先週の妙義山が中途半端な形で終わってしまったので、秋山の締めくくりに乾徳山へ行くことにした。
乾徳山の登山口は、徳和と大平高原の二択。
大平高原は標高1300mに位置しているので、徳和から登るより1時間30分くらいのアドバンテージがある。
ということで、大平高原に即決。
国道140号線から林道に入ってグネグネ進むとと大平高原にたどり着く。
途中で朝焼けに浮かぶ富士山が見られて、もう満足。
駐車場の大平荘に到着。
民宿はすでに廃業しており、登山者向けの有料駐車場を経営している。
ちなみに駐車料金は、800円也。
駐車場からは、牧場だったであろう山の斜面に太陽光発電のパネルがびっしり敷き詰められているのが見える。
民宿が駐車場になり、牧場が太陽光発電になる。
時代の流れを感じる。
身支度を整えて7:10スタート。
太陽光パネルを眺めながら車道を進む。
山の上に浮かぶ有明の月。
花札に見えなくもない?
あの山は道満山から続く道満尾根だ。
ちょっと引いたアングルで写真をとると、太陽光パネル。
月と山と太陽光パネル。
シュールな絵柄だ。
太陽光パネル群を通り過ぎると、右側に登山口の表示がある。
ススキの中を進む。
5分くらい登ると林道に出て、本当の登山口が現れた。
この先は、登山道と林道が交互に出てくるようなルートになる。
この林道は、かつては牧場管理道路として使われていたらしい。
紅葉はほぼ終わっており、落ち葉を踏みしめながら登っていく。
葉が落ちた木々の間からは、秋らしい柔らかな日差しが体を温める。
やがて、徳和からの道満山経由で登ってくるルートにぶつかる。
大平高原分岐だ。
ここからは道満尾根を進む。
道満尾根は、少し登ると緩やかになり、ところどころ視界が開ける。
振り返ると雲一つない青空に富士山が鎮座している。
近くに目をやると、カラマツの黄葉に染まる山肌が広がっている。
遠くに南アルプスも見えた。
北岳にはうっすら雪がかぶっている。
今秋の秋山は外れっぱなしだったが、今日は報われた気がした。
スタートから1時間20分で扇平についた。
枯れ野がいい雰囲気だ。
目の前には目指す乾徳山のピークが待ち構えている。
扇平の中でもっとも大きな岩が月見岩。
道満尾根と国師ケ原のルートが、ここで合流する。
それにしても穏やかな天気だ。
風もほとんどない。
ベースレイヤー1枚で登っているが、それくらいがちょうどいい。
草原に腰を下ろして、しばし休憩。
振り返れば、いつも富士山が見守ってくれている。
今日は、富士山ばかり眺めているので、先に進まない!
ここから先がお楽しみの岩ルートになる。
手洗石を過ぎて、少し樹林帯を登っていくと鎖が出てくるようになった。
今日の自分のテーマは、「鎖に頼らずに登る」こと。
山頂手前の鳳岩を攻略できるか、わくわくする。
髭剃り岩。
大岩が真っ二つに割れている。
中に入れそうだが、奥に行くほど狭くなっている。
挟まっているところを人に見られたら恥ずかしいので、入るのはやめておいた。
乗り越える岩場は、次第に厳しくなってきて、鎖場も増えてくる。
三点支持の基本に従って動けば、それほど問題はない。
カミナリ岩では、日陰になっている部分を登った。
スタンスもとれるし、ガバも多いので、三級程度かな。
富士山はずっと見えている。
もう楽しいことしかない。
胎内岩までくると、いよいよフィナーレが近い。
乾徳山のラスボス、鳳岩が見えてきた。
高さは20mほど。
最初の一枚岩が核心部。斜度は60度くらいで、つるっとしたフェースが10mちょい続く。
先行者に許可をもらって、写真を撮らせてもらった。
鎖をしっかりつかみ、岩の割れ目に足を突っ込めば、ちゃんと登れる。
今日は、ここまで鎖に頼らず登ってきた。
この鳳岩もフリーで登ろうじゃありませんか。
近づいて見上げると、ほぼ垂直に見える。
幸い後続がいなかったので、落ち着いて登ることができた。
クラックに指をかけ、つま先をねじ込み、慎重に体を持ち上げた。
デシマルグレードでいえば、5.8~5.9ってところかな。
最初の一枚岩を登り切れば、その先の10mはホールドもスタンスも豊富にあるので、高度感を楽しみながら登ることができた。
鳳岩を登りきると、目の前に山頂碑があった。
9時30分、乾徳山(2031m)登頂。
振り返れば富士山。
