お気楽ナチュラリスト

都内に住んでも心はナチュラリスト。
週末は山と川で遊びたい。

2023渓流解禁は最高のスタート

2023年03月05日 | 釣り
齢をとると時間の流れが加速度的に早く感じるようになる。
ついこの前禁漁になって、しばらく雪山で遊んでいたら、もう3月になってしまった。
インスタグラムからは、次々に初釣行の画像が送られてくる。
カレンダー通りにしか休めないサラリーマンの身としては、周囲の盛り上がりに内心焦りを感じながらも、冷静を装うかのように粛々とルアーのフック交換作業にいそしみ、時間をやり過ごした。
フック交換は、自分にとって相撲の土俵入りみたいなもので、来る日に備えて精神力を高めていく作業である。



いよいよ3月の第一土曜日がやってきた。
ここ数年、ホームリバーの過熱ぶりがすごい。
昨シーズンは、少しの出遅れでプランDにまで落ちぶれてしまったので、今年はかなり早めに出陣した。
しかし、同じように考えているアングラーは当然いるわけで、プランAにはすでに車が入っていた。
仕方なくプランBの支流へ。


東の空が明るくなってから入渓。
気温はマイナス1℃だった。
冬枯れの渓は、底冷えがする。



一礼して入渓し、解禁祝いと安全祈願のお清めを行う。
今年もケガ無く無事にシーズンを過ごせますように。
できれば、爆釣できますように。


お酒を渓に振り撒き、両足に振り撒き、一口含んでロッドに酒しぶき。
これで身の安全と爆釣は約束された。


これでサクッと釣れれば本日の目的は達成されるわけだが、そうは問屋が卸さない。
今冬は雨が少なくて、渓はカラカラの渇水状態だ。
おまけにガイドが凍り付くほどの低温。
透き通った淵の底に小さなヤマメが見えるが、全くルアーには反応しない。
ルアーを打ち込むと逃げていく。
二時間で心が折れて脱渓した。


林道をとぼとぼ下っていくと、入渓点に高齢の釣り師二人が酒盛りの最中だった。
あと1時間くらい呑んでから釣りを始めるそうだ。
いい感じに酔っぱらった方が、ロッドを持つ手元が震えて、ナチュラルドリフトでエサを流せるそうだ。(笑)
「齢をとると楽しいんだよ。」と日本酒をあおりながら上機嫌で語っていた。
実に羨ましい齢の重ね方である。


このまま帰るわけにもいかないので、ダメ元で本流筋に入った。
今日は午後から仕事があるので、あと2時間弱で切り上げないといけない。
太陽も上がってきて、谷底にも陽が届くようになった。
ヤマメの活性も上がってくることを期待する。



陽が当たっている大きな淵では、数尾のヤマメが中層付近から上層あたりまで浮いてきていた。
スローなアクションでヤマメを誘い、渕尻で喰わせるイメージで戦略を練る。
ルアーは、BLINK55飛燕S型をチョイス。
上層の少し下をゆらゆらと漂わせるようにリトリーブする。
5投目くらいで、クンという小さな当たり。
ロッドに生命感が伝わってきた。


ファーストフィッシュは15cmに満たない小さなヤマメ。
どうやら成魚放流のヤマメみたいだ。
なにはともあれ、解禁ボウズを回避できてホッとした。


たまたま入った区間は、成魚放流があった場所のようだった。
釣り上がっていくと、淵には必ず数尾のヤマメがゆらゆらしている。
二尾目は、少しサイズアップした。



今日は飛燕S型がマッチしていたようで、三尾目も難なくキャッチできた。
本音を言えば、越年物のサビたヤマメが釣りたかったが、ボウズでなかっただけでも良しとすべきだろう。



そろそろ時間が迫ってきた。
次の退渓点まで足早に進むことにする。
この先は、やや渓相が狭まり、落ち込みが連続する。
ルアーを沈めたいので、BLINK45HERAに切り替えた。

少し高めの足場からアップクロスでルアーを流すと、白泡が消えかかるあたりで金色っぽい魚体がグワーンと下からルアーに襲い掛かった。
喰いそこなったが、明らかに尺越えのイワナだ。
同じコースを流しても、おそらくまた喰い損ねる可能性が高いので、そーっと落ち込みの上流側に足場を移し、ダウンでルアーを見せ続けた。
思惑が当たって、ドスンという重い手ごたえ。
ラインを張りつめ慎重にやりとりし、下流側に回ってランディング成功。




32㎝の立派な尺イワナだった。
この時期にしては、そんなに痩せておらず、重量感があった。
シーズン初期は、体力のある大きな魚から先に動きだすというが、まさしくその通りとなった。


昨シーズンは、なかなかイワナに出会えなくて、とても苦労したのに、解禁初釣行で尺イワナに出会えるとは夢にも思わなかった。
お清めと願掛けが効いたのか。
幸先が良いのか、それとも運を使い果たしたか。
できれば前者であってほしいという願いも込めて、丁寧にリリースした。
イワナは、また元の落ち込みへ戻っていった。


退渓して車へ戻る途中で、フキノトウが顔を出していた。
まだ開いておらず、サイズも小さかったが、カミさんが毎年楽しみにしているので、いくつか摘んでいった。



夕餉には、恒例のフキノトウの天ぷらとみそ汁。
これが一番うまい。


3尾のヤマメと尺イワナ。
そして、フキノトウ。
最高の解禁初釣行となった。

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