免許証の交付会場に入ります.
以前に来たときは,単に「5年ごとの更新」「ビデオを見る講習」が終わった後に免許証を受け取るだけの部屋でした.
今日は違います.
昨日までは運転できなかった「自動二輪車」に公道で乗ることができる運転免許証を受け取る,そのセレブレーションの部屋です.
(なにかっこつけてカタカナ書いてるんだか.60歳を前にして舞い上がっているトシヨリです)
部屋の中にも「交付番号」が表示されています.「更新」とは違うモニター画面に私の「交付番号」が表示されています.
たまたま更新の人のいない時間帯.私一人だけが交付のテーブルに向かいます.
「 00番ですね 名前と生年月日を言ってください」
言いますとも.隣の部屋まで聞こえるように,府中試験場の建物だけでなく試験コースでヘルメットをかぶっている受験生にだってハッキリと聞こえるほど大きな声で答えましょう.
「 XXXX 昭和38年AA月BB日生まれです」
「おめでとうございます.内容を確認してください」
女性の係官が私に免許証を渡してくれます.両手で受け取ります.思わず右手がガッツポーズの握りこぶしになります.剣道の試合だったら「負け」になる行動です.だからどうしたというのだ.この免許証を手に取った瞬間に,私は「二輪車乗り」になったのです.
名前,住所をしっかり見ます.ゴールド免許で5年間笑える写真も見ます.車校卒業時と違って,「あちらへ」と移動をうながされることはありません.
「ありがとうございます」 一礼して交付会場の部屋を後にします.
免許証を手に持ち眺めながら階段を下りていきます.歩きスマホと同じ状態です.よく階段を転ばなかったものです.
40年前.まさに同じこの府中運転免許試験場で「普通四輪運転免許証」(当時)を取得した時(学科試験は一度で合格しました)もうれしかったと思います(なにしろ当時の教習時間:27時間だったか:を39時間のったのですから).
しかし今回,60歳に手が届く私が,20歳のときのあこがれであった二輪免許を取得できたのは,感慨深いものです.「運転条件:自動二輪は小型二輪のAT車に限る」:いいじゃないですか.年寄りはいろいろなことを限定してもらいましょう.
試験場の前の歩道橋を渡って広い道の反対側に行きます.バス停の先にタクシー乗り場があります.数台停まっている先頭の車は「古い車両」の地元のタクシー会社です.まいあがっている自分にはどうでもいいことです. 「 CC駅まで 」 車の後部座席はへたっていて,乗務員さんも愛想がいいわけではありません.しかし今の私にはどうでもいいこと.
私は「ライダー」になったのです.
「小型」で「AT限定」ですが,この年齢で二輪車に乗ることができるようになったのです.
長い間お読みいただきありがとうございます.
この後は,「外伝」として国外免許の話をふくめたエピソードを紹介します.