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冥土院日本(MADE IN NIPPON)

エピローグ(光る玉)

                          (C) Photo by Mr.photon

 
母の葬儀と地震騒ぎの余韻もまだ覚めやらぬ一週間後、父の十三
回忌が福岡の菩提寺で行われました。法要も無事終了し、親族だけで海の見える旅館に場所を移しました。その夜は一泊して葬儀と法要のいわばお疲れさま会です。私の兄弟一家、その子供達の一家と、幼いひ孫達までそろっての大変にぎやかな宴席となりました。

私は隣に座っていた姪に、母の最後を看取ってもらった礼を述べた後、部屋を見渡してこう言いました。「孫やひ孫までそろってにぎやかでいいね。この席に父さんや母さんが一緒だったらさぞかし喜んだだろに・・・」すると「おじいちゃんとおばあちゃんはきっとこの部屋にいるよ。ニコニコ笑っているような気がするの」と姪が真顔で答えるのです。

祖母に似て、この姪もそこそこ霊感が鋭いのです。霊の姿を直接見るまでには至らないのですが、気配は十分感じることが出来るのです。私は「お寺さんでの法要の時には二人はいたかい?」と尋ねると、お寺さんでは気配は感じなかったが、宴席が始まってから気配を感じたと言うのです。
 
法事から一週間ほどして、姪が我が家にやってきました。法事の時に撮影した写真を持参したというのです。わざわざ持ってこなくても送ってくれれば良かったのにと言うと、どうしても私に見せたい写真があるというのです。姪が差し出した数枚の写真を見て、私は驚きました。写真は孫とひ孫達だけが写ったものなのですが、そのいずれの写真にも、二つの光る玉のようなものが仲良く並んで写っていたのでした。



Copyright:(C) 2006 Mr.photon 

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