鋼の錬金術師 27 (ガンガンコミックス) | |
荒川 弘 | |
スクウェア・エニックス |
荒川弘さんの超人気マンガ『鋼の錬金術師』。11月22日に最終27巻が発売されました。アマゾンのレビューにもあるように大団円と呼ぶに相応しい堂々の完結だったと思います。
主なキャラクターみんなにきちんとそれぞれの「終わり」が用意され、そしてまた新たなる旅立ちも描かれ、ほぼ全ての伏線を回収した、本当に気持ち良い終わり方でした。これだけ長く、登場人物も多く、複雑な設定の物語を、よくぞここまで破綻なく一つの作品としてまとめ上げてくれたと感心、感動、そして感謝の念でいっぱいです。『動物のお医者さん』の名言(の一つ)である「晴れ晴れとしたさびしさ」という言葉を思い浮かべました。
でも、グリードはあのままリンと共存して行くのかな、と思っていたのでちょっと残念。セリムのこれからも気になるところです。
それはともかく、主人公に主眼を置いてみれば、これは、初めの頃は「オレ」の想いで手いっぱいで、「オレ達」の範囲もせいぜい「オレとアル」だけだったエドワードが、様々な人たちとの出会いや関わりを通じ、彼らの意志や願いや想いを受けて、そのすべてを「オレ達」と言えるようになるまでの物語でもありました。
巻末おまけマンガは相変わらず笑わせてくれます。特にセリムの「スイッチ」がひどい(笑)。
そして、その後に置かれた「エピローグ」では思わず涙が……そう、もうそれでいいんですよね。