ねうねう句日記

いつか秀句をはきたいと、ねうねうとうち鳴きながら、より所なげに春の夜を・・・
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百人ニ、三句(1)芭蕉

2010-12-09 21:43:00 | 日記
 古今の著名な俳人百人の句を集めた『百人一句』というのがある。俳人の姿を描いて、余白には人口に膾炙した秀句を載せたものである。他にも『俳諧百一集』とか『女百人一句』、和歌では『百人一首』はもとより『英雄百首』などなど。
 それで私も、お気に入りの俳人を一人づつ挙げていって「ねうねう百人一句」を編んでみたいと思いました。ただ一人一句はいかにもつらい。好きな俳人の句はたくさんあるのが普通だし。
ま、精選百人一句とする前に、ニ、三句(四、五句かも)挙げたものを作ってみることにいたします。手始めに蕉門から

 トップはもちろん「芭蕉」!絵姿はやはり森川許六の描いたものが近いのではないでしょうか。
ただ、にこやかな曾良を従えた芭蕉はごくまっとうな宗匠に見えて今ひとつ。尊敬するあまり、ぎらぎらしたものを抑えてしまったように思います。冬の句から。

    木枯らしに岩吹きとがる杉間かな  『笈日記』  杉木立の間から見れば、木枯らしに吹き晒されて鋭くとがった岩が見えることだ。
 元禄四年の句。三河新城の耕月(菅沼定次)に滞在中だった。鳳来山を見上げた時の句という。

    百年(ももとせ)の気色を庭の落葉かな     『韻塞』
  芭蕉が彦根の門人宅を訪れたのはあとにも先にもこの元禄四年、李由の明照寺であったと言われている。しかも許六は江戸勤務中であった。