昨日、いくつかのアニメ映画をおすすめさせていただきました。
私が幼少のころは、絵本や童話を読んで、ワクワクドキドキしたり、悲しい結末に小さな胸をいためたりしたものです。
わが子が幼い頃は、絵本も読み聞かせましたし、一緒にディズニーなどのビデオを観たりしました。
いずれも、大人になった自分が読んだり観たりしても、微笑ましかったり、ちょっと悲しかったりするものですが、最終的にはハッピーエンド。
いい子にしていればきっと幸せになれるって結末。
現実はそうではない、などという思いも知らない頃の純粋な心でそれらを観たり読んだりすることは、今はできません。
しかしながら、高齢者になったおばさんが一人で子ども向けのアニメ映画を鑑賞して、いまさら気づいたことがあるんです。
気づいたというか、なるほどと思ったこと。
童話であれ絵本であれ、必ず悪者とか、主人公を邪魔するものがいるんですよね。
悪者、いじわるなひと、いなきゃいいのに、って、普通に思っちゃうんですが、考えてみたら、そういうキャラクターがいなければ、面白くないんです。
善と悪がないと成り立たないというか。
お話の世界では、ほとんどの場合は善が勝ったりしあわせになったりするけど、たまには悲しい結末もあります。
私が今だに忘れられない感情を持ったのは「人魚姫」。
最後に水の泡つぶになってしまう人魚姫が可愛そうで、王子さまはなんてひどい人だろうと思ったものです。
でも、そういうような理不尽的な事を学んだ、ともいえる。
因みにディズニーのアニメではハッピーエンドになってましたね。
人生、人の世には、悪い人たちがいて、理不尽や不条理な事がたくさんある。
そういうものが、一切なかったりいなかったりすれば、みんなが幸せな世界になるって思ってた。
あ、でも違うなって、いまさら気づいた。
苦しい事や辛い事、悪い人や邪魔な人がいるから、人は楽しいとか嬉しいとか幸せって気持ちを持てるんだなって。
人生って、本人の性格や物事の受け止め方で違ってくると、いつも言っていますが、辛い悲しい怖い痛い・・様々な苦痛の対極にあるものを感じられるのは、それらがあるから。
決してハッピーエンドばかりではないけど、だからこそ人生は面白いんだろうと。
悪役のいない物語、嫌な事がないお話には、ハッピーエンドもないんだろうなと。
ハッピーエンドにするかしないかという事こそ、その人の受け止め方で決まるんだろうなと。
嫌な事柄に心を痛め、怒り、病気で痛み、苦しみ。
それがあるから感謝という気持ちが芽生える。
他者への優しさも生まれる。
このひと月、子ども向けのアニメに嵌ったのも、心のアンテナで何かを捉えたからだと思う。
逃げるのではなく受け入れて前に進むことの大切さ、信じることの素晴らしさ、繊細にそして時には大胆に。
還暦過ぎて久しい私の受け止め方は、子どもと違って当然ですが、だからと言って子どもの時の心を取り戻すことは出来ませんし、そんなことは望みません。
いまだからこその感情や感性を大事にしたい。
人の世の中の悪がすべて滅びれば、素晴らしい世界になるのでしょうか。
でも、人の世では、そもそもそれは無理なんです。
素晴らしい世界は、魂のいきつく光の国にあると、漠然と考えています。
でも、そこには喜びとか幸せはないんじゃないかなって。
それは死後の世界。肉体のない魂だけの世界だから。
人間として、肉体を持って生まれた事には意味があるのでしょう。
私は宗教や特別な思想は持ちませんが、そのように感じます。
ボクちゃんは犬として生まれてますが、なにか。
人生は面白い、良くも悪くも。
という事で、今年もあと4日。
お仕事納めの方も多いと思います。
一年間お疲れさまでした。素敵な休暇をお過ごしください。
つる姫のブログは無休でございます。
今日も大切な時間を、ブログに訪れていただきありがとうございます。
感謝をこめて
つる姫