チャイコフスキー庵 Tchaikovskian

有性生殖生物の定めなる必要死、高知能生物たるヒトのパッション(音楽・お修辞・エンタメ・苦楽・群・遺伝子)。

「チャイコフスキー『眠れる森の美女』#6ヴァルス(ぞの1)/イントロ前半」

2010年02月04日 23時55分38秒 | やっぱりリラだ! 百年経っても大丈夫
東京の今朝はこの冬一番の寒さだったらしい。が、
湯島天神は受験生と梅がすでに咲き始めてる。
「東風吹かば、にほひをこせよ、梅の花。
主なしとて、春を忘るな」(菅原道真)
私は梅が好きである。やはり、
ニオイがその魅力のひとつでもある。
毎年、2月にはいると都内の
あちコチの梅をみにいく。今日は
市谷に用があったので六番町の梅をみにいった。
「土付かば、小澤に飲ませよ、爪の垢。
主なしとて、炙り忘るな」(泉狂歌)
泉鏡花は極端な潔癖性で、食べ物もナマはだめで、
菓子の類でも炙ってたそうである。さらに、
イメージとしても「豆腐」の「腐」の文字までだめで、
「豆府」と書いてたらしい。
小野道風ほど達筆だったかどうかは、
お笑い芸人の小沢一敬と山里亮太の声の区別が
何回聞いても、アン・ドゥ・トロワ」と数えても、
聞きわけれない拙脳なる私ゆえ知るはずもないが、
泉鏡花は豆腐自体は好物だったそうである。そして、
お笑い芸人でないほうのオザワの大好物も豆腐らしい。
潔癖性なんだろう。潔癖なんだろう。
「いいえ、別れろ切れろは経世会の時にいう言葉」
♪タナカ、派わりは、ない、ですか? 日ごと、寒さが、つのります♪
泉鏡花邸跡近くのフタバは栴檀より芳しい。
まいどオザワがせなカンジチョウは
「政治資金収支報告書虚偽記載」のかどでは起訴をまぬかれた。
いっぽう、「紡錘で糸をつむいでた女性らは赦される」
目出度し、めでたし。かくて、領民らのワルツが始まる。

「アッレーグロ(テンポ・ディ・ヴァルス)、3/4拍子、2♭(変ロ長調)」
領民らが踊る。コール・ドゥ・バレエである。このヴァルスは、
バレエを観たことがないむきにもポピュラーである。
3/4拍子が約300小節、というように、
わりと短めなのも一般向きではある。その
1/10あまりを占めるのがイントロである。
最初の8分音符の音主和音の一撃がffであるが、
すぐさまpに減衰して、そこからイントロの前半の終いまでに
ffに到達する。ちなみに、
以降、イントロの後半はずっとffである。
イントロ前半は、ティンパニとコントラバスが16分刻みの属音を通奏する。

***♪ドー・ー、>ソ・<ラ<シ│
  <ドー・ー、>ソ・<ラ<シ│
  <ドー・ー、>ソ・<ラ<シ│
  <ド(そ)ー・>♭シ(ふぁ)ー・>ラ(み)ー│
  <レ(ら)ー・ー、>ラ(み)・<シ(♯ふぁ)<♯ド(♯そ)│
  <レ(ら)ー・ー、>ラ(み)・<シ(♯ふぁ)<♯ド(♯そ)│
  <レ(ら)ー・ー、>ラ(み)・<シ(♯ふぁ)<♯ド(♯そ)│
  <レ(ら)ー・>ド(そ)ー・>シ(♯ふぁ)ー│
  <ミ(ら)ー・ー、>シ(み)・<♯ド(♯ふぁ)<♯レ(♯そ)│
  <ミ(ら)>シ(み)・シ(み)>ソ(ど)・ソ(ど)>ミ(ら)│
  <ファ(ど)ー・ー、>ド(そ)・<レ(ら)<ミ(し)│
  <ファ(ど)>ド(そ)・ド(そ)>ラ(み)・ラ(み)>ファ(ど)│
  <【♯ファ(み)ー・ー、>♯ド(し)・<レ(ど)<ミ(れ)】│
  <【♯ファ(み)ー・ー、>♯ド(し)・<レ(ど)<ミ(れ)】│
  <【♯ファ(み)ー・ー、>♯ド(し)・<レ(ど)<ミ(れ)】│
  <【♯ファ(み)ー・ー、>レ(ど)・<ミ(れ)<♯ファ(み)】♪

