まずは以下の数値を見てください。
世界のガソリン価格比較(2010年12月)
リッター円価格
オーストラリア 111.70
カナダ 94.66
中国 98.31
フランス 145.26
ドイツ 148.18
香港 160.15
インド 101.34
日本 143.60
韓国 132.59
スペイン 125.76
台湾 77.64
英国 156.62
米国 69.23
イランがホルムズ海峡を閉鎖させるような噂が出てきています。そのためなのか原油の価格が下がらない状況と成っています。
この理由を説明する前に、原油が私達にとってどれだけ重要なのか、簡単に紹介します。
原油は、石油精製工場で、熱され、気体になる温度の差を利用することで、ガソリン、ナフサ、灯油、軽油、重油、アスファルトに分けられます。ちなみにプラスチックは、ナフサからつくられるのです。
更にナフサ(粗製ガソリン)に熱を加えることで、エチレン・プロピレン(気体)、ベンゼン(液体)など、プラスチックのもとになる製品原料がつくられるのです。
これらの石油化学製品は、自動車、コンピュター、電子・電気機器など高度組立型産業で使われ、日本の品質、機能は世界でも最高といわれる製品を提供しています。更に、電力を創るための原料として使われたりしています。
このように原油は、今後とも多様化しつつある社会経済の新しいニーズに対いして、いまだ重要な製品なのです。
そして原油の取引は、ドル建てで決済されていることも重要な要因となっています。
さて本題に戻ります。では何故、原油の価格は1バレル当り50ドルまで下がらないのでしょうか。
まずは需要・供給の関係があります。発展途上国の経済発展のため使われるエネルギーなどの需要が伸びていることが一要因です。そのため石油獲得戦争が起きて、原油不足の行き先不安を招き原油価格を押し上げています。
更に、産油国の生産能力の停滞によって、供給量が上昇しないために原油価格を押し上げる原因を作っています。これは原油埋蔵量の減少にも係わりがあります。
次に、サブプライム問題でアメリカ・ヨーロッパの金融機関や証券会社などが莫大な損失をだし、投資資金が金融市場から原油市場に流れたことで、原油価格を押し上げています。それに伴って、投機的な資金も流れてきてしまったことです。
また、歴史上の石油危機に関しては常に、戦争があります。今回はリビア、エジプト、シリアなどの中東の春が起こったことが原因で、原油の供給が減少したことも原油価格を押し上げています。
しかし、あまりメディアで紹介されていない、1つの大きな理由があります。それは、中東の国々の経済発展によって、債務を抱えるようになってしまったのです。
インド、中国の経済発展は年間10%近く上昇が続き、ドル収入が大きくなったことで、経済発展に必要なインフラ設備の急激な発展が上げられます。この経済発展の裏には、債務が付いているわけです。その支払いをするための費用を原油で賄っているのが中東なのです。
しかしこの中東には米国、アジア(日本・中国・韓国)、欧州(フランス・ドイツ)などの重工業やコンピュター関連産業は見当たりません。しかし、近代の都市には、世界最新そして最高層ビルが立ち並び、極端に言うと、その中に入るビジネスが国内向けだけなのです。
また建築業など従業員ほとんどが外国人であり、彼等は小さな場所に住まされて生活しているのです。
さて何故これが原油価格を上昇させる理由なのかと言うと、それは、国が抱える債務のためなのです。この債務が原油価格を押し上げざる得ないことなのです。
アメリカのCNNの報告で、債務をチャラ(損益分岐点)にさせるために1バレルはいくらでなくてはいけないのかの計算が、先日放映されました。
ロシア: 110ドル
イラク: 100ドル
アルジェリア: 98ドル
イラン: 88ドル
サウジアラビア: 85ドル
10年前にはサウジアラビアの損益分岐点は25ドルだったのです。他の産油国も同様です。
さて、読者の皆様は、これから原油価格は下降すると推測しますか、それとも上昇すると推測しますか。
