大岡昇平の作品には、小林秀雄という孤独な魂に対する共感と批判を内包しているものが多いように、私には、思われる。また、これは、河村徹太郎や中村光夫といった小林秀雄周辺の批評家たちと決定的に...
大岡昇平は、敗残兵がフィリピンの荒野を彷徨し、「人肉喰い」の場面に直面する小説『野火』...