変ロ長調→変ホ長調→ハ短調→ニ短調→変ホ長調→ハ長調
と、めまぐるしく転調を重ねる
(厳密には上記の調とはいえないものもある)。
加藤清史郎君が何人もいるかのごとく、
「ドコモ転調」ばかりなのである。それはともあれ、
このイントロの骨子は、
♪(ド)●・●>ソ・<ラ<シ│<ド♪
という、ベートーヴェンの「交響曲第5番」3楽章トリオの
主題(律動)である。この交響曲に
「運命」というタイトルがあるかないかにかかわらず、
「運命の動機(リズム)」が用い符られてるのは明白である。
チャイコフスキーにとってバレエの前作である「白鳥の湖」でも、
(第1幕)第8曲のコール・ドゥ・バレエ「ポロネーズ」が、
ズィークフリート王子が「運命」に向かって動き出す
鍵になる「乾杯」の曲となってたことと符合する。

【】の音型【み>し<ど<れ】の繰り返しは、次曲第7曲で、
成人したオーロラ姫が初登場する場面の
[アッレーグロ・ジュスト]部でも2/4拍子で再び用いられてる。
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「チャイコフスキー『眠れる森の美女』(第1幕緒曲)#5情景その3/前兆」

2010年01月31日 23時16分11秒 | やっぱりリラだ! 百年経っても大丈夫
[Moderato con moto]

去る26日の参院予算委員会で、民主党の菅直人が、
「『菅』財務相、『勘』違いで『官』頼り」
と新聞にオヤジギャグで書かれるほどの赤っ恥を晒したらしい。
林芳正前経済財政担当相の質疑に、菅財務相は、
「自民党は1兆円の予算で1兆円の効果しかないやり方をやってきた」
と言って、自民党の政策には経済波及効果がなかったと言った。
林前経済財政担当相は、
「『乗数効果』のことを言っているのか」と反論し、
子ども手当の『乗数効果』を質したところ、菅財務相は、
「おおむね0.7程度と想定している」
と答えてしまったという。それは、『乗数効果』ではなく、
子ども手当の支給額のうち消費に回る割合を示す
『消費性向』である。林前経済財政担当相は首を傾げながら、
「『消費性向』と『乗数効果』の違いを説明してほしい」
とさらに質問を重ねる。すると、 菅財務相は答弁に詰まり、
審議は計4回も止まってしまったという。審議を中断しては、
財務官僚の助言・レクチャーをあおいで、しかも理解できず、というのだから、
「脱官僚」などとはお笑いである。東工大卒の弁理士という
インテリなはずの菅大臣なのに、経済にはまったく疎いらしい。
それが「政治主導」の財務大臣、である。むしろ、
軍事や郡司のほうが詳しいくらいかもしれない(※)。ともあれ、
こんな党に政権執らせといて大丈夫だろうか? せめて、税収の
motoも子もなくならないような政策を採ってもらいたいものである。

チャイコフスキーのバレエ「眠れる森の美女」の第5曲は、
[Allegro vivo(1)→Moderato(1)→Allegro vivo(2)
→Moderato(2)→Allegro vivo(3)→Moderato con moto]
と、テンポが変遷する。
[Moderato con moto、4/4、無調号]
このナンバー内の2度のモデラートとは異なって、
コン・モートが附されてる。つまり、ただのモデラートより
テンポはやや速めに採ることが求められてるのである。が、
そんな簡単なことすら理解してないのが指揮者をしてて、ここのほうを
前の2度のモデラートより遅いテンポにしてるむきがほとんどである。

