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どうしても、なにがなんでも、心の底からイワナに会いたい。
ヒューマンプレッシャーにさらされていない無垢のイワナと遊びたい。
今シーズンは、ここまでイワナ0匹更新中のため、二万五千分の一地図を穴が開くほど眼を凝らして眺め、ある谷を選んだ。
どんなに周到に準備したって先行者がいる場合もありうる。
Bプラン、Cプラン…、Fプランまで考えておいた。
さあ、出発だ!
あと数年したら荒廃して無に帰すであろうマイナーな登山道を辿って入渓する。
クマがいる山域なので、熊鈴を派手に鳴らしたり、歌を歌ったりしながら歩く。
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崩れかかった登山道に足跡を見つけた。
足跡の形から見て、どうやら一人のようだ。
登山者か? 釣り人か?
車はどこにもなかったから、今日の足跡では無いのかもしれない。
谷まであと少し。
今さら引き返すのは面倒だ。
ちょっと疑心暗鬼になりながらも先に進む。
ところどころに先行者の足跡を見つけながら目指す谷に到着した。
ロッドを繋ぎ、リールをはめ込み、ラインを通す。
暗い谷なので、ルアーは明るめで。
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入渓点のすぐ脇にある堰堤の上からルアーを落としてスイムテストをすると、いきなり手ごたえがあった。
水中で金色の魚体がグネグネと抵抗している。
どう考えても尺以上はあるイワナだ。
抜き上げようかどうしようか考えているうちに、ふっとロッドが軽くなった。
やってしまった…。
逃がした魚はでかいというが、あれはデカかった。
くよくよしても始まらない。とりあえず先に進む。
ところどころ砂地に先行者の足跡があるので、登山者ではなさそうだ。
足跡の輪郭がくっきりしていることから、昨日あたり通過したのかもしれない。
しょっぱなのバラシでショックが大きいスタートとなったが、すぐに小ぶりのイワナがBLINK45HERAに食いついた。
イワナくん、久しぶり~!
君に会いたかったよ~!
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先行者の足跡はずっと続いているが、イワナの反応はそこそこある。
しかし、水が少ないので、ルアーを食わせきれないことが多い。
バイトしてもフッキングが甘くて、3連続バラシで凹む。
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ここでシンキングからフローティングにチェンジ。
BLINK55飛燕F型を今季初投入。
イワナが下から襲ってくるのをイメージして、ルアーにアクションを加える。
戦略が当たって、8寸の良型をキャッチできた。
深い色合いの魚体とワイルドな顔つきが気に入った。
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小連瀑帯に入ってから再びBLINK45HERAに切り換えた。
落ち込みの白泡に打ち込んで縦アクションとフォールを繰り返す。
イワナは喜んでルアーに飛びつく。
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大岩の左右から水が滝になって落ちている。
高さは2メートルくらいだ。
左の滝下から攻めるが、反応無し。
次は右。こちらの方が若干深そうだ。
フォールの瞬間、何かに引っかかったような気がしたが、すぐ外れた。
イワナか、地球か、どちらか微妙なところ。
一呼吸おいてから同じところで同じアクションをすると、今度は明確な生命感が伝わった。
ロッドを立てると、ドラグが鳴った。
尺を確信した。
背中のネットを掴んで一気に掬い取った。
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この一尾でイワナ欠乏症が一瞬で寛解した。
頭が大きく、口がでかくて曲がりかかっている。
歯が鋭い。
まさしく谷のネイティブだ。
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尺を確信していたが、改めて見てみると少し足り無さそうな…。
メジャーを恐る恐る当ててみると、なんと2cm足りない。
まあ、いいさ。
感謝の気持ちを込めて丁寧にリリース。
ゆっくりと体をくねらせながら、白泡の下へ戻っていった。
さあ、ここからが楽園のスタートだ。
待ってろよ、尺イワナをぶち抜いてやる。
鼻息荒く岩を乗り越えていくと、真新しい焚火の跡を発見した。
そうか、先行者はここまで竿を出さずに登ってきてビバークしたのか。
すると、ここから先の釣果は望めない可能性が高い。
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バラシは多かったが、いいイワナに出会えたので、気分よく納竿できた。
退渓がてら崩れた斜面にヤマウドを発見。
みると、そこらじゅうヤマウドだらけだった。
夕飯に食べる分だけ摘んだ。
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デイパックの横にヤマウドを差して、足取り軽く谷を去った。
夕飯のメニューを考えながら歩くのは楽しい。
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朝は肌寒いくらいだったが、陽が昇ってからは気温もぐいぐい上昇し、車に戻ったときには滝のような汗をかいていた。
最近ご無沙汰していた温泉に立ち寄った。
硫黄臭が濃く漂う銘泉だ。
いつも地元のお年寄りでにぎわっている。
外には無料の足湯もある。
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さてさて、摘んできたヤマウドで男の料理教室のはじまりはじまり!
ヤマウドはすぐに萎びてしまうので、たらいに水を張ってつけておくと、再びシャキッとする。
今日は3品作った。
一品目は、ヤマウドの皮のきんぴら。
インスタのフォロワーさんから教えてもらった。
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二品目は、ヤマウドと豚バラの炒め物。
ヤマウドは、根元の太い部分を使う。
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三品目は、定番の天ぷら。
脇芽の柔らかい部分を使った。
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我ながら素晴らしいディナーが完成した。
いただきます!
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うまうまー!
イワナは釣れたし、山菜は美味しいし、言うこと無し!
余は満足ぢゃー!
