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映画・舞台の感想や俳優さん情報等。基本各種メディア込みのレ・ミゼラブル廃。近頃は「ただの日記」多し。

諸星大二郎三昧

2018-07-04 22:58:38 | 本・マンガ・雑誌

今日は曇りがちで気温が下がり風も強いけれど湿度は高かったです。台風の影響かしら。

さて、諸星大二郎再読&未読本購入の日々が続いております。

あもくん (幽COMICS)
諸星 大二郎
KADOKAWA/角川書店


雑誌『幽』に連載のショートショート怪談集。「おどろおどろしい」とも「ゾッとする」とも違う。日常にふと紛れ込んだ怪異。何の「意味」があるのかわからない怖さ。だけど、意味がわからないから放置するしかない。そんなものにちょくちょく出会ってしまう父と子のお話です。

瓜子姫の夜・シンデレラの朝 (朝日コミック文庫)
諸星大二郎
朝日新聞出版


こちらは楽しいです。瓜子姫もシンデレラも、自分の置かれた環境や状況や勝手な人たちに翻弄されながらも一所懸命生きている。ガラスの靴ではなく、裸足で草や土の上を歩く楽しさを知ったシンデレラと愉快な仲間たちが素敵。
瓜子姫は、稗田礼二郎シリーズのエピソードとは大違いの「少女漫画」。少女がヒロインだから、というだけでなくテーマ性に於いても少女漫画です、もちろん良い意味で。
そして、もしかして高畑勲監督の『かぐや姫の物語』って、これの影響も受けている?などと思ってしまいました。キャラクターデザインが諸星っぽい、というのは公開当時から指摘されていたようです。宮崎駿監督の諸星リスペクトは有名ですが、この話は宮崎さんから逆インスパイアも感じられます。と言うより、意図的な引用かもしれません。
「見るなの座敷」「竹青」も良かったですが、「悪魔の煤けた相棒」の「相棒」さんが、諸星作品では見た覚えのないタイプのイケメンで、不覚にもときめいてしまいました 悪魔さんもいい人(?)です。
ともあれ粒ぞろいの短編集でした。

そしてこれ。

MUD MEN 最終版 (光文社コミック叢書SIGNAL)
諸星 大二郎
光文社


本屋さんに行くたびに気にはなっていたけれど、あまりの分厚さに買うのを躊躇していた一冊。このたびの私的諸星ブームの勢いで、アマゾンより購入しました。が、本を開くのも一苦労ゆえ、まだ読んでいません。『マッドメン』はいろいろなバージョンがあるけれど(これまでの定本であるらしいちくま文庫版は持っています)これが最後の「決定版」ということでしょうか。
前述の宮崎駿作品との関連についてですが、『もののけ姫』はモロに(諸星だけに?)『マッドメン』だと言われていますね。自然と文明、少年少女の出会い──以前読んだのは『もののけ姫』を観る前だったと記憶していますが、本当にそうなのか確認するのもまた一興でしょうか。

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