「市子」で魅せられた杉咲花さんを観たくなった。
「湯を沸かすほどの熱い愛」を観返した。宮沢りえさんと共演の8年前の作品だ。
双葉(宮沢りえ)は、探偵を使い出奔した夫一浩(オダギリジョー)を捜し出し連れ戻す。
銭湯.「幸の湯」の営業を1年振りに再開し、命ある間に大切なことをやり尽くすのだが、終始宮沢りえさんの熱演ぶりが伝わってくる。
いい作品だなあと改めて思うのだ。
娘の安澄(杉咲花)は学校でイジメにあっていて不登校寸前。セーラ服を隠され室内靴はゴミ箱に捨てられる。それでも双葉の教育が行き届いていて、体操服で登校しセーラー服をとり返してくる。
安澄は実の子ではなかった。
末期癌で余命告知されている双葉のパワーは凄い。
熱海に家族旅行を企画。
ペーパードライバーながら自らハンドルを握る。
ドライブインのレストランに寄る。
そこで働く女性が安澄の実の母親だ。毎年蟹を贈ってくる女性だ。一浩と一緒に幸の湯をやっていた過去がある。
双葉は安澄にきちんと話し安澄の背中を押す。
感動ものだ。
杉崎花さんもとてもいい演技している。
前向きで勇気づけられる作品だ。
日本アカデミー賞他多数受賞している。
「アンメット」を毎週観ていた。しかもハラハラしながら。見逃した回はTVerに頼った。
記憶障害の後遺症持ちの脳外科医川内ミヤビ(杉咲花)が全力で患者を救い、自らも再生していく医療系ドラマだ。
記憶障害を克服するため緻密に日記を綴り、翌朝読み返して始まるミヤビの一日。
TVもいいドラマつくるんだと感心した。
原作、脚本と役者が良かったからだろうか。
原作を読んでから観た方がいいのか?
そういう場合もある。
結果的には事前情報ゼロで臨んで良かったと思っている。新鮮な感動があったから。
後から知ったことだが、
原作者の小鹿さんは、自ら脳外科医でもあり、「作品を通じて多くの人に脳障害の理解を深めていただき、脳障害者が過ごしやすい社会の実現にわずかでも協力できれば嬉しい」との思いで、自身の経験も踏まえて執筆したという。
ミヤビの記憶障害の原因は、脳の中の「ノーマンズランド」(医学的に人がメスを入れてはならない領域)にあり、
手術を成功させるには「ノーマンズランドにある0.5ミリ以下の血管を2分で縫う」ことが必要だと判明。
ミヤビの婚約者の三瓶は腕のいい真面目なドクター。
ノーマンズランドのオペに向けて、必死に血管を縫う時間を計測し、何度もトライアルする姿は、不可能を可能にする強い意思が伝わってくる。
詳細内容は記さない。観た方がいいと思うから。
杉咲、若葉さん、両俳優の演技。
また、原作者が言う「心だけは脳の担当部位が何処なのかが曖昧なままである」
を感じるためにも。
アンメットの意味が最後で分かった。
なるほど三瓶ドクターの話す「満たされない」影の話は心に響いた。
ドラマとはいえ、ミヤビさんの職場に悪い輩がいないのが羨ましかった。