久しぶりに読書をしたので感想を書いてみる。
1.資産防衛マニュアル
橘玲という人が書いた本。私はこの人を余り評価してない。
最初に日本がひどい状態になった小説っぽい文章が書かれている。
その後、高金利通貨の問題点があった後、本題に入っている。
破綻は
1.長期金利上昇
2.円安、インフレ
3.デフォルト、IMF管理
の順に起こると書いてある。
各ステージに適した金融商品は
1.普通預金、個人向け国債変動10
2.国債ベアファンド、外貨預金、物価連動国債ファンド
3.海外の銀行の金融商品
と言った所。その他の金融商品、FX(ハイレバ)、金等の投資商品の解説がある。
ツイッターでも言ったのだがこの本が書かれたのが2013年の3月。4月の黒田バズーカは全く予想して無いような内容だ。
今日現在で長期金利は0.2%なので急上昇には程遠い状況。1の状況が起こるか非常に疑問。
2の極端な円安が起こるまで金利は抑えきれるのではと思う。
また、この人の特徴だけど投資経験が浅いせいか個人的に得意とか好きな投資というのが無さそうなのだ。
素人が理屈と金融商品を並べているという印象で余り参考にならなかった。
為替に関しても一旦円高にふれて円安に行くというどちらにも逃げられそうな卑怯な解説をしている。
そのレベルが全く分からないので金融商品を機械的に並べているのだ。
今、ドル円が120円近くまできてしまっているのでこの人の意見だとそのまま円安に行くと思うのだが、これも外れていると思われても仕方無いだろう。
これで防衛できるとは到底思えないが。
2.わが闘争
あのヒトラーが書いた本。サンデーモーニングでヒトラーを取り上げていたので読んでみる事にした。
上下巻で合計900ページの大作なので読むのが大変だった。
上巻では生い立ちから子供の時の貧困、芸術や建築に興味があった事、第1次世界大戦に参加した事、労働組合等が書かれている。
下巻は組織を立ち上げて集会を重ねていく様子、組織構築や宣伝の重要さについて書かれている。
文章が難しくて長いので全体的な印象を書くと
・真面目な文章が並んでいる。文章は刺激的だが内容は真面目。
・ユダヤ人に対する嫌悪感が強い。彼らが社会の中枢に入り込んで動かしていると主張。
・第一次世界大戦後の混乱と政治に対する失望。
・人種問題や民族問題は排他的。ドイツ人の優越性を主張。
・労働組合には肯定的だが利用するのが目的という気もする。
・集会を成功させるための宣伝と会合の治安を維持するための重要性。
・外交はイギリス、イタリアを評価している。フランスは徹底的に批判。ロシアは組む可能性にあるけど信用していない。
・嘘を1000回言うと真実になるというような有名なセリフは出て来なかった。(見落とした可能性はあるが)
かなり長くて難解なので理解度が低いが、民族問題の深刻さが感じられる。
どこの国でも他国の人間がでかい顔をしているのは不愉快なのだ。ヒトラーはそれを理解していて利用した。
その辺を中途半端にやってしまうとヒトラーのような人物が出てきた時に過激な状況になると思われる。
1の橘玲が冒頭の小説で偉そうな中国人の成功者の事を書いているがそういう状況は非常に危険なのだ。小説でも非常に醜悪だ。
余り交わらずに済み分けるというのが現実的では無いだろうか。