「4か国の王子らはフロレスタン24世王に、
何卒御慈悲ある御沙汰をと懇願する」
ここで、クラリネット、コルネット、トランペットの各2管が
ここまでのA管からB管に持ち替えさせられる。
弱拍の第2拍と第4拍にティンパニのfisの3連符が打たれ、
ヴィオーラとチェロの完全ユニゾンが、
***♪●●・ミー・・<ドー・ー>シ│>ラ>♯ソ・ー<ラ・・>Nソー・ー>ファ│>ミ♪
という「4か国の王子らの懇願動機」が擦られる。ちなみに、
[Moderato con moto]に変わる前の小節は、
「ハ短調の属7」だった。バスはト音(g)である。が、
[Moderato con moto]に変わったと同時に、バスが
嬰ヘ音(fis)に据えられ、それを根音に、
「ロ短調の主和音」が与えられるのである。この
「ハ短調の属7→ロ短調の主和音」
という進みかたは、
前曲の第4曲の最後の速度標語の[Andante]、
リラの精によるカラボスの呪い封じの中で、
カラボスが立ち去る場面でその動機が終わったときに、
「ヘ長調の属7→ホ長調の主和音」
となってリラの精の主題を再登場させたのと、
長短の違いはあれど同じプロセスであり、
チャイコフスキーが多用した"和声進行"である。

それはともかくも、次いで、
vnプリーモ、そのオクターヴ下のvnセコンド、そのまたオクターヴ下の
ファゴット2管(→ヴィオーラ→チェロと受け渡される)が、
「懇願動機」を4度上で反復する。そして、
***♪♯ソー・・<ラー・ー、>ミ│<ソ>ファ、<♯ファー・・ー<ソー・ー、>レ│
  <ファ>ミ、<ドー・・<ミー・ー>レ│レ>ド・ー>シ・・ー、>ラ・ー>♯ソ│<ラ♪
という音型が、両翼vnとヴィオーラの3オクターヴ・ユニゾンで擦られる。
→「フロレスタン24世王は少しずつ気を取り直してく」
ファゴット1管が弱く、
「王の怒りの動機」(♪ラ<シ<ドー>♭ミー)を吹く。
次第にクレッシェンドされてくと同時に、調性は、
変ロ短調→ト短調→嬰ハ短調→変ロ短調
と短期間で変遷する。「王の怒りの動機」が
クラリネット2管のオクターヴ・ユニゾンに手渡されると、
クロマティックに上昇し、他の木管も加わって、
[ges-b-cis-e-b-cis-e-b]
というスィンコペイトされたffで吹奏される。
1小節の全休符が打たれ、それにフェルマータが附され、
このナンバーを閉じる。が、この休符を挟んで、
次曲第6曲の「村人らのヴァルス」が始まるのである。

ここで、
次曲冒頭は[f-d-b]という変ロ長調の主和音で始まるが、
この第5曲の終いは[ges-b-cis-e-b-cis-e-b]。これは、
「ロ長調の属7」とスキャンすることもできる。
全休符を跨いではいるが、
[ges-cis-e-b]→[f-d-b]
という進行である。つまり、
「ロ長調の属7→変ロ長調の主和音」
というプロセスをチャイコフスキーはまたしても採ってるのである。
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「チャイコフスキー『眠れる森の美女』(第1幕緒曲)#5情景その2」

2010年01月28日 00時49分51秒 | やっぱりリラだ! 百年経っても大丈夫
[Moderato(1)→Allegro vivo(2)→Moderato(2)→Allegro vivo(3)]

俳優の夏夕介が胃癌で死去したそうである。59歳。
失神赤松愛が抜けたあとの"グループ・サウンズ"
「ジ・オックス」のキーボードだった。オックスといえば、
♪スワンの、なーみーだーーー(シ>ラ>♯ソ<シ>ラ)♪
である。この音型ですぐに連想されるのは、
チャイコフスキーのヴァイオリン・コンチェルトの第1楽章の第2主題。
♪ド>シ<【レ>ド>シ<レ>ド】♪
それがカデンツァでは
♪【レ>ド>シ<レ>ド】♪=♪【シ>ラ>♯ソ<シ>ラ】♪
の部分だけが執拗に繰り返されるのである。

