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a green hand

原発問題

ハラハラした展開になり、最初のうちはテレビにかじりついていた。
しかし、二日前、周りが避難し始めたり動きが出て来た辺りから心が決まった。

私はここを離れないと。
しかし、これからの子どもには危険を犯してはならないと思い、パパ、ママと
いざとなったときの、避難用ガソリンの確保に頑ばった。

並んでも3時間近く並び、6リットルという。
ママの車はうちに向かったときから、ひとめもりを残す状態であり、息子の車も
ガソリンがないために仕事を休んだようなものである。

ママもならんだが、すっかり自分の番になる前にガソリンが無くなってしまったという。
どの車に入れるかを考えたとき、夫のプリウスが一番いいということになった。

燃費が一番いいからだ。
それに満杯にすれば、東京までは走れる勘定である。
6リット入れても半分量から少し上だったという。

ママの手配により、知り合いの人がガソリンを供給してくれるというのだ。
それも遠いところからきてくれた。
30リットルのガソリンをプリウスとママの車に分けていれたという。

これで、ハルを守れる準備ができた。
それで、もしもの場合どこへ避難するの?と息子に聞いてみた。
娘にお願いしてみたらというと私も息子も渋っていた。

断られるのが怖いのである。
何かとても大切なものが切れてしまうのではないかという不安が私にも息子にもあった。

3人を受け入れてと言ったら、どんな事があっても何とかするよという言葉を
期待している私がいた。

そんな風にお願いしたら、もしかしたら、ホテルを準備したよというかも知れないねと笑った。

娘から、メルトダウンが起こっても、50キロ地点では大丈夫だよの励ましのメールがきていた。
だからあまり焦らなかったのかもしれない。
情報が錯綜するようになると、人は一番身近なもので信頼出来る人を信じるようになる。
その人間は、非常に冷静に事態を見極める力をもっていると普段から信頼されていないとダメだ。

途中、娘に、最悪の場合でもこの地点は大丈夫なんでしょうとダメ押しをすると
「そう思ってな」という。
そう思うことにした。

周りでは、家族が福島の危険さを察知し、呼び寄せたりしている動きが出てきていた。

山形に住む、韓国からお嫁さんに来て、私がボランティアを受け持ったYさんも、心配して
朝はやく電話をくれた。
山形にくればいいといってくれた。
一番近くの人より、そういう遠くにいる人の周りの行動とかから、
段々に危機感を募らせるのだと今回特に感じた。

奥さんのような人も友だちのところへ親子で避難したという。
息子は、一応誘われたけど、前から避難しないっていってたからと・・。

黙って行くのもなんだから一応言ったんじゃないとシビアである。
冷静すぎる、我が家の子どもたちである。

夫は息子のことを守りたい人が多くいて大変だなと連日避難所の世話をしている夫は、
お酒を大量に飲まないと眠れないらしく、酔っ払って呟いていた。
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