こんにちは、司法書士・ペット相続士の金城です。
保健所で殺処分寸前だったところを保護され、災害救助犬として活躍した「夢之丞」(ゆめのすけ)という犬がいます。
災害救助犬とは、地震や台風などの災害時に被災現場に駆けつけ、人命救助に当たる犬です。
夢之丞は、2014年8月に広島県土砂災害の時に初めて災害救助犬として出動しています。ネパールの大地震の時などは、海外に遠征して活躍しました。
熊本の大地震のときも災害救助犬として活躍しています。
夢之丞は、2021年に11歳で災害救助犬を引退しましたが、引退するまでに合計17回も被災現場に出動し、災害救助犬として活躍しました。
災害救助犬を引退後、夢之丞は「殺処分ゼロモデルを全国に広める」ため、認定NPO法人ピース・ウィンズジャパンが立ち上げた「ワンドリームプロジェクト」の大使に就任し、現在も元気に活動しています。
その夢之丞は、2010年、生後3か月のときに広島県の動物愛護センターに収容された野犬です。
夢之丞は人を見て極端に怯える性格だったため、譲渡しようにも もらい手が見つからず、間もなく「ドリームボックス」で殺処分される運命にありました。
「ドリームボックス」とは、狭い一室に犬・猫を閉じ込め、二酸化炭素を注入して窒息死させる殺処分機のことです。
夢之丞がドリームボックスに送り込まれる寸前、認定NPO法人ピース・ウィンズジャパンのスタッフが、災害救助犬の候補となる犬を探して、広島県の動物愛護センターを訪れます。
ピース・ウィンズジャパンのスタッフの目に留まったのが、夢之丞でした。
スタッフに抱きかかえられたとき、恐怖に怯え切っていた夢之丞は、震えたままオシッコを漏らしたといいます。
ドリームボックスの横の冷たいケージに閉じ込められていた夢之丞は、収容されている犬たちがドリームボックスに送り込まれて、殺されていく様子を見ていたはずです。
スタッフに抱きかかえられたとき、「自分が殺される順番が来た」と感じたのかも知れません。
ピース・ウィンズジャパンに引き取られたあとも、人が近付くだけで震えるという怖がりの性格で、散歩に連れ出すのも1年掛かりだったようです。
しかし、ピース・ウィンズジャパンのスタッフが根気良く愛情を持って接し続けたために、徐々に人に対して心を開き始め、訓練を経て災害救助犬として立派に成長しました。
もしピース・ウィンズジャパンのスタッフの目に留まらなければ、夢之丞はドリームボックスで窒息死させられることにより、わずか3か月で命を終えていたはずです。
夢之丞は殺処分寸前のところで命を長らえることができました。
しかし、令和3年度の最新の「犬・猫の引取り及び負傷動物等の収容並びに処分の状況」では、全国の保健所や動物愛護センターなどで殺処分された犬猫の数は1万4457頭にも上ります。
日本は、ドイツなどの動物愛護先進国からは「動物のアウシュビッツがある国」と見られています。
動物愛護先進国の目には、日本は「野蛮な国」と映っています。
「ドリームボックス」などという残酷で野蛮な殺処分機は一刻も早く廃止すべきものです。
参照サイト
https://peace-winds.org/wandream/
https://gooddo.jp/magazine/add/peacewanko-2sp/
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