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『類 魂』 その1

今回から、スピリチャリズムの発展に寄与したマイヤースの《類魂説》について数回に分けてご紹介する。


●『永遠の大道』
G・カミンズ(著)浅野和三郎(訳)より抜粋引用


類魂は、見方によって単数でもあり複数でもある。一個の高級霊が複数の霊を一つにまとめているのである。脳の中にいくつかの中枢があるように、霊的生活においても、一個の統括霊によって結ばれた霊の一団があり、それが霊的養分を右の高級霊からもらうのである。

地上時代の私もある一つの類魂団に属していた。が、自分以外の類魂と、そのすべてを養う統括霊-----これらは根に相当すると考えればよい----は超物質界の世界にいた。霊的進化の真相を理解せんとする者はぜひともこの原理を研究し、また理解しなくてはならない。これによって、例えば従来の再生説だけでは説明のつかない難問の多くが見事に片づく。

私はこの説を決して安直に述べているわけではない。例えば人間が地上に生を受けるのは、前世での罪の代価を払うためであるというのは、ある意味では真実である。が、その前世とは自分の生涯と言えると同時に自分の生涯ではないとも言える。つまり前世とは自分と同じ霊系の魂の一つが、私が誕生する以前に地上で送った生涯を指すもので、それが現在の自分の地上生活の型をこしらえているのである。

現在私が居住している超物質界には無限に近いほどの生活状態があるので、私はただ私の知っている限りのことしか述べられない。断じて誤っていないとは言わないが、大体これから述べるところを一つの定理と考えていただきたい。

さて<ソウル・マン>となると大部分は二度と地上に戻りたいとは思わない。

(注:マイヤースは人間をその本性から三つのタイプに分けている。動物的欲望を多分に残している人間を<アニマル・マン>、高い知性と豊かな情緒をそなえている人間を<ソウル・マン>、霊性に目覚めた宗教的指導者や哲人を<スピリット・マン>)

しかし、彼らを統括している霊は幾度でも地上生活を求める。そしてその統括霊が類魂どうしの強い絆となって、進化向上の過程において互いに反応し合い、刺激し合うのである。従って私が霊的祖先という時、それは肉体上の祖先のことではなく、そうした一個の霊によって私と結びついている類魂の先輩達のことをいうのである。

一個の統括霊の中に含まれる魂の数は二十の場合もあれば百の場合もあり、また千の場合もあり、その数は一定しない。ただ仏教でいうところの宿業(カルマ)は確かに前世から背負ってくるのであるが、それは往々にして私自身の前世のカルマではなくて、私よりずっと以前に地上生活を送った類魂の一つが残していった型のことをさすことがある。

同様に私も、自分が送った地上生活によって他の一人に型を残すことになる。かくして我々はいずれも独立した存在でありながら、同時にまた、色々な界で生活している他の霊的仲間たちからの影響を受けるのである。


続く

永遠の大道―付・個人的存在の彼方

潮文社

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