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「おもしろいね」がお互いの楽しい言葉になったMちゃんと私。
どっさり降った雪、庭の木々に積もる雪はアイスクリームかソフトクリームだ。
「おもしろいね、Mちゃんのソフトクリームはあれね」
「わたしのはあそこの木のところが良いな」
「あっ、ソフトクリームが落ちちゃった」
こんな会話をして庭の雪景色で遊んでいると外に出たくなってしまったMちゃん。
おそるおそる一歩を踏み出す。
足跡のない庭。
「歩いてごらん」
「Mちゃんの前に道はないMちゃんの後ろに道はできる」
こういうことかな~とその様子を見ているとバランスを崩し転んでしまった。
すると雪の中で転んだまま雪に触っていた。
何分も過ぎないうちに立ち上がり 、ガーデンテーブルに積もった雪に近づいた。
20センチほどに積もった雪の一部を指先にとり口もとまで持っていった。
なめるつもりかなと思ってガラス越しに見ていると私をチラリと見て口の近くまで雪を持って行っただけだった。
私は小さい頃の自分を思い出していた。
幼い頃に雪を食べたことがあった。
かき氷感覚だったのだろう。
その時に一緒に雪を食べるのを手伝ったのは、明治生まれで無学なわたしの大好きな祖母だった。
雪を溶かしてみると綺麗な雪にもたくさんのゴミが入っているとの驚きの学問を与えられると美味しそうな真っ白な雪に対するイメージはかき氷から、ただの雪になってしまった。
Mちゃんは舐めもしなかったように見えたが確かなことはわからない。
中に入りましょうというとすんなり入ってきた。
ブーツに雪が入り、気にもなっていたのだろう・・・。