインウェアとはいえ、とても暑い。
おまけに装備が20kgあるので、もう汗だくだ。
膝が心配なので今回はダブルストックでえっちらおっちら登っていく。
雨と霧で景色は楽しめないが、子ども達はそんなことは気にならず、とても楽しそう。
コースタイムより若干早く、1時間20分程で西穂山荘(2358m)に到着。
受付を済ませて、さっそくテントを立てる。
このころになると雨が止んだが、相変わらず濃いガスで展望はない。
テント内の荷物を整理して、とりあえず山荘のレストハウス内で昼食。
持ってきたクリームパンとメンチカツパンを食べる。
時刻は12:00。
ガスは晴れないが、今のところ雨は止み風もない。
明日も同じような天気だろう。
だったら、子ども達はまだ元気なので、今日のうちに独標のピークを踏んでおいた方が、明日は楽である。
よし、行っちゃおう!(雨が降ったら戻ればいいさ)
出発~! エイエイオー!
papachanが水と行動食、そしてヘッドライトといざというときのロープとカラビナだけ持ち、子ども達は空身で歩く。
山荘の裏手から巨岩を縫うように一登りすると、丸山を経由してしばらく緩やかなハイマツの稜線歩きとなる。
この辺りは、晴れていれば笠ヶ岳や霞沢岳を両側に眺め、遠くに西穂のピークが望める爽快トレイルなのだが。
しばらく進むと、浮き石が多いガラガラした急登が始まる。
このあたりから、子どもたちが「つかれた~」と口々に言い始め、休み休みの登りとなる。
でも、「もう帰るか?」と尋ねると、二人とも「行く!」と言って、元気を振り絞る。
小ピークを飛騨側から巻いて鞍部に下り(ちょっと危険)、独標の基部に立つ。
ガスの向こうにうっすらピークが見える。
ほとんど真上を見上げるような高さに、子どもたちも緊張する。
三点支持の基本を忠実に守り、ぐんぐん高度を稼ぐ。
幸い岩が濡れておらず、ホールドがしっかりしていたので、体の小さい子ども達もダイナミックに登ることができた。
鎖場の終了点。あともうチョイ。
ちょっとへっぴり腰の娘。
ほんの数歩トラバース気味のルートがあり、ここが一番緊張する。
そして、ピークへ!
13:10、西穂高岳独標(2701m)完登!
3人でがっちり握手をして、にっこり。やったね!
ちなみに独標とは、独立標高点の略。
ルート的には、西穂高岳へ続く稜線上の顕著なピークの1つというわけ。
この先に進むには、子どもでは無理だ。大きくなったらまた来よう。
ピークには10分ほど滞在して、下降開始。
独標の下降は、登るときより慎重に行かなければならない。
自分が先に下りて、同じ所に足を置くように伝える。
娘より息子の方が、バランスがよく、安定していた。
二人とも怖がったらザイルを出そうと思ったが、結局必要はなかった。
鞍部まで下って、一安心。
あとは、安定した登山道を逆戻りするだけだ。
休憩しながらゆっくり歩いて、2:30に山荘到着。
お疲れさま~! 三人でまたまた握手。
今日はよく歩いたね。
君たちは大したもんだ。
息子よ、霧の向こうに何を見る?
