友達がほしい

　　昨夜、久しぶりに古い友達のL君から電話が来た。いきなり日本語でもしもしと言われていったい誰かと思いきやL君だった。冬休みに一度会ったきり連絡はお互い全くしない。あいつ僕の知らないうちに日本語もだいぶ上達したみたいだなぁ。L君とは中学のクラスメートだった。ちょっと口に出すのは恥ずかしいけれど、中学のクラスメートは彼しかみんな覚えていないのだ。顔も名前もすっかり忘れた。あの時の僕は病気のために人間不信に陥り、自分だけの孤立世界に引きこもろうとしていた。そのせいで友達もできず一人ぼっちでいた。みんなの中へ入って一緒に騒いだり、仲良くなってふざけ合ったりはしたかったのに。十年もたって今の僕は相変わらずあの頃のままでいる。
　　最近思ったけど、人は内から自分を変える力など持っていないもので、環境や他人の影響で人は変わるはず。僕が変わらないのは、僕を変えるものがまだ現れていないのではないだろうと。東北に来て三年目、新しい環境で色々な人に出会った。新しいクラスメート、新しい友達。でもその中は本当の友達といえるものはいるかな。
　　御飯後Z君が会いに来てくれた。院生試験後ずっと家にこもって退屈だから学校に遊びに来たそうだ。彼女は以前日本語塾での知り合いでとてもやさしい人だ。なんか彼女と話すと不思議に元気をもらえる。だから何でも話してあげる。最近彼女も悩み相談してくれてうれしかった。これって好きってことなのかな。でも本気でただ友達としての好きだと思う。ずっと友達でいたらいいなぁ。

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