black potion no.6

三十路のモーターサイクル好き、徒然日記です。

『秘密』

2008年07月11日 11時00分25秒 | book
本の概要
妻と小学五年生の娘を乗せたバスが崖から転落。妻の葬儀の夜、意識を取り戻した娘の体に宿っていたのは、死んだはずの妻だった…。


なんか読んでいて、すごく辛かったです。。。

夫としての自分と、父としての自分。
人間としての自分を試されているようで;;


ラストを読んでの感想ですが。

あぁ、これで一生縛られるんだなぁって。
逃げられないんだなぁって。
思いやるが故の悲しさや、切なさって。。。辛いなぁ。

憶測でしかないし、確かめようもないんだろうけれど。

あぁ、辛い。


この小説も、カミさんに勧められて読んだのですが。
その時、さらっと導入を説明され。

「あなただったら、どうする?」

って、聞かれました。

内容を読んでなくて、設定だけ聞かされて。

「いや、いくら意識が妻だからって、妻として接していくわけにはいかないだろう。
娘としての人生も、新たにはじまるのだし。
もし妻の意識を持っていると知った上で、娘が嫁に行くのなんて、耐えられないし。
一緒に生活するのはムリなんじゃないか」

って言いました。

で、小説には、その生活を送り続ける決意をした男性の話が書いてありました。


ものすごく強いことではあるんだけれど。
意識としての妻の決意にも、それしかないんだろうなぁって思うけれども。

知ってしまった以上。

妻が実家にもう二度と帰れないように。

自分も、離れて暮らすしかないんだろうなぁって。

辛いなぁ。



≪追記≫

あれから。

何でこんなに辛いんだろうなぁって、考えていた。

女性から読むと、この物語はどう写るのだろう?

また、もし設定が逆だったら。
夫と息子が事故に遭い。夫の葬儀のあとに、息子の体に夫の精神が宿ったとしたら。

やはり、精神的な女性性と男性性の違いって、あるのかしら。
性同一性障害の人や、解離性同一性障害(多重人格)で異性性が精神に宿ってしまった場合は、どうなるんだろう。

ジェンダーとセックス。
どこまでが文化的なモノで、どこまでが生理的なモノなのか。

なんだか、どんどん分からなくなってきてしまいました。・・orz

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2 コメント

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僕だったら。 (ベーやん)
2008-07-11 21:15:45
「妻としての記憶を共有している娘」として育て、
幸せになれるように見守っていくと思います。

娘の体に妻の精神が宿ったのか?
娘の中に妻の記憶だけがあるのか?
妻としての記憶があるために自分が「妻」であると錯覚してるかもしれない。
人生経験の長い妻の記憶のために、娘自らの記憶が潰されたのかもしれない。隅に追いやられているだけかもしれない。
それでも、本当に妻なのかもしれない。

妻も娘もどちらも大切なことには代わりない。

それなら、僕は「彼女」を助け、見守っていくと思います。

もし「彼女」が成人し、好きな人ができて、結婚していくとしたら、それはとても辛いことでしょう。
でも、それは幸せでもあると思います。
なぜなら、「彼女」がそれを選択し、幸せになろうとしているのだから。
大切な「彼女」の笑顔が、僕の一番の幸せと思います。

本は読んだことないです。
他の人はどんな選択をするんでしょうねえ。。。
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うん (ぱてぃかは)
2008-07-12 00:44:19
一人の人、他人としてみるのなら、自分もそう考えるかもしれませんが。

自分の娘だとか、嫁さんだとか。
なんだか、分からなくなっていまいました。

誤解を恐れず言えば。
嫁さんは、結局他人(血のつながりのない、対等の個人)なんだけれど。
娘は、娘なんだよねぇ。

先日アメリカで、実の娘を後妻にした人が話題になっていましたが、正直生理的に理解出ません。

また、ゲイの人が。
人を好きになるというのは、魂を好きになることであると言っていましたが。
他人と親子は、魂という概念をとったとしても、どうなんでしょうか。

人を構成するのは、記憶だという人がいましたが。
それも違う気がします。

本当に、よく分からなくなりました。

一読をお勧めします。
ハズレはないですw
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