ハルが保育園に行く。
これは大変なことなのである。
あれから、初日はスムーズに行ったものの問題は二日目のことである。
我が家の朝は母を除いてはだれでもが機嫌が悪い。
というのは家系かもしれない。
父親の仕事の都合もあり、また慣れない保育園までの交通事情。
早番を代わってもらっての勤務日だった。
起きたときから重い雰囲気。
私も、お弁当つくりに専念し、不安気なハルの様子を無視した格好になる。
それというのも父親がいるじゃないかの気持ちと出すぎては悪いかなの気持ちが大きかった。
時間が来た。
椅子に力強くしがみ付き、動こうとしない。
私が先にカバンと靴を車に置き、父親が最後は力づくで椅子から引き離し、泣き叫ぶハルを車の中に投げ込むように・・。
ハルは負けてなかった。
裸足で、そして車の鍵を開け、脱出。
諦めた父親は普段の時間まで時をもてあました。
複雑な心境であったことだろう。
「しょうがないよね、ハルだっていろいろ我慢してるんだから」
と私もようやく口を開く。
前日から下痢気味であることと風邪気味であることは承知していた。
それに加えて私の頭をかすめた二つのこと。
満了式の練習があるだろうということと自分の予定があること。
しかし、ハルが保育園に行かなかったときから優先順位の変更はすでに頭にあった。
午前中にはボラの予定、そこへ、朝、義姉からHELPの電話が舞い込んだ。
そうとう看病に疲れているような声の調子。
母にハルをお願いし、ボラを休み、義母のもとへと優先順位を変更した。
午前中一杯を義母への朝食、おやつ、昼食の介助、そして義姉の「コーヒーでも飲んで話を聞いてちょうだい」の言葉に応じる。
義姉の心も安定し、昼食前に帰ってくると、ハルが母とリビングに寝ていた。
熱を計ると7度。機嫌が治ったところで理由を聞いてみた。
喉が痛かったという。
言葉でそれを言わないと誰もわからないことを話す。
<悲しいかな幼稚園教諭の癖が染み付いている>
その後、いろいろ幼稚園教諭としての考えをめぐらし、計画表を作る。
寝る時間と起きる時間を決める。
たっぷりの睡眠時間が必要だ。
最後は「げんきに行ってきますという」である。
こんな風にして翌日を迎えた。
父親に抱かれ、二階から降りてきたハル、なんだか目覚めから調子が悪い。
ウウッ・・またか?・・とドキドキする。
それで早めにお弁当つくりを済ませると、ハルのお手伝いをしてみようと顔洗いや歯磨きに付き合う。
今にも泣きそうなぐらい機嫌が悪い。
抱っこしてあげると次第に気持ちが軽くなってきた風である。
母も私も息子も、またか・・と思って不安がっていては、こりゃ良くないと思っての手立てである。
母と私がテレビのラジオ体操にあわせ、身体をゆすると笑いが出てきた。
ハルは私の膝のうえでゆれている。
何も食べないと頑固に言い張っていたハルが目の前の「げんきなヨーグルト」を食べると言い出した。
それを食べると、計画表に目をやり、「えんじふくをきる」という行動に出た。
これで大丈夫、今日は近所にも聞こえる声で暴れたりはしないと確信。
父親の準備も整い、車へと行くばかりになった。
忘れ物ですよ。
「げんきに行ってきますは?」
「行ってきまーす」
フウ・・。
「それじゃあ1時にお迎えに行くからね、それに約束のポケモンカードね」
私が、こんな約束を孫としたこと事態、驚いている。
ポケモンカードとはセブンで売ってるらしく、3年前から集めているという。
一度も買ってあげたことがないし、それがどこにあるかさえわからない。
そのカードを夕べ、お風呂で約束したのである。
「計画表の6個ができたら保育園の帰りに6個のポケモンカードを買ってあげるね。」と。
「幼稚園の帰りには、友達の家に寄ったり、お母さんにおねだりしておもちゃを買ったりしないようにね」と園児に言っていた幼稚園教諭時代の私。
「交換条件で子どもにいうことをかすようなことは、してはいけないこと」と頭の先から足の先まで認識していたはずのかつての私。
今日は、ポケモンカードを買い、家に帰る途中、岳温泉に寄り、お風呂に入ってこようという計画さえ立てているのだ。
母と叔母と一緒に迎えに行く。
これが世の中なのでは・・と感じたりしてるa green hand な私である。
最新の画像もっと見る
最近の「Weblog」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
人気記事