【中高時代の居間】
西武拝島線「小川」駅、駅前に「とがくし」という立ち喰い蕎麦屋があった。
お世辞にでもボロい、いうほど美味くもない、お世辞でも。
ただ、母子家庭で水商売の母の下育ったわたしは小学校は殆ど夕食を母と共にしなかった。
中高は一貫校で柔道部に所属していて、加えて重度のヤンキーだった為に、すぐには帰宅せず６年間ぶっ通しで毎晩ここの飯を食らっていた
何故ならおやじ（店主）が特異なべしゃりの持主だったから
酒も煙草も許可（無視？）してくれた
柔道部を引退してすぐに鼻ピアスを開けたのもこの店の中だった
鼻の穴にMONO消ゴム突っ込んで、ガビョウを刺してるわたしを見て「ばか！櫻井！ばか！」ニタニタしながら怒鳴っていた
声のトーンがなんというか鼻が喋ってんのかってくらい間が抜けているので、いくら怒っても、楽しい時間だった
毎晩まあくだらない世間話をした
立ち喰い蕎麦屋なのに、蕎麦の味の記憶はなく、白米が好きすぎるわたしは丼ものばかりを食べていた
卒業後、一気に足が遠のいたが時折り顔を出すたびに、ばか話で盛り上がった
直近は、今年の５月１１日の昼に行って生姜焼き丼を食った
「櫻井！ばか！パクられたらしいじゃねーか」久々のひとこと目がこれ。
でも大切な最後のひとこと目になっちゃって。
その日は初めて「櫻井お前夜も寄ってけよ」なんて言って、ずっと世の中の（ばか）話などして盛り上がっていた。
そう、オヤジは、その時々のわたしの身の丈にあった（ばか）話をしてくれるんだよね
退屈なんて全然ない。
本当に話題に富んだ方だったんだなぁと。
環境上、「人生で一番回数食べた手料理」を提供してくれたオヤジだった。
うーん確かに最後話した時に癌だとか入院だとか弱音っぽいこと言ってたなぁ。
おやじ、シリアスが似合わなすぎてスルーしちゃってたよ。
居なくなっちゃうなんて想像したこともなかった。
とにかく、楽しかった。
わたしにとって、青春の1ページでは収まらない食卓だった。
ご馳走様でした。
そっちに行ったら天国の話を下ネタ混じりに沢山してください。
【居間の力】
憩いの場、食卓、居間、色々あるけど、
その主と、そのなんというか支持者によってその景色は変わる。
ハビタのそれは、結構いま考えればとても惨めで馬鹿馬鹿しかったように思う。
帰らせない空気を醸成させて、全員終電間際か主が飽きて帰るまで皆がずっとじとーっと座り続ける。
仕事してれば、なにがそんな忙しいんだ？嫌味と共にと拗ねる。
じっと座っていても拗ねる。
ただただ支持者だけがやたら狼狽える。
その空気が伝播して支持者（弟）への同情だけで皆黙り、座り続ける。
主と支持者だけが「おれは悪くない」転嫁しあい、とぼけた、間抜けた時間がただただ過ぎていく。
ハビタは、私がかつて所属し、私が代表清算人となって閉鎖した法人。
これが、もし、生まれた環境、家庭だったら？
それはそれはとても悍ましい。
例えば、
前例の主従は主も従（支持者）も戦禍を知らず生まれ、高度成長期を生きてきた日本人で、親を超えられた世代。
あくまで例えば、
他方、もし現在にこのような、且つ、家庭という逃げ場のない支配契約の中で、このような類の主や従の下、子が生まれ落ちたら。
主は既に親を超えられない。且つ、従順な支持者がいて、主は親の資産（例えば主の親が建てた立派な二世帯住宅の一部で主は貧相な生活）で食い繋いで相続待ち。従もそんな主を解りつつ術もないので、ただただ時間が過ぎていく。
その環境下では、主は、子、以外の全ての人間に馬鹿にされ、子は、従、に同情し、従は主ばかりを馬鹿にしながらも見つめ子は見ない。（例えば従の親など隅々にまで馬鹿にされる）
惨めな主の居間で、毎日毎日時間がただただ過ぎていく。地獄なのは、主（父）と従（母）が思考停止なため、子、にとっては毎日リセットされ一から同じ惨めが繰返し続く。大事な成長過程にも拘らず。
家父長制イデオロギーは同情と嘲笑で支えられている日本人らしさという誇りそのものだよ。これが日本男児のプライドの正体なのかと思うと恥ずかしくなる。
例えば！
介入権価格は落としたい、更新料は取りたい、測量しないで公租公課は下げるだけ下げたい、登録免許税（相続登記）はケチる。
先代（家長）が死んだらその従がまだご存命なのに賃貸併用の豪邸建てる。もう家長面。
あくまで例えば、どこかの地主さん一族にも有り得そうな例えのお話し。
『抑圧の世代間移譲』は、死亡と同時に、惨めな歓喜と共に、選民と転嫁から意識的に始まる。
同情と嘲笑により堅持され、「絶望」すらをも抑圧する。
資産要件や時期と、惨めとは相関する危険を孕む。
もう流れに任せるよ
まだ今の所は司法を信じてる
わたしも司法にはお叱りを受けるべき人間だけど、
惨めに同情を施されるよりマシだわ
惨めはとっくに自覚しちゃってるからね
いやー．．．ほんとに、
おやじ！生姜丼！肉多め！
今だから返すよ、この！ばか！うまかった！