(中編へ続く)
めざすは、西穂高岳独標。北アルプスの入門コースだ。
自分自身、12年前、積雪期に1度だけ来たことがある。
シルバーウィーク後半の9月22日~23日、テントを持ち上げて一泊二日の予定だ。
自宅を午前3時半に出発。中央道~長野道とつなぎ、松本から梓川沿いに国道を走り、安房トンネルを抜けて岐阜県へ。ロープウェイ駅のある鍋平のパーキングに到着したのは8時過ぎ。
ここまで来るのが結構大変。
爽快な秋晴れを期待していたのだが、数日前から天気予報が悪くなり、結局雨の中のスタートとなった。
まずは新穂高ロープウェイを使って、2156mまで一気に高度を稼ぐ。
ロープウェイ終点駅の休憩室でコンビニおにぎりで腹ごしらえ。
ここからテント場のある西穂山荘までおよそ1時間30分の登りだ。
観光客向けに整備された千石園地を抜けると、「これより登山道」の看板が出てくる。
娘は、買ったばかりのミレーのザックで気分も弾む。
ザックカバーで隠れているのが、もったいない。
この看板の脇に、登山届を提出する無人小屋がある。
いつもは書かない登山届(スイマセン)だが、今回は子連れなので、ちゃんと書いて提出した。
千石尾根は、最初アップダウンが続くが、最後一気に登りがある。
気温が予想以上に高く、ゴアテックスのレインウェアとはいえ、とても暑い。
おまけに装備が20kgあるので、もう汗だくだ。
膝が心配なので今回はダブルストックでえっちらおっちら登っていく。
雨と霧で景色は楽しめないが、子ども達はそんなことは気にならず、とても楽しそう。
コースタイムより若干早く、1時間20分程で西穂山荘(2358m)に到着。
受付を済ませて、さっそくテントを立てる。
このころになると雨が止んだが、相変わらず濃いガスで展望はない。
テント内の荷物を整理して、とりあえず山荘のレストハウス内で昼食。
持ってきたクリームパンとメンチカツパンを食べる。
時刻は12:00。
ガスは晴れないが、今のところ雨は止み風もない。
明日も同じような天気だろう。
だったら、子ども達はまだ元気なので、今日のうちに独標のピークを踏んでおいた方が、明日は楽である。
よし、行っちゃおう!(雨が降ったら戻ればいいさ)
出発~! エイエイオー!
papachanが水と行動食、そしてヘッドライトといざというときのロープとカラビナだけ持ち、子ども達は空身で歩く。
山荘の裏手から巨岩を縫うように一登りすると、丸山を経由してしばらく緩やかなハイマツの稜線歩きとなる。
この辺りは、晴れていれば笠ヶ岳や霞沢岳を両側に眺め、遠くに西穂のピークが望める爽快トレイルなのだが。
しばらく進むと、浮き石が多いガラガラした急登が始まる。
このあたりから、子どもたちが「つかれた~」と口々に言い始め、休み休みの登りとなる。
でも、「もう帰るか?」と尋ねると、二人とも「行く!」と言って、元気を振り絞る。
小ピークを飛騨側から巻いて鞍部に下り(ちょっと危険)、独標の基部に立つ。
ガスの向こうにうっすらピークが見える。
ほとんど真上を見上げるような高さに、子どもたちも緊張する。
三点支持の基本を忠実に守り、ぐんぐん高度を稼ぐ。
幸い岩が濡れておらず、ホールドがしっかりしていたので、体の小さい子ども達もダイナミックに登ることができた。
鎖場の終了点。あともうチョイ。
ちょっとへっぴり腰の娘。
ほんの数歩トラバース気味のルートがあり、ここが一番緊張する。
そして、ピークへ!
13:10、西穂高岳独標(2701m)完登!
3人でがっちり握手をして、にっこり。やったね!
ちなみに独標とは、独立標高点の略。
ルート的には、西穂高岳へ続く稜線上の顕著なピークの1つというわけ。
この先に進むには、子どもでは無理だ。大きくなったらまた来よう。
ピークには10分ほど滞在して、下降開始。
独標の下降は、登るときより慎重に行かなければならない。
自分が先に下りて、同じ所に足を置くように伝える。
娘より息子の方が、バランスがよく、安定していた。
二人とも怖がったらザイルを出そうと思ったが、結局必要はなかった。
鞍部まで下って、一安心。
あとは、安定した登山道を逆戻りするだけだ。
休憩しながらゆっくり歩いて、2:30に山荘到着。
お疲れさま~! 三人でまたまた握手。
今日はよく歩いたね。
君たちは大したもんだ。
息子よ、霧の向こうに何を見る?
(中編へ続く)
大人になっても霧がかかるたびに、この日のことを思い出すのでは。
ちょっといい風景だったので、すかさず写真を撮ってしまいました。
ホントは雄大な山の景色を見せたかったので、「絵はがきでも買って帰ろうか?」と私が言うと、「それだと今度来るとき自分の目で見る楽しみが減るから」と娘が言うので、こりゃ失礼しましたって感じでした。
息子も、霧しか見えない景色を眺めつつ、何かを感じ取ってくれていたらうれしいですね。