チャイコフスキーのバレエ「眠れる森の美女」の第5曲は、
(プロローグの)終曲である。このナンバーは、
[Allegro vivo(1)→Moderato(1)→Allegro vivo(2)
→Moderato(2)→Allegro vivo(3)→Moderato con moto]
と、テンポが変遷する。
[Moderato、4/4、無調号]
「王と王妃、そしてオーロラ姫へのご機嫌伺いにやってきてる
4か国の王子らが城のバルコニーに顔をのぞかせる」
両翼vnのユニゾンとそのオクターヴ下のヴィオーラが、
****♪(ソ<ラ<シ)ドーーー・ーーー<レ・・<ミーー>レ・>ドーー>シ│
  >ラーー>ソ・>ファーー>ミ・・>レー●●・<ラー●●│
  >レーーー・ーー<ミー・・<ファ<ソ>ファ>ミ・<ファー<ラー│
  >ソーーー・ーー>ファー・・ファーーー・>ミー♪
という節を擦る。実質変ホ長調である。「変ホ長調」というのは、
このバレエにおいて初めて出てきた調である。もっとも、
森光子女史と二葉百合子女史と松田敏江(トシ)女史の顔の区別が
300回に一度ほどもつかなくなる拙脳なる私の記憶なので、
すでに出てきてるかもしれないが。それはともあれ、
この「変ホ長調」は「変ホ長調」でも調号は取り去ったままの
「変ホ長調」なのである。この「変ホ長調」は、この幕で
オーロラ(オロール)姫に求婚する王子たちのパダクションや、
2幕でデズィレがオーロラ(オロール)の幻影に魅せられて
茨の城に行く決意をする「情景」や
オーロラ(オロール)にくちづけして目覚めさせたときの音楽にも
充てられてるのである。つまり、
オーロラ(オロール)の「結婚」調、ということである。ところが、これは、
次々曲第7曲で成人したオーロラ(オロール)姫が初登場する場面の音楽が、
「ハ長調」から変ホの異名同音嬰ニを何度も繰り返しながらも結局は
「イ長調」に移行することの対極になってるである。私見であるが、
これは、3幕でめでたくデズィレとの結婚が相成って二人で踊る
「パ・ドゥ・ドゥー」でも、オーロラ(オロール)が単独で踊るヴァリアスィョンが
「3♯(イ長調)」であることと繋がってると思われる。

3♯(イ長調)←無調号(ハ長調)→3♭(変ホ長調)

さて、曲は変ホ長調から平行調のハ短調になって、
1管のクラリネットと1管のファゴットのオクターヴ・ユニゾンによって、
****♪ミー│>シ<ド>シ>ラ・<シーー<ド・・>ラー♪
****♪ミー・>レー>ドー│>シーーー・ーー<ドー・・>ラー♪
という経過句が吹かれる。そして、
「王が何事だと問いかける」
vnプリーモとヴィオーラのオクターヴ・ユニゾンのmfによって、
****♪ラー<シー│<ドーーー・ーーーー・・>♯ソーーー・ーーーー│
  <ラー<♯ドー・<ミー●●・・>ラー<Nドー・<ファー●●│
  >ラー<♯ドー・<ミー●●・・>ラー<Nドー・<ファー●●│
  >ラー<♯ドー・<ミー●●♪
[→Allegro vivo(2)](come il tempo precedente)
「アッレーグロ・ヴィーヴォ」とはチャイコフスキーの認識では
アレグロの中の速いほうのアレグロである。メトロノーム速度では、
四分の四拍子の場合には四分音符=144程度。つまり、
チャイコフスキーのテンポ感覚は他の大作曲家らに比して、
きわめて明白であり、整然としてる。ちなみに、
「コーメ・イル・テンポ・プレチェデンテ」とは「前出の速度と同様に」
というような意味である。
「カタラビュトが緊張の面持ちで事のなりゆきを報告する」
****♪ミーーー・ーミ<♯ファ<♯ソ・・<ラ>♯ソ<ラ<シ・<ド>シ<ド<レ│
  <ファ>ミ>レ>ド・>シ>ラ>ソ>ファ・・>ミー♪
「前出の」カタラビュトの針使い女性らへの怒りの動機が
再び現れ、執拗に繰り返される、のである。そしてまた、
[→Moderato(2)]
で、王がカタラビュトに再質問する様子が描かれる。ここでも、
王の(カラボスの呪いを除けるためにあれだけオーロラから
尖ったものを遠ざけろときつく達したはずなのに)
"インクレダブル"という感情が、執拗に繰り返される、のである。
「何だと? いま、何と言ったのだ?」
みたいな言葉を、王はそれでもまだ
気持ちを抑えて(moderato)発してるのである。
[→Allegro vivo(3)]
カタラビュトの針使い女性らへの怒りの動機が今度は
ヘ短調、そして変ロ短調で示される。が、
もはやテンポはモデラートには戻らない。
アッレーグロ・ヴィーヴォのまま、次第に自制心を失っていく。
王の質問の動機はついにff。
「王の怒り」
である。
2管のファゴットと2管のトロンボーンとチェロとコントラバスの
それぞれオクターヴ・ユニゾン、そして、
2管のクラリネットt2管のトランペットのそれぞれオクターヴ・ユニゾン、
によって強奏される。
スィンバルがfffで打ち鳴らされ、
大太鼓が嵩にもカッサにもかかって強烈な打撃を加える。
やがて、曲は実質ハ短調、ffffにまで達し、
王の怒りが頂点に達したことを示す。
ティンパニとチェロとコントラバスが16分音符のオクターヴで
ハ短調の属音であるG音の低奏を刻みづづける。のみならず、
この部分の最初の2小節分に、チャイコフスキーは
トライアングルの刻みをかぶせるのである。次いで、
チャイコフスキーはホルン4管を2分割してオクターヴ・ユニゾンで
♪ミ<ファ>ミー♪を繰り返させる。そして、
チャイコフスキーはハ短調の属7で「フロレスタン24世の怒り」を
とりあえず留め置くのである。
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「チャイコフスキー『眠れる森の美女』(第1幕緒曲)#5情景その1」