世界のガソリン価格比較(2010年12月)
リッター円価格
オーストラリア 111.70
カナダ 94.66
中国 98.31
フランス 145.26
ドイツ 148.18
香港 160.15
インド 101.34
日本 143.60
韓国 132.59
スペイン 125.76
台湾 77.64
英国 156.62
米国 69.23
イランがホルムズ海峡を閉鎖させるような噂が出てきています。そのためなのか原油の価格が下がらない状況と成っています。
この理由を説明する前に、原油が私達にとってどれだけ重要なのか、簡単に紹介します。
原油は、石油精製工場で、熱され、気体になる温度の差を利用することで、ガソリン、ナフサ、灯油、軽油、重油、アスファルトに分けられます。ちなみにプラスチックは、ナフサからつくられるのです。
更にナフサ(粗製ガソリン)に熱を加えることで、エチレン・プロピレン(気体)、ベンゼン(液体)など、プラスチックのもとになる製品原料がつくられるのです。
これらの石油化学製品は、自動車、コンピュター、電子・電気機器など高度組立型産業で使われ、日本の品質、機能は世界でも最高といわれる製品を提供しています。更に、電力を創るための原料として使われたりしています。
このように原油は、今後とも多様化しつつある社会経済の新しいニーズに対いして、いまだ重要な製品なのです。
そして原油の取引は、ドル建てで決済されていることも重要な要因となっています。
さて本題に戻ります。では何故、原油の価格は1バレル当り50ドルまで下がらないのでしょうか。
まずは需要・供給の関係があります。発展途上国の経済発展のため使われるエネルギーなどの需要が伸びていることが一要因です。そのため石油獲得戦争が起きて、原油不足の行き先不安を招き原油価格を押し上げています。
更に、産油国の生産能力の停滞によって、供給量が上昇しないために原油価格を押し上げる原因を作っています。これは原油埋蔵量の減少にも係わりがあります。
次に、サブプライム問題でアメリカ・ヨーロッパの金融機関や証券会社などが莫大な損失をだし、投資資金が金融市場から原油市場に流れたことで、原油価格を押し上げています。それに伴って、投機的な資金も流れてきてしまったことです。
また、歴史上の石油危機に関しては常に、戦争があります。今回はリビア、エジプト、シリアなどの中東の春が起こったことが原因で、原油の供給が減少したことも原油価格を押し上げています。
しかし、あまりメディアで紹介されていない、1つの大きな理由があります。それは、中東の国々の経済発展によって、債務を抱えるようになってしまったのです。
インド、中国の経済発展は年間10%近く上昇が続き、ドル収入が大きくなったことで、経済発展に必要なインフラ設備の急激な発展が上げられます。この経済発展の裏には、債務が付いているわけです。その支払いをするための費用を原油で賄っているのが中東なのです。
しかしこの中東には米国、アジア(日本・中国・韓国)、欧州(フランス・ドイツ)などの重工業やコンピュター関連産業は見当たりません。しかし、近代の都市には、世界最新そして最高層ビルが立ち並び、極端に言うと、その中に入るビジネスが国内向けだけなのです。
また建築業など従業員ほとんどが外国人であり、彼等は小さな場所に住まされて生活しているのです。
さて何故これが原油価格を上昇させる理由なのかと言うと、それは、国が抱える債務のためなのです。この債務が原油価格を押し上げざる得ないことなのです。
アメリカのCNNの報告で、債務をチャラ(損益分岐点)にさせるために1バレルはいくらでなくてはいけないのかの計算が、先日放映されました。
ロシア: 110ドル
イラク: 100ドル
アルジェリア: 98ドル
イラン: 88ドル
サウジアラビア: 85ドル
10年前にはサウジアラビアの損益分岐点は25ドルだったのです。他の産油国も同様です。
さて、読者の皆様は、これから原油価格は下降すると推測しますか、それとも上昇すると推測しますか。