●今回のテーマ : なぜヨッシーはキノコを食べなくなったのか?●
…何のこっちゃ?という人が多いと思うので、説明します(笑)
『スーパーマリオワールド』で初登場した可愛らしい恐竜、ヨッシー。昨年に、生誕20周年を迎えました。
当時のヨッシーは、キノコなどのパワーアップアイテムを食べると、それに応じてヨッシーに乗っているマリオがパワーアップしました。
しかし、『NewスーパーマリオブラザーズWii』で久々に登場したヨッシーは、パワーアップアイテムを食べてもマリオに変化はありません。口にくわえたままになっており、もう一度ボタンを押すと吐き出します。
プレイした人の中には「あれ?」と頭の片隅に引っかかった人も、もしかしたらいたのではないかと思います。
なぜ、食べなくなったのか?ここには、2つの理由が考えられます。
◆-- マリオがパワーアップするという「違和感」 --◆
そもそも理屈で考えると、ヨッシーがキノコを食べているのにマリオがパワーアップするというのは、おかしい話ではあります。ヨッシーがパワーアップするのなら分かるんですけどね。
しかし「ゲーム制」を考えるなら、ヨッシーが食べてもパワーアップしたほうが、少し楽にはなります。
「ゲーム制」を取るか?「不自然を消す」のを取るか?このバランスの取り方は、どこまでいっても難しいものです。例えば、水中でファイアボールが使えていいのか?も、その1つです。
ファイアボールについては「ゲーム制」を重視して、これまで通り水中でも使えるようになっていましたが、今回のテーマにあるように、ヨッシーに関してはこれまでと違って「キノコを食べない」という形に変わっています。つまり「不自然を消す」のを重視した結果、食べないようになったことが考えられるわけです。
◆-- マルチプレイを考慮 --◆
『NewスーパーマリオブラザーズWii』は、マリオの2Dアクションとしては初めて複数人での同時プレイが可能になりました。もちろん1人でも楽しめますが、何よりも2人以上でワイワイ言いながら攻略を楽しんでほしいのが、今作の醍醐味でした。
そこを重視して考えると、今回のヨッシーを「アイテムを食べない」という仕様にすることで、例えば崖に向かって進んでいるキノコを食べて他のプレイヤーにあげるという協力プレイが可能になります。あ、ちなみにプレイヤー自身を食べて吐き出すという「妨害プレイ」もできますけど(笑)
また、これによってパワーアップアイテムを自分が取るか?他人にあげるか?という選択肢が生まれます。自分が取りたいなら触ればいいですし、他人にあげるのならヨッシーに食べさせて他のプレイヤーに吐き出してあげればいいわけです。もちろん、他の人が取ろうとしているキノコを食べて吐き捨ててしまう妨害プレイも、いいわけです(笑)
ということで、以上の理由からヨッシーが「キノコを食べない」という形に変わったのではないかと考えられます。
普通なら、こういう細かいところについては作る側も遊ぶ側も「変化しない」ことを望むものです。作る側からしたらそのほうが楽ですし、遊ぶ側も新たに覚える必要がありませんからね。(逆に、変化したほうが絶対にいいシステムとかもあったりしますが)
しかし、こういう変化を発見したりすると、細かいところまで考えが行き届いていることが改めてよく分かりますね。
個人的には、口に入っている状態で十字ボタン下を押すと飲み込む、とかがあっても良かったかな~とか思いましたが、下手に操作を増やしたくはなかったでしょうね。
というか、それだと思いっきりカービィですし(笑)
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