今日は本当に富士山の当たり日だ。
山頂は狭いので、あまりゆっくりできるところじゃない。
ひとしきり写真をとったら下山にかかる。
下山ルートは、山頂から黒金山方面へ進んだところにある水のタルから迂回新道を下ることにした。
水のタルまでは岩を縫うように進む。
途中の岩で写真撮影。
タイマーを設定して撮ったが、12秒で動ける限界を知った。
中途半端な写り具合が笑える。
水のタル。
ここからの下りは、まあ歩きづらいこと。
ピンクテープが丁寧につけられているのだが、不明瞭なふみ跡を下るようなイメージだ。
浮石も多いので、雨の日は嫌な感じになるだろう。
この表示が出てくると等高線沿いにトラバースするようになり、ルートも明瞭で歩きやすくなった。
道がほぼ平坦になってくると高原ヒュッテが近い。
木々の間からヒュッテの屋根が見えてきた。
水のタルから1時間で高原ヒュッテに到着。
高原ヒュッテは、避難小屋。
トイレもあるし、薪ストーブもあった。
ここで1泊するのも悪くないな。
天気がいいので、草原にどっかり腰を下ろしてランチタイム。
周り登山者も皆そうしている。
とても居心地がいい場所だ。
テントを張りたいくらい。(でも、だめ。ここは指定地じゃない。)
アマノフーズのフリーズドライは、復元力が高く、味が良い。
今日はビーフシチューだが、カレーも美味しい。
たっぷり休憩をとっていたら眠くなってしまった。
それくらい穏やかな日だ。
このままぼーっしていると本当に寝てしまいそうなので、意を決して立ち上がる。
ここから先は、高原のハイキング気分で歩ける。
このあたり一帯は、国師ケ原と言われているところだ。
どこでもテントを張りたくなるような気持ちのいいところだ。
途中にこんな看板があった。
「関東の冨士見百景」
どうりで富士山の眺望がよいわけだ。
国土交通省関東地方整備局が認定しているようなので、ほかにどんなところがあるのかホームページを検索してみた。
国土交通省関東地方整備局のHPはこちら
山からの眺望だけではなく、街中から見える富士山も対象になっているようだ。
百景と言いながら、128の地点が登録されているのは、これいかに。
まあ、どこにでも大人の事情はある。
道満尾根の分岐まで来たら、あとは行きのルートを逆戻りするだけだ。
眼下には太陽光発電のパネルが見えてきた。
12時20分に下山完了。
駐車場には、まだ空きがある状態だった。
以前から気になっていた乾徳山だったが、ロケーションといい、変化のあるルートといい、予想をはるかに超える楽しい山だった。
岩場も鎖を使わずに登れたので、これなら大キレットや劔もまだまだやれるなと思った。
帰りの温泉は、登山口から一番近い笛吹の湯に立ち寄った。
こじんまりとした温泉だが、露天風呂もある。
ほんのり硫黄の香りがする良いお湯だった。
JAF会員なので、通常510円のところ、100円割引で410円になった。
また、事前にネットで情報を得ていたお食事処にも行ってみた。
塩山市にある「お魚屋きたいさん」。
ここは鮮魚店が営んでいる海鮮定食のお店だ。
人気No.1のきたい丼をいただいた。
海鮮丼には10種のお刺身。これにサラダとあら汁がついて、1000円(税抜)は破格である。
お刺身は肉厚にカットしてあり、食べ応え十分。
大変美味しゅうございました。
ヤマ・フロ・メシの三拍子そろって、充実の一日になった。
これで秋山シーズンを心置きなく締められる。
乾徳山の登山口は、徳和と大平高原の二択。
大平高原は標高1300mに位置しているので、徳和から登るより1時間30分くらいのアドバンテージがある。
ということで、大平高原に即決。
国道140号線から林道に入ってグネグネ進むとと大平高原にたどり着く。
途中で朝焼けに浮かぶ富士山が見られて、もう満足。
駐車場の大平荘に到着。
民宿はすでに廃業しており、登山者向けの有料駐車場を経営している。
ちなみに駐車料金は、800円也。
駐車場からは、牧場だったであろう山の斜面に太陽光発電のパネルがびっしり敷き詰められているのが見える。
民宿が駐車場になり、牧場が太陽光発電になる。
時代の流れを感じる。
身支度を整えて7:10スタート。
太陽光パネルを眺めながら車道を進む。
山の上に浮かぶ有明の月。
花札に見えなくもない?
