こんにちは、司法書士・ペット相続士の金城です。
日本の【民法】では、動物は「動産」つまり「モノ」と規定されています。
動物はモノとされているため、他人が所有する動物を故意に殺傷すれば、刑法の【器物損壊罪】に問われることになります。
一方、自分が所有する動物を故意に殺傷しても器物損壊罪には問われません。
自分の所有物に関しては所有者が自由に処分することができるため、所有物がたとえ生命を持つ動物であったとしても、所有者は自由に処分ができ、自身が所有する動物を故意に殺傷しても器物損壊罪は成立し得ないためです。
民法の規定の一方で、特別法である【動物愛護法】では、動物は「命あるものである」と明記されています。
そのため、ペットである犬や猫などを故意に殺傷すれば、他人所有であるか自分の所有であるかを問わず【愛護動物殺傷罪】が成立し、刑事責任を問われることになります。
ところで、ヨーロッパの動物保護先進国では、民法において「動物はモノではない」と明記している国々があります。代表例を挙げると次のとおりです。
オーストリアでは1988年に民法を改正し、「動物はモノではない」と明記しました。
この民法改正は、ヨーロッパの民法体系において動物の法的地位を見直す先駆的事例となりました。
オーストリアに続いて、ドイツでは1990年に民法を改正し、動物を「モノではない」と明記しています。
さらに、2002年には憲法にも動物保護を明記しています。
スイスでは2003年に民法を改正し、動物は「モノではない」と明記しました。
ルクセンブルクでは2018年に民法を改正し、動物は「モノではない」と明記しています。
以上のとおり、ヨーロッパを中心に、動物を民法上「モノではない」と明記する国が増えており、今後もこの動きが広がることは確実です。
動物保護後進国である日本も、ヨーロッパの動物保護先進国にならい、民法において「動物はモノではない」と明記するよう、法改正を真剣に検討すべきところです。
特別法である【動物愛護法】は存在しますが、「動物はモノである」という感覚は時代錯誤も甚だしいものです。
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