2010年01月24日 20時07分17秒 | やっぱりリラだ! 百年経っても大丈夫
[Allegro vivo(1)]

篠山紀信が青山霊園で、AV女優原紗央莉女史を使って、
墓石であぐらをかかせ、墓石を跨がせ、
股間を広げさせた写真を撮ったかどで、
書類送検されるらしい。紀信大先生は、
自分の写真は芸術なんだ、と、
当初は主張してたそうである。
ヌードを芸術だなんて不遜である。
たかが写真撮りのくせに傲慢である。
私は無宗教かつプチMではあるが、先祖の墓に
HPVやクラミディアがウヨウヨいるかもしれない
こぎたない股間を擦りつけられたくはない
(上記女史が保有者だといってるわけではない)。
不敬である。といっても、
篠山紀信大先生とピアニストのエヴゲーニー・キーシンのかつての
ヘアスタイルの違いを区別できず、
ジェイムズ・ジャッドととサー・ポール・マカートニーの
顔の違いが判然とせず、
公然猥褻が口前Y接だと思ってた
拙脳なる私には、青山といえば、
♪キシンむベーッドのうえーで♪
という猥褻なことを連想するだけである。そんな
愚脳なる私は世界史も漢文も苦手なので、
小ピピンがロンゴバルドを討って取り戻してやったラヴェンナを教皇に
寄進したのが西暦何年だったか覚えれない。が、そんなこととは
比べんなと言われるかもしれないが、海の
ムコウのことは無知でも、長岡京遷都が
西暦で何年にあたるかは偶然にも知ってた。

バレエ「眠れる森の美女」は第4曲まではプロローグである。
ここからが第1幕である。そして、調性は前曲の終い同様に、
「4♯(ホ長調)」である。3幕(終幕)のアポテオーズは
「アンリ4世を讃える唄」=「2♭(ト短調)」である。五度圏概念では
「4♯」←→「2♭」
という対極に位置する関係である。これは、
「百年」という年月の経過、そして、
1598年アンリ4世による「ナントの勅令」(プロテスタント宥和)
←87年半→
1685年ルイ14世によるフォンテーヌブローの勅令(カトリック以外排除)
という現実の歴史を示してるのである。

