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こんにちは。
外はまだまだ寒い日が多いですが、先週暖かい日が数日あったように、徐々に春を感じる気候になってきたのかな、と思います。五行論では、「春」は「木」に属しますが、肝臓の「肝」も同様に「木」に属します。
したがって、春は肝の働きに影響を及ぼしやすい季節で、その代表的な症状としては、筋の強張り、筋肉の痛み、腱鞘炎、風邪、鼻炎・肌荒れ・花粉症などのアレルギーの症状などが挙げられます。ということで、今回は肝臓の働きについて書いていきたいと思います。
では、現代医学的に肝臓はどのような働きをしているのでしょうか?
一般的の方にとって“アルコールの分解”が肝臓の働きとして有名だと思います。当院に来院される方や茨城アストロプラネッツの選手に尋ねても、ほとんどの方はこの働きを最初に挙げます。しかし、肝臓の機能はそれだけではありません。大きく分けると、その働きは5つあります。
- 代謝
腸から吸収された栄養素を体内で利用できる形に分解や再合成する働きを代謝と言い、その働きを担っているのが肝臓です。あらゆる身体の組織、器官、臓器が働くためにはエネルギーが必要ですが、そのエネルギーも糖、タンパク質、脂質などを代謝する肝臓の働きによって産生されています。また、医薬品の成分もそのまま身体に作用しているわけではなく、吸収された成分を肝臓が代謝することによって、その効果が発揮されます。つまり、薬を多く服用している方は、肝臓を酷使していることになるので注意が必要です。
- 解毒
身体の全ての血液は心臓で拍出される前に肝臓を通ります。血液中の老廃物や異物はこの時に解毒・分解されます。アルコールもこの働きによって分解されますが、それだけでなく、既に使われたホルモン、使われたあとの薬の成分、古くなった血液を構成する細胞、その他の異物も分解され、血液を正常な状態に保ち解毒しています。
- エネルギーの貯蔵
エネルギーの元となる糖を肝グリコーゲンとして貯蔵することも肝臓の大切な役割です。
- 血液凝固因子の生成
身体の組織の損傷が起こり出血すると、失血を防ぐために、血液が凝固しますが、そのために必要な血液の凝固因子を生成することも肝臓の役割の一つです。鍼灸治療では、強い痛みや、組織の損傷がある場合、だいたい肝の調整をする治療が非常に効果を発揮しますが、痛みや損傷がある場合、それだけ肝臓に負担が掛かっているということでしょう。
- 胆汁の生成
胆汁は胆嚢から分泌される消化液ですが、脂肪を体内に吸収できる状態に変化させる働きを担っています。その胆汁を生成しているのは肝臓です。
元気で活発な身体の状態を保つためには、そのためのエネルギーを蓄えている肝臓を良い状態にしておくことは非常に大切です。身体の組織が働くためには熱が必要なので、体温を下げるような生活習慣、例えば冷たいものの飲食などは、身体の負担になるためおススメできません。暑い夏も体表は適度に冷やしても、体内の臓器を冷やさないようにした方が良いでしょう。
上記したように、アルコールを飲んだ時だけでなく、薬を飲んだ時、寒い環境、冷たいものの飲食、過剰な運動による疲労、ケガをしたとき、病気をしたとき、油っこいものを食べ過ぎたときなどは肝臓に負担が掛かっています。元気に楽しく生きていくためには、時には羽目を外し、大いに楽しむことも大切なので、常に健康に気を使い節制した方が良いとは言いません。ただ、普段の生活において、常に肝臓は懸命に働いているということも知っておいてください。
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プラネッツ鍼灸院 笠間
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