ヒューマンプレッシャーにさらされていない無垢のイワナと遊びたい。
今シーズンは、ここまでイワナ0匹更新中のため、二万五千分の一地図を穴が開くほど眼を凝らして眺め、ある谷を選んだ。
どんなに周到に準備したって先行者がいる場合もありうる。
Bプラン、Cプラン…、Fプランまで考えておいた。
さあ、出発だ!
あと数年したら荒廃して無に帰すであろうマイナーな登山道を辿って入渓する。
クマがいる山域なので、熊鈴を派手に鳴らしたり、歌を歌ったりしながら歩く。
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崩れかかった登山道に足跡を見つけた。
足跡の形から見て、どうやら一人のようだ。
登山者か? 釣り人か?
車はどこにもなかったから、今日の足跡では無いのかもしれない。
谷まであと少し。
今さら引き返すのは面倒だ。
ちょっと疑心暗鬼になりながらも先に進む。
ところどころに先行者の足跡を見つけながら目指す谷に到着した。
ロッドを繋ぎ、リールをはめ込み、ラインを通す。
暗い谷なので、ルアーは明るめで。
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入渓点のすぐ脇にある堰堤の上からルアーを落としてスイムテストをすると、いきなり手ごたえがあった。
水中で金色の魚体がグネグネと抵抗している。
どう考えても尺以上はあるイワナだ。
抜き上げようかどうしようか考えているうちに、ふっとロッドが軽くなった。
やってしまった…。
逃がした魚はでかいというが、あれはデカかった。
くよくよしても始まらない。とりあえず先に進む。
ところどころ砂地に先行者の足跡があるので、登山者ではなさそうだ。
足跡の輪郭がくっきりしていることから、昨日あたり通過したのかもしれない。
しょっぱなのバラシでショックが大きいスタートとなったが、すぐに小ぶりのイワナがBLINK45HERAに食いついた。
イワナくん、久しぶり~!
君に会いたかったよ~!
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先行者の足跡はずっと続いているが、イワナの反応はそこそこある。
しかし、水が少ないので、ルアーを食わせきれないことが多い。
バイトしてもフッキングが甘くて、3連続バラシで凹む。
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ここでシンキングからフローティングにチェンジ。
BLINK55飛燕F型を今季初投入。
イワナが下から襲ってくるのをイメージして、ルアーにアクションを加える。
戦略が当たって、8寸の良型をキャッチできた。
深い色合いの魚体とワイルドな顔つきが気に入った。
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小連瀑帯に入ってから再びBLINK45HERAに切り換えた。
落ち込みの白泡に打ち込んで縦アクションとフォールを繰り返す。
イワナは喜んでルアーに飛びつく。
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大岩の左右から水が滝になって落ちている。
高さは2メートルくらいだ。
左の滝下から攻めるが、反応無し。
次は右。こちらの方が若干深そうだ。
フォールの瞬間、何かに引っかかったような気がしたが、すぐ外れた。
イワナか、地球か、どちらか微妙なところ。
一呼吸おいてから同じところで同じアクションをすると、今度は明確な生命感が伝わった。
ロッドを立てると、ドラグが鳴った。
尺を確信した。
背中のネットを掴んで一気に掬い取った。
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この一尾でイワナ欠乏症が一瞬で寛解した。
頭が大きく、口がでかくて曲がりかかっている。
歯が鋭い。
まさしく谷のネイティブだ。
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尺を確信していたが、改めて見てみると少し足り無さそうな…。
メジャーを恐る恐る当ててみると、なんと2cm足りない。
まあ、いいさ。
感謝の気持ちを込めて丁寧にリリース。
ゆっくりと体をくねらせながら、白泡の下へ戻っていった。
さあ、ここからが楽園のスタートだ。
待ってろよ、尺イワナをぶち抜いてやる。
鼻息荒く岩を乗り越えていくと、真新しい焚火の跡を発見した。
そうか、先行者はここまで竿を出さずに登ってきてビバークしたのか。
すると、ここから先の釣果は望めない可能性が高い。
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バラシは多かったが、いいイワナに出会えたので、気分よく納竿できた。
退渓がてら崩れた斜面にヤマウドを発見。
みると、そこらじゅうヤマウドだらけだった。
夕飯に食べる分だけ摘んだ。
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デイパックの横にヤマウドを差して、足取り軽く谷を去った。
夕飯のメニューを考えながら歩くのは楽しい。
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朝は肌寒いくらいだったが、陽が昇ってからは気温もぐいぐい上昇し、車に戻ったときには滝のような汗をかいていた。
最近ご無沙汰していた温泉に立ち寄った。
硫黄臭が濃く漂う銘泉だ。
いつも地元のお年寄りでにぎわっている。
外には無料の足湯もある。
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さてさて、摘んできたヤマウドで男の料理教室のはじまりはじまり!
ヤマウドはすぐに萎びてしまうので、たらいに水を張ってつけておくと、再びシャキッとする。
今日は3品作った。
一品目は、ヤマウドの皮のきんぴら。
インスタのフォロワーさんから教えてもらった。
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二品目は、ヤマウドと豚バラの炒め物。
ヤマウドは、根元の太い部分を使う。
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三品目は、定番の天ぷら。
脇芽の柔らかい部分を使った。
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我ながら素晴らしいディナーが完成した。
いただきます!
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うまうまー!
イワナは釣れたし、山菜は美味しいし、言うこと無し!
余は満足ぢゃー!
見事な泣き尺岩魚とぶっとい独活の取り合わせが言うことありまへん!
こんにちは!
今シーズンはイワナと縁遠かったので、この釣行は大満足でした。
相変わらずお魚のご機嫌に翻弄され、一喜一憂しており、何年釣りをしていても全く成長のない私です。
ヤマウドは、思いがけない収穫でした。
雪どけの遅い地域は、まだまだ春の山菜が楽しめるということですね。