チャイコフスキーのバレエ「眠れる森の美女」の第5曲は、
第1幕の緒曲である。このナンバーは、
[Allegro vivo(1)→Moderato(1)→Allegro vivo(2)
→Moderato(2)→Allegro vivo(3)→Moderato con moto]
と、テンポが変遷する。
[Allegro vivo、4/4、4♯(ホ長調)]
前曲のホ長調を受けて、フォゴット2管を加えた
金管群による同調のファンファーレのカデンツで始まる
(最後の音だけ、オーボエ2管+コーラングレ+クラリネット2管も加わる)。
***♪●●・●●・・ドー・ーー│ドー・ーー・・>シー・ーー│<ド●・<<ド●♪
とはいっても、
緒音の和音は主和音ではなく、階名でいえば、
[ラ(<)ド(<)ミ]という"短調"の和音である。
両翼vnが完全ユニゾンで、
****♪ド<レ<ミ<ファ・>ミ<ファ>ミ>レ│>ド<レ<ミ<ファ・>ミ<ファ>ミ>レ♪
という16分音符を刻む。この箇所の手法は、
3日前に亡くなったジーン・スィモンズ女史が主演した
1958年の米映画"The Big Country"(邦題)「大いなる西部」の
音楽に踏襲されてる。ともあれ、
その前奏ファンファーレの8小節に導かれて、1番めの主題が
ピッコロ+フルート2管+オーボエ2管+クラリネット2管によるユニゾンで打ち出される。
****♪●●●●・【ソー<ラー・・シーーー(>ラ<シ)・<ドー<レー│
  >ドーーー】、<ミーーー・・>ソーーー・<ラーーー│
  >レーーー、<ラーーー・・>ソーーー・<ラーーー│
  >ミー<ラー、>ソー<ラー・・<ドー>シー・>ラー>ソー♪
この主題の前半は、【リラの精の主題】の後半部分である。
***♪【●ソ<ラ・<シ<ド<レ│>ド】>シ>ラ・>ソ、>♯レ<ミ│
  <ソー>レ・●レ<♯レ│<ソー>ミ・●●●♪
いっぽう、序曲の前半の「カラボスの動機」は、
無調号ながら、実質、「ホ短調→変ホ短調→ト短調」と変化し、
終幕のアポテオーズもト短調(2♭)である。これは、
「4♯=ホ長調=リラの精の主題=ナントの勅令」
←→
「2♭=カラボス=フォンテーヌブローの勅令」
という対極の構図を示してるに他ならない。
幕が開く。
「コール・ドゥ・バレエの男女領民らが花環を掲げて踊ってる」
1番めの主題がさらに提示される。すると、
平行調の嬰ハ短調となる。
「編み物をしてる女性らが世間話に花をさかせてる」
カラボスが予言した「尖ったもの」で、曲は
本格的な短調にと変じるのである。
***♪ミー│<♯ファー・<♯ソー・・<ラー・<♭シー│<ファー・ーー・・ーー、
  >シー│<ドー・<レー・・<ミー>・>レー│<ミー・ーー・・ーー♪
この間、弦や木管が3連符を刻む。これは、
「悲愴交響曲」第3楽章のタランテッラを予告してるようである。
「式典長カタラビュトが登場する」
場面で、最初のホ長調の主題が再現される。
「カタラビュトは、あれほどオーロラ姫に近づけるなと釘をさしたのに
また尖った編み棒を手にしてトリコんでない女性たちを見つける」
ここでまた短調となるのである。
****♪ラーーー(<シ>ラ)・>ソー>♯ファー│<シー♪

****♪レーーー(<ミ>レ)・>ドー>シー│<ミー♪
と置き換えて、嬰ト短調に変じるのである。ここで、
オーボエ1管+コーラングレ+vnプリーモ+ヴィオーラが、
****♪ドーーー・・ーーーー・<レーーー│<ミー♪
を2度奏する。これは、
「悲愴交響曲」第1楽章の序奏の、
(ラヴェルが「ダフニスとクロエ」でオマージュした)
****♪ドー<レー│<ミーーー・ーーーー・・ーーーー♪
の萌芽である。ともあれ、
次いで嬰ハ短調に転じると、クロマティカルに上昇して、
嬰ヘ短調に変わる。両翼vnが完全ユニゾンで奏する。
****♪ミーーー・ーミ<♯ファ<♯ソ・・<ラ>♯ソ<ラ<シ・<ド>シ<ド<レ│
  <ファ>ミ>レ>ド・>シ>ラ>ソ>ファ・>ミー●●・<ミー●●♪
「怒ったカタラビュトは不届き者らをブタ箱にぶちこむように命じる」
場面である。このカタラビュトの怒りの動機は、
嬰ヘ短調で2度、そして、ロ短調に変じられて2度、
提示される。その断片がさらにホ短調で繰り返されると、
[4♯→無調号]
****♪ドーーー│ーーーー・>ソーーー・・ーーーー、<ミーーー│ーーーー・>ドーーー・・ーーーー、
  <ソーーー│>ミーーー・>ドーーー・・>ソーーー、>ミーーー│ドーーー・ドーーー・・<ソー●●♪
そして、この最後のソーから、
[属和音=ソ(<)シ(<)レ(<)ソ]
と交互に、
[♯ファ(<)♭ラ(<)♭ミ(<)ド]
というチャイコフスキーが多用するコードが4回打ちすえられる。
ハ長調の属和音が4拍子の3拍めに打ちすえられると、
墓石に股はかけられないが、4拍めの四分休符に
フェルマータがかけられ、曲はモデラート部に移行する。
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「チャイコフスキー『眠れる森の美女』#4(プロローグの)終曲その8/リラの精の予言」

