a green hand

ポケモンカード

電話が鳴った。
以前より、電話恐怖症になってしまった。

ハルからだった。
ビクッとした。

<何が起こったのだろう>
「まーばあちゃん?パパが代わりたいんだって」
<え~また携帯忘れたとか?そんなはずはない、携帯からなんだから・・>

「お母さん、ポケモンのカード買ってやったの?」
「買ったけど・・」
「何枚買ったの?」
「6枚だよ」
「ホントに6枚買ったの?なんで?」
「信じられないでしょう~?お母さんも信じられないの、朝の6つの計画ができたら買ってやるって約束したから・・それに一枚いくらかも知らなかったし」

電話の向こうで笑ってる息子。

私を知る息子は、ハルのいうことが信じられなく、電話で確かめたかったのだ。

ポケモンカードを買ってあげるという行為も信じられないのに、6枚も買ったということは全く嘘の世界だったに違いない。

また、電話、「まーばちゃん、今度はパパにピンクのネクタイじゃなく、金色のネクタイ買ってあげてえ」

「ハル君、マーばあちゃん、電話がなるとびっくりするんだからもうかけてよこさないでね・・・金色のネクタイ?パパがそういったの?わかったよ、金ちゃんになるんだね。行ってらっしゃーい」

「は~い」

元気な声である。新しい日常にも慣れてきて、機嫌よく行動できるようになったし、パパと話しながら1時間の距離を楽しめるようになった。
父親の方も時間の余裕を感じたらしい。

遅れないようにと必死で運転する保育園までの父親はハルにとって苦痛だったらしい。

それで車の中の会話を楽しんでねのメールを息子に送った。



昨日はママに会って保育園に行ったという。

まずは、ばかばかしい約束のポケモンカードも役にたったということだ。
母と、その話をしてホッとする。

今日は、英語に参加し、そのあと、高速を使って迎えに行こうと考えている。

ハルの母親は明日から入院と決まった。
少し、遠いがなるべくハルを見舞いにやらないと、母親が安定しないと思い、息子にそのことを話す。

ハルは苦労の多い幼少期である。

なんとか頑張ってほしい。
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