シロが光を失ったのは、2歳の時です。
秋田犬の正しい知識がないままの飼育。
自分達の思うまま、勝手に飼ったのが、失敗の一台原因でした。
何度も何度も後悔ばかり。
今でもそれが残ります。
シロは、目が見えないために、当然ながら、ゆっくりなペースでしか歩けませんでした。
杖をついて歩いているお年寄りよりも遅くにしか歩けません。
本当にゆっくり、ゆっくりの亀さんが歩いているペースでしか歩くことが出来ません。
雨の日も、雪の日も、嵐の日も、時には雷が突然来ても、走る事が出来ないので、シロも私も、
頭の上から全部ビタビタのびしょぬれになってしまって、そりゃ大変でした。
シロは、目が見えなくても、誰とでも仲良く接する事ができる犬でした。
もちろんワンちゃんともわけ隔てなく接することが出来る犬でした。
おっとりとしたマイペースな子でした。
とにかくこちらの気持ちがわかる子で、
シロなりに気をつかっていたのではないでしょうか。
ただ、病気をいろいろとしていたせいか、
オス犬なのにメス犬よりやや体が小さく育ってしまい、
育て方のわからなかったきららママ、
シロに申し訳なかぅたと今でも悔やんでなりません。
いい子なのに…
とってもいい子なのに…
すごく気持ちの分かる子なのに…
私が、シロを分かってあげられなかった…
ごめんね…シロ……
私のたった一人(1匹)の大切な、大切なシロ。
たとえ、どんな形であろうとも、
私の気持ちはずっと…ずっと…変わらないよ…
いつまでも、いつまでも…一緒にいようね。
私には、シロしかいないから…
ずっと、守っていくから……
大好きだよ…シロ。
そんな気持ちにさせてくれたシロに感謝してます。
それから、毎月の大学病院の先生が、
「シロは、今体力がかなり弱ってきているので、
このまま低空飛行の状態を上手に保つ事を考えてこの子にあった治療をしていきましょう。」
と先生がおっしいました。
家から車で約45分位掛かる道のりをシロと一緒に月1のペースで通いました。
時には、車に一度も酔った事のないシロが、
かなり体力が弱ってきて、もどす事もありました。
でも、シロも私と一緒に体を治そうと頑張ってくれました。
シロも、そろそろ10歳になる前の冬季、私がも仕事が忙しく、
しっかり、シロを見てあげられないかもしれない。
どうしよう…
困ったな……
と思いつつもシロの体を労わりながら仕事とシロの管理にあけくれていました。
雪が降りそうな寒い日の夕方。
シロが突然散歩用の紐を持って来て、散歩に行こうと合図をしてきました。
私は、「うん。いいよ。一緒に行こうか。
でもね、シロ今日はとっても寒いんだよ…あなた、体大丈夫なの?」
といいながら、ゆっくり、ゆっくりしか歩けないシロと散歩に出掛けました。
シロは、一生懸命にゆっくり歩いてくれました。
きちんと、ウンチもおしっこもしてくれました。
家に戻り、しばらくしてから、出来たての温かいご飯をまえにシロは一粒残さず綺麗に食べてくれました。
その時です…
シロが「ギャン!!」
と今までにない声をだしました。
ビックリして、シロの所に駆けつける私。
シロが舌を出して伸びていました。
私は「シロ!!シロ!!どうしたの!!何で息してないの!!
シロ!!嫌あ~!!ダメェ~!!逝かないで!!逝かないで!!
誰か助けて~!!お願い!シロ!帰ってきて!!
一人ぼっちにしないで!!シロ!!シィロ~!!」と
腕にシロを抱きかかえながら泣きじゃくりました。
すぐに、町医者に見てもらいましたがもう逝ってしまった後でした。