2010年01月16日 21時36分35秒 | やっぱりリラだ! 百年経っても大丈夫
[Andante]

オペラのスコアのような束があるものは、ずっと
横浜の家に置いといた。3年前に父が死んで
住む者がいなくなったその家を昨年たたんだ。そのときに、
CDや書籍類、野球やゴルフ道具などを
他の住居や事務所に分散してかたした。が、
グノーのオペラ「フォスト」全曲の総譜は
どこに持ってったかわからなくなってしまってた。
年末に母の家の私の部屋を少しだけ整理したときに、
そこで見つかった。何のことはない。ファオストだけに、
書棚の下に積み重ねた山を掃いてみると、
掃い出る山→ハイデルベルク、だったのである。
普段は整理整頓など無縁なズボラな私であるが、
たまには整理も大事だと痛感した。

整理されてないといえば、その発言を聞く限りにおいては、
理路整然とした脳でないように思われるミンシュトウ・カンジチョウは、
日本人離れした思想、日本人離れした態度、
日本人離れした風貌をしてる。師匠の
角栄はやはり日本を悪い方向に導いた者のひとりだが、
あちらは学歴がない替わりに高知能だった。そして、
豪放磊落なところがあった。が、
ミンシュトウ・カンジチョウは合法らイラク、イラク特措法の廃止を唱えて、
「大日の、種子より出でて、サマーワ業。サマーワ業また、尊形となる」
というようなイラクへの派兵を猛烈に反対してた。
今回は新テロ特措法を廃止に追い込んで、
海自によるインド洋での給油を終了させてしまった。
中国がそれを引き継ぐらしい。そして、ミンシュトウは、
中国が銅を採掘する警備の人件費にも使われる
アフガニスタンへの"民生支援"に、インド洋での給油活動の
10倍のカネをつぎ込むらしい。すべて、
中国のために全力で尽くしてるのである。なんとも
日本人離れした行動である。まぁ、
そんなのを何十年も衆議院議員に当選させてた選挙区民や、
そんなのがいる党を大勝させるような国民が7割、
というのであるから、そんな国民は、
中国人が経済支配してる東南アズィアの諸国
(タイのタクシンやフィリピンの故コラソン・アキノは華僑)や、漢人の血を
注ぎ込まれたチベットやウィグルみたいになりたいんだろう。
日本が国連の常任理事国入りを目指しても、
中国の息がかかってる東南アズィアの諸国はすべて、
当然に"不賛成"にまわった。日本のODAのカネで
内戦の武器を英国から買ってるようなアホなアフリカの諸国も、
日本は"何もしてくれない"国であり、
"いい国"の中国が支援してくれてると思ってるのである。
世の中は1割の利口、2割の普通、7割のバカで成ってることを
よくよく念頭におかなければならないのに。つまり、
大抵はバカを相手にしなければならないということである。
とまぁ、長澤まさみ女史の大好きな顔と
俳優利重剛の顔の区別がまれにつかなくなる
拙脳な私の感想にすぎないが。

