2月3日付けの毎日新聞の記事
くらしナビ ー医療ー
中ぶらりんのまま結論急がず
作家で精神科医でもある帚木蓬生さんは
自身の著書でネガティブケイパビリティーを
どうにも答えの出ない、どうにも対処しようのない事態に耐える能力
性急に証明や理由を求めずに、不確実さや不思議さ、懐疑の中にいることができる能力
と定義づけています
もともとは
19世紀に英国の詩人キーツが提唱し
170年後に英国の精神分析協会の大御所ビオンが着目、
帚木蓬生さんは
精神科医になり5~6年目のころ
治療しても患者が全く良くならず
無力感にさいなまれ、精神医学に失望していた時に
ネガティブケイパビリティーの概念と出会いました
一般的に言う能力(ケイパビリティー)は
才能や解決・処理能力などポジティブ(肯定的)なものを指しますが
ネガティブケイパビリティーはその逆で
生半可な知識や意味付けを用いて未解決な問題に拙速に帳尻を合わせない
中ぶらりんの状態を持ちこたえるもの
帚木さんは
この概念を知ったことで
問題を把握し解決に導かなくても
必ずしも治療で結果が出なくても
医師として寄り添っていけば
悪い方向にはいかない
と考えられるようになったそうです
新型コロナウイルス感染拡大で
答えのない事態、中ぶらりんの時期が続く中で
コロナとはなんだ?
これからどう生きていけばいいのか?
そういう迷いや問いかけを封鎖せず
辛抱強く考え続ける能力を持ち
反知性的な幻聴には耳を傾けず
じっくり考えていくことが大事で
この概念の良さは、分断や差別とは無縁で共感を目指すところにあり
他者や理解できないことに共感し、寛容になる心を持つことが
いまを生きていくためにはとても重要だとおっしゃっています
新型コロナウイルスの怖さは
社会の分断や差別が助長されることでもあるとしたら?
予防意識を高めて
感染対策を怠らないのはもとより
不安と恐怖に支配されないように
自分としっかり向き合って
とても難しいですが(汗)
できるだけ寛容な心で他者に寄りそえるように
新しい暮らしをこれからも模索していくしかありません
1995年に山本周五郎賞を受賞した帚木さんの「閉鎖病棟」が原作の映画
「閉鎖病棟 -それぞれの朝ー」
早速Huluで観ましたが
ん・・・
いま観るにはちょっと厳しかったかも・・
ファンの方すみませんm(__)m
※こちらは2019年公開の映画です
初孫べビちゃんと
NHK「いないいないばー」を一緒に見ながら
大きな声で歌ったり、大げさに踊ったり(笑)
CS衛星劇場ステージアワーで
歌舞伎の非日常の世界にどっぷり浸ったり
羽生くんの神がかった演技に
魂が浄化されるように感じたり
コロナ禍の我慢を強いられる状況では
喜怒哀楽の感情のうち
怒りや哀しさを覚えることが増えていると思うので
家に居ながら
純粋に喜んだり楽しんだり
心にストレートに響くものや
感情の発露が
以前にもましてとてもありがたい
自分にとってはすごく大切だと
感じています
中ぶらりんで、もやもやするのは
今は現実の世界だけで十分・・・
うまくバランスを取りながら
まだまだ辛抱と
気を引き締めました