あの山は道満山から続く道満尾根だ。
ちょっと引いたアングルで写真をとると、太陽光パネル。
月と山と太陽光パネル。
シュールな絵柄だ。
太陽光パネル群を通り過ぎると、右側に登山口の表示がある。
ススキの中を進む。
5分くらい登ると林道に出て、本当の登山口が現れた。
この先は、登山道と林道が交互に出てくるようなルートになる。
この林道は、かつては牧場管理道路として使われていたらしい。
紅葉はほぼ終わっており、落ち葉を踏みしめながら登っていく。
葉が落ちた木々の間からは、秋らしい柔らかな日差しが体を温める。
やがて、徳和からの道満山経由で登ってくるルートにぶつかる。
大平高原分岐だ。
ここからは道満尾根を進む。
道満尾根は、少し登ると緩やかになり、ところどころ視界が開ける。
振り返ると雲一つない青空に富士山が鎮座している。
近くに目をやると、カラマツの黄葉に染まる山肌が広がっている。
遠くに南アルプスも見えた。
北岳にはうっすら雪がかぶっている。
今秋の秋山は外れっぱなしだったが、今日は報われた気がした。
スタートから1時間20分で扇平についた。
枯れ野がいい雰囲気だ。
目の前には目指す乾徳山のピークが待ち構えている。
扇平の中でもっとも大きな岩が月見岩。
道満尾根と国師ケ原のルートが、ここで合流する。
それにしても穏やかな天気だ。
風もほとんどない。
ベースレイヤー1枚で登っているが、それくらいがちょうどいい。
草原に腰を下ろして、しばし休憩。
振り返れば、いつも富士山が見守ってくれている。
今日は、富士山ばかり眺めているので、先に進まない!
ここから先がお楽しみの岩ルートになる。
手洗石を過ぎて、少し樹林帯を登っていくと鎖が出てくるようになった。
今日の自分のテーマは、「鎖に頼らずに登る」こと。
山頂手前の鳳岩を攻略できるか、わくわくする。
髭剃り岩。
大岩が真っ二つに割れている。
中に入れそうだが、奥に行くほど狭くなっている。
挟まっているところを人に見られたら恥ずかしいので、入るのはやめておいた。
乗り越える岩場は、次第に厳しくなってきて、鎖場も増えてくる。
三点支持の基本に従って動けば、それほど問題はない。
カミナリ岩では、日陰になっている部分を登った。
スタンスもとれるし、ガバも多いので、三級程度かな。
富士山はずっと見えている。
もう楽しいことしかない。
胎内岩までくると、いよいよフィナーレが近い。
乾徳山のラスボス、鳳岩が見えてきた。
高さは20mほど。
最初の一枚岩が核心部。斜度は60度くらいで、つるっとしたフェースが10mちょい続く。
先行者に許可をもらって、写真を撮らせてもらった。
鎖をしっかりつかみ、岩の割れ目に足を突っ込めば、ちゃんと登れる。
今日は、ここまで鎖に頼らず登ってきた。
この鳳岩もフリーで登ろうじゃありませんか。
近づいて見上げると、ほぼ垂直に見える。
幸い後続がいなかったので、落ち着いて登ることができた。
クラックに指をかけ、つま先をねじ込み、慎重に体を持ち上げた。
デシマルグレードでいえば、5.8~5.9ってところかな。
最初の一枚岩を登り切れば、その先の10mはホールドもスタンスも豊富にあるので、高度感を楽しみながら登ることができた。
鳳岩を登りきると、目の前に山頂碑があった。
9時30分、乾徳山(2031m)登頂。
振り返れば富士山。
今日は本当に富士山の当たり日だ。
山頂は狭いので、あまりゆっくりできるところじゃない。
ひとしきり写真をとったら下山にかかる。
下山ルートは、山頂から黒金山方面へ進んだところにある水のタルから迂回新道を下ることにした。
水のタルまでは岩を縫うように進む。
途中の岩で写真撮影。