号砲ライラックといえば、
チャイコフスキーのバレエ「眠れる森の美女」の第4曲は、
(プロローグの)終曲である。このナンバーは、
[Andantino(1)→Allegro vivo(1)→Moderato assai
→Andantino(2)→Allegro vivo(2)→Allegro risoluto
→Allegro vivo(3)→Andante]
と、テンポがめまぐるしく変遷する。
[Andante、6/8、4♯(ホ長調)]
「ライラックの精は身を潜めてた場所から出てくる」
という場面である。両翼vnの刻みと
ハープのグリッサンドに乗ってオーボエのソロが、
***♪●ソ>ミ・ミ>レ>♯ド│<レ<ミ<ファ・<ソーー│ー、
  <ラ<シ・<ド>シ>ラ│>ソー>レ・レーー♪
というライラックの精の主題を吹く。大西ライイラックは、
「しーんぱーいなーいさーーー」と歌い、
「オロール姫はけっして死にません。長い眠りにつくだけです。
勇気あるプランスのくちづけによって目覚めます」
と皆に説くのである。ときに、
「序奏」では、前半と後半では、
「Allegro vivoのカラボス←→Andantinoのライラック」
という対比がなされてた。プロローグ終いのこのナンバーでも、
Allegro vivo(1)、Allegro vivo(2)、Allegro vivo(3)は
すべてカラボスの場面である。が、いっぽうの
ライラックが登場するこの場面では、
プロローグのときのAndantinoと違って、
Andanteなのである。ちなみに、
1幕終いのナンバーでも、ライラックの精が出てきて、それは
[Andantino(Come sopra in Andantino 1)]
「コーメ・ソープラ」とは「上記のごとく」である。つまり、
最初のアンダンティーノとおんなじ、と言ってるのである。では、
なぜプロローグの終曲におけるライラックの精の登場場面だけが
つまはじきにされてるのかといえば、ここでは
リラの主題だけでなくカラボスの動機もまだ
蠢いてるからなのである。
「ライラックに呪いを封じられたカラボスはご機嫌斜め、
拗ねて車に乗っかり立ち去る」
*****♪ミ●<ファ●・<♯ファ<ソ<♭ラ>ソ・ソ●<ド●・・
   >♭ラ●<ド・>ソ●<ド●・>♭ラ●<ド│>ソ♪
カラボスの動機が細切れに繰り返される。そして、
この動機がクレッシェンドされてfffとなり、
*****♪ソーソー<ラー<ドー<ミー<ソー・
   <ラー>ミー<ソー<ーラ<ドー<ミー│
    ミミミーミミミーミミミー・>♭ミーーー>♭ラーーー●●●●(フェルマータ)♪
とホ長調の♭ラ=ハが打ちすえられる。そして、
そのハ音が属音にあたるヘ長調の属和音を
高中弦が分散させてpからクレッシェンドさせてfに至り、
再びライラックの精の主題を導くのである。その
g・e・cという3音から、ここを「ハ長調」というむきが
よくある。が、この場面では、ホルン以外の金管が
[b(<)e(<)g(<)c]→[h(<)e(<)gis(<)h]
という和声を裏打ちしてるのである。
荘厳にして、期待感で鳥肌が立つような音列である。これは、
「ヘ長調の属7→ホ長調の主和音」
という進行であり、その逆向きとちょっとした応用を含めて
チャイコフスキーが愛用した和声進行である。たとえば、
「白鳥の湖」の第3曲で王妃が王子の結婚を期待する場面での、
「イ長調の属和音→ハ長調の主和音」も、そのひとつである。が、
破棄したオペラ「ヴォエヴォーダ」の中の二重唱を
「1812年」のソナータ部の第2主題に流用した箇所での、
「嬰ヘ長調の主和音→ト長調の属7」
(短2度下の調の主和音から短2度上の調の属7)
という和声進行は、まさしくこの
「ヘ長調の属7→ホ長調の主和音」
の逆進行になってるのである。ともあれ、
ライラックの精の主題は、その後半部分の
***♪ソ<ラ・<シ<ド<レ│>ド>シ>ラ・>ソーー│ー♪
をffで高らかに歌い、
「白鳥の湖」第7曲のスュジェでクラリネットがホ長調表記の中で
実質イ長調で吹いた
***♪【ソ<ラー>ソ・ー>ドー】<レ│<ミーーー・ーーーー♪
という、「ここからいよいよ話が始まってしまうのだよ」的な
【】部分を、4管のホルンがユニゾンでライラックの精の主題の後半を
吹奏するのに被せて、ピッコロ+フルート+オーボエ+弦楽4部が
***♪【ソ・<ラー>ソ│>ドーー】♪
と繰り返す中、プロローグの幕が閉じられてくのである。
このプロローグの終曲がいかに大事な曲であるかが解る。
じつに感動的な場面、音楽である。
コメント
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