こんにちは、司法書士・ペット相続士の金城です。
競馬ファンではない方はもちろん、競馬ファンの方でも、引退後の競走馬がどういう運命を辿るのか知らない方が多いのではないでしょうか。
悲しいことに、優秀な戦績を残した極く一部の馬を除いてほとんどが殺処分されているのが現状です。
この現状を受けて、競走馬に寿命をまっとうさせるためにNPO法人を立ち上げた元 調教師のことが先日7月24日報じられていました。
栗林信文さん(56歳)という方です。
栗林さんは2011年に調教師になります。
調教師として馬と接するうちに、引退後の競走馬はどうなるのかについて疑問を持ち、ほとんどが殺処分されてしまう現実を知ります。
栗林さんはその現実を知って、引退馬のケアを行える場を創ろうと決意したそうです。
栗林さんは令和6年4月まで調教師として、馬主から預かった競走馬のトレーニングを行なってきたとのことです。
そして調教師を引退後、「自分のために頑張ってくれた馬たちを見てあげたい」との思いから、引退馬を受け入れるNPO法人【お馬のお家】を立ち上げたとのことです。
現時点では受け入れている引退馬は2頭だけとのことですが、今後は引退馬の預かり数を増やし、馬や土に触る機会の少ない人に向けた農業体験会や宿泊施設の整備などにも取り組むとのことです。
【お馬のお家】は、馬の最期を見届ける場所である同時に、観光地としても足を運んでもらえる場所にしたいとのことです。
なお、【お馬のお家】は、月1口3000円で会員を募っています。
そして、1年間会員を継続した人には、同法人が栽培したニンジンやホウレンソウなどの野菜を送る予定とのことです。
栗林さんの取り組みには頭が下がりますが、引退した競走馬については、本来であれば馬主と【JRA日本中央競馬会】が責任を持つべきであるはずです。
人間の都合で馬を利用しておきながら、用がなくなったら殺処分という姿勢には疑問を呈さざるを得ません。
JRAは競馬で莫大な利益を上げているのですから、馬主と協同して引退後の競走馬が余生を過ごせる仕組みを創るべき責任を負っているといえるでしょう。