比べたって しょうがないじゃん。

比べたって
しょうがないじゃん。
向こうは向こう、
こっちはこっち。

(鏡の花、道尾秀介)

比べることで、
安心したい傾向があります。

すでに買ったものについて、
あそこの店では何円で売っているか、
調べてみて、そっちが高ければ、
「ああ、得した、買って良かった」
と思えます。

しかし、
比べるということは、
いつかどこかで、
ショックを受ける可能性も
含んでいます。

「ああ、あっちの方が上だ。負けた」
となるわけです。

比べて安心したい気持ちは、
比べて不幸になる運命なのでしょう。

同著には、こんな言葉もありました。

「鏡を見て、
不思議に思ったことはありませんか？
鏡は、右と左は入れ替わるのに、
上と下は入れ替わらないでしょう。
でもあれ、じつは
不思議でも何でもなくて、
左右が入れ替わるって
考えるから変に思えるだけで、
入れ替わっているのは前後なんです。」