作並温泉4人の旅、楽しかった。
およそ5年前のこと、我が家にM3人とTが揃った。
ひょんなところからの4人組である。
「友達の友達はみな友達」の言葉通りの展開である。
春のこと、ピンクの蔓バラがとても綺麗に咲いたので、英語仲間に
見にこない?と誘ったところ、大勢でやってきた。
庭で過ごしたわけだが、家にも入ったのかもしれない。
その時に面白いTさんが、「大変だ、モデルハウスに生活している人がいる、しかもあんな田舎に」と。
Tさんは、感覚が似たようなMさんに話し、Mさんを我が家に連れてきた。
その後、Mさんが仙台に住む感性の良く似た友達M2をわざわざ仙台から呼び寄せたのだ。
決してモデルハウスのように立派ではないのに、何か共通するものがあったと見える。
その後、仙台に招待されて、M2さんの家に行くと、趣向の似たものたちに囲まれていた。
私が感動したのは、M2さんの庭だ。
イギリス好きのM2さんの庭にはグレーに変化したガーデンテーブルとベンチ。
木々の緑と勢いのいい草花たち、落ち着いた実にいい庭だった。
庭にはハンモックが架けられ、ログハウスにはM2さんの趣味の本で溢れていた。
バラも格別に美しかった。
そのような経過を過ごし、遠くに住むM2さんと会うのは今回が2度目の5年ぶりである。
震災後のストレスフルな仕事から大病を患ってしまったということはM1さんから聞いていた。
話を聞き、震災時に働いていた大変さを目の当たりにした。
ホッとひと息つけた頃に歯のばい菌からの高熱だったらしい。
震災で、ひと月も断水した仙台にはきっと様々な近い事件があったはずである。
入院中のトイレで意識不明になり、首の骨を痛めた。
何日も何日も熱が上がり、下がりして、生きる気力が全く失せた状態での入院の日々だったという。
誰とも会いたくないほどに、すっかり心身ともに疲弊していたという。
連日、高熱でビッショリになり、毎日、洗濯物を持ってくる夫とさえも会うのが嫌だったという。
夫からの見舞いのバラの花にさえ、袋をかぶせたという。
そんな中、面会謝絶のM2さんにM1は義理の姉を装っての面会をしたのだ。
誰からも尊敬されている名物看護師のM1さんである。
友人のM2さんに生きるように説得したという。
「夫のためには生きようとは思わなかったけどM1ちゃんのために生きようと思った」というのだ。
「M2ちゃんが居なくなったら私、旅行に行けなくなってしまう・・」と、たったこれだけの言葉である。
震災は家族を結びつけることにもなったが、一方亀裂を生むきっかけにもなった。
その意味が身近でとてもよく分かった。
退院は実家にしようとまで決心をしたM2さんだったが、7月7日に退院した日、普段何もしない
夫さまが家中をきれいにして頑張った。
二階からM2さんのベットを下ろし、その日を迎えてくれたという。
何より、水不足の中、1本も庭の植物を枯らさずに、その退院の日に、ラベンダーがとびきり、きれいに咲いていたのを見て、
「決めた」から「許す」に変わったという。
感動的な話だった。
M2さんは震災でいろいろな困難に出会い、泣き、怒り、混乱したが大事なものを無くさずに済んだ。
それと、年上と年下夫では大分妻の態度は違ってくるな~ということ。
Tを除く3人はお見合い結婚である。
大恋愛を経た後のお見合い結婚なのか・・そのへんは微妙である。
早いうちに結婚したのとそうない結婚には、リスクも伴うが、大人で結婚した人の結婚観はしっかりしている。
4組ものストーリーが集まると、皆同じく頑張って生きてきたなぁという気がして感慨深いものがある。
共通しているのは、どんな「悲惨」なことにも、振り返ると「笑える」という幸せ。
人間って愛おしいものだなと思えたこの二日間であった。
それと、今回、4人が集まるので、プレゼント交換をしようということになっていた。
それぞれに持ち寄ったもの、相談することも無かったのに共通していたのは「バラ」
バラのバスキューブ、ル・ドゥーテのカレンダー、バラの模様の布製マット、そしてロンドン
大好き著者の本がバラのブーケをつけた紙袋に3冊。
おまけにグループの名前を決めましょうとTが言えば、M1はバラの名前を数点考えて来たという。
凄いねえと皆が驚いていると、「でもお財布を代えて持ってきたのでその中に入っているからわからない」とM1らしい。
M2さんは「無尽」という意味をみんなで考え、そのグループの名前を決めましょうと今回、臨んだという。
「無尽」とは、人生を豊かに生きていくための様々なグループを作るという。
生まれるグループもあれば、消えていくグループもあり、それも全て無尽。
いくつかその「無尽」を持つ方が、自分を成長させ豊かに生きられるという。
初めて聞いた言葉である。
我々の「無尽」の名前は、アンジェラに決まった。
「アンジェラ3M・T」アンジェラはとても丈夫な蔓の無邪気な可愛いバラである。
おまけに四季咲きで遅くまで咲いている。
可愛く老いるのが課題だということだが、私が思うに、今でも十分可愛い人達なので、達成できると密かに思ってみた。
私が「オールドローズ」といったのは却下、リアルすぎたのかもしれない。
お風呂からあがり、Tさんは卓球のダブルスをしようといい出した。
キャーキャー言いながら遊んでいるとお風呂にいく人たちが立ち止まって見ていく。
M1も私も卓球など何十年もしたことがないし、興味も無く気が進まないまま遊び始めたのだ。
Tさんの強引さは時に人の勇気を引き出すから面白い。
翌日「ガーデンガーデン」で可愛いピンクのチューリップの球根「アンジェリナ」を買うとほかの二人も同じものを買った。
アンジェラに似ていたからだ。
M2さんは既に持っていたらしい。
M2さんは行動派である、たくさんの店を案内してくれた。
イギリス家具の店に行ったり、美味しいと思うレストランに連れて行ったり、アウトレットをも見物した。
最後は仙台の常禅寺通りの欅に飾った美しいイルミネーションで
二日間の旅を終えた。
どこか遠くまで旅したようなたっぷり二日の旅であった。
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