私ではない。
夫がである。
酒好きで煙草好き。
肝機能の数値が許容範囲を相当超える数値で、再検査となった。
ここ何年も、高い数値であるのに、タカをくくっていた。
酒を飲まなければ数値は下がると。
ところが、年々高くなり、遂にエコーで肝臓の状態やらを見せられたらしい。
詳しいことは話さないのだが、相当ショックだったのかソファーに寝転んだ。
血圧も高くなり、再検査に行き、催促して降圧剤をもらってきたというのだ。
2・3年前まではお酒のことで言い争いを大分続けてはみたが、諦めた私は、いつの間にかなんの注意もしなくなっていた。
今がチャンスだと思った私は、寝てる夫のいるところで、母を相手に相当きつい愚痴を語りだした。
血圧の薬を飲んだって生活習慣を変えない限りダメだと思わない?
夫の狸寝入りを知ってか母は一言も共感を示さない。
私は狸寝入りを利用しようと思っているのに。
肝臓の悪い人の行き先はことにな?た私は夫の面倒は見ない、離婚だと母を相手に騒いでみた。
さらに、いつも一緒にいる私の方が、医者より夫の生活やら体を知っているのに数分間だけの出会いの医者の言うことは真剣に聞くっておかしくない?
途中で寝返りを2回、あきらかに狸だ。
もう少し、ひどいことを頑張ってみた。
お父さんのことを考えてくれる人なんか私の他に誰かいると思う?
最後は孤独死だから。
極めつけは、せっかくの退職を控えてこれから自由に生きられるのに、病院通いになったら本人が一番可哀想よね・・と。
にやっと笑いながら、私も役者だわねえと思いながらの発言。
依然、母は無口。
利口なんだ、母は。
その夜から夫の生活習慣はガラリと変わった。
寝るまで飲んでいた焼酎の買い置きをやめ500mlのビールを1本。
食事はビールを飲んだあとに早めに、今までは12時近くの食事であり、カロリーの高いものばかり。
降圧剤は、そばにおき、いつでも飲めるように安定剤がわり。
血圧を何度も測っては日に日に正常値に収まる感触を得ているようだ。
降圧剤を使い、大量のお酒を飲むことでドンドン下がるのが怖い。
それは危険なので飲まないようにした方がいいと医者でもない私が言ったことで飲まずにいたのである。
飲まないのはお酒にしてくれればいいのにそうではなく降圧剤をである。
そのことを再検査のとき、先生に言うと、2年ぐらいもつ錠剤で悪くならないからと言われたという。
なんだかなァという感じである。
正気に戻った夫との暮らしはなんか変である。
酔っ払いな人と長く暮らしていたので、別な人と暮らしているようなのである。
今までのように相手が酔っ払いと思ってしていた発言がはばかられ、私の人格も少し変えないといけないようなおかしな感じである。
一月ぐらいしたら再検査をしてみて数値が下がっていればいいのだが、ダメなら休肝日に向けて頑張らないと病気への道をまっしぐらだ。
同じように酒好きや煙草好きのために病気になり、亡くなっていく先輩たちがたくさんいるのだから、そろそろ学んでもいいはずである。
崖っぷちに立たされないと自己管理できない人はたくさんいる。
でも崖っぷちに上り詰めるのはあまりにも無知で危険すぎる。
夫に、私の言うことを聞かないで病気になったら私は面倒みないよというと、
「そういう人に限って面倒見てもらう立場になるんだっけ」
と言われてしまったが、確かに反論はできない。
甘え放題な私は、とにかく夫が先に死ぬと思うのが恐ろしいだけなのかもしれない。
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