タイマーを設定して撮ったが、12秒で動ける限界を知った。
中途半端な写り具合が笑える。
水のタル。
ここからの下りは、まあ歩きづらいこと。
ピンクテープが丁寧につけられているのだが、不明瞭なふみ跡を下るようなイメージだ。
浮石も多いので、雨の日は嫌な感じになるだろう。
この表示が出てくると等高線沿いにトラバースするようになり、ルートも明瞭で歩きやすくなった。
道がほぼ平坦になってくると高原ヒュッテが近い。
木々の間からヒュッテの屋根が見えてきた。
水のタルから1時間で高原ヒュッテに到着。
高原ヒュッテは、避難小屋。
トイレもあるし、薪ストーブもあった。
ここで1泊するのも悪くないな。
天気がいいので、草原にどっかり腰を下ろしてランチタイム。
周り登山者も皆そうしている。
とても居心地がいい場所だ。
テントを張りたいくらい。(でも、だめ。ここは指定地じゃない。)
アマノフーズのフリーズドライは、復元力が高く、味が良い。
今日はビーフシチューだが、カレーも美味しい。
たっぷり休憩をとっていたら眠くなってしまった。
それくらい穏やかな日だ。
このままぼーっしていると本当に寝てしまいそうなので、意を決して立ち上がる。
ここから先は、高原のハイキング気分で歩ける。
このあたり一帯は、国師ケ原と言われているところだ。
どこでもテントを張りたくなるような気持ちのいいところだ。
途中にこんな看板があった。
「関東の冨士見百景」
どうりで富士山の眺望がよいわけだ。
国土交通省関東地方整備局が認定しているようなので、ほかにどんなところがあるのかホームページを検索してみた。
国土交通省関東地方整備局のHPはこちら
山からの眺望だけではなく、街中から見える富士山も対象になっているようだ。
百景と言いながら、128の地点が登録されているのは、これいかに。
まあ、どこにでも大人の事情はある。
道満尾根の分岐まで来たら、あとは行きのルートを逆戻りするだけだ。
眼下には太陽光発電のパネルが見えてきた。
12時20分に下山完了。
駐車場には、まだ空きがある状態だった。
以前から気になっていた乾徳山だったが、ロケーションといい、変化のあるルートといい、予想をはるかに超える楽しい山だった。
岩場も鎖を使わずに登れたので、これなら大キレットや劔もまだまだやれるなと思った。
帰りの温泉は、登山口から一番近い笛吹の湯に立ち寄った。
こじんまりとした温泉だが、露天風呂もある。
ほんのり硫黄の香りがする良いお湯だった。
JAF会員なので、通常510円のところ、100円割引で410円になった。
また、事前にネットで情報を得ていたお食事処にも行ってみた。
塩山市にある「お魚屋きたいさん」。
ここは鮮魚店が営んでいる海鮮定食のお店だ。
人気No.1のきたい丼をいただいた。
海鮮丼には10種のお刺身。これにサラダとあら汁がついて、1000円(税抜)は破格である。
お刺身は肉厚にカットしてあり、食べ応え十分。
大変美味しゅうございました。
ヤマ・フロ・メシの三拍子そろって、充実の一日になった。
これで秋山シーズンを心置きなく締められる。
色々な山ブログでこの山は岩が多いとは知っていたのですが、こんな感じなんですねえ。
登山道脇のカラマツ林にはハナイグチがにょきにょき、そんな妄想にほくそ笑む卑しい男でございます。
おさかな屋さんの刺身が丼からはみ出るほどの豪勢なきたい丼、そそられるなあ!
釣りも山も、その後の温泉と旨い食事で最高の一日が完結する、これ理想的な一日の終わり方ですよねえ!
こんにちは!
乾徳山は私も噂だけしか聞いていなかったのですが、なかなか魅力的な山でした。
岩トレにはちょうどよかったです。
温泉も海鮮丼も大満足でした。
近くてよい山発見です!