ときどき
ちょっと前の話題ですが、2月8日に第82回キネマ旬報ベスト・テンが発表されました。
日本映画部門の第1位は滝田洋二郎監督の『おくりびと』、外国映画部門の上位3作は『ノーカントリー』『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』『ダークナイト』となりました。
バラエティ・ジャパン | 『おくりびと』が作品賞含む4部門制覇
以下、各部門ベストテン。
◇日本映画ベスト・テン
1位 『おくりびと』
2位 『ぐるりのこと。』
3位 『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程(みち)』
4位 『トウキョウソナタ』
5位 『歩いても 歩いても』
6位 『闇の子供たち』
7位 『母べえ』
8位 『クライマーズ・ハイ』
9位 『接吻』
10位 『アフタースクール』
◇外国映画ベスト・テン
1位 『ノーカントリー』
2位 『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』
3位 『ダークナイト』
4位 『イントゥ・ザ・ワイルド』
4位 『ラスト、コーション』
6位 『イースタン・プロミス』
7位 『その土曜日、7時58分』
8位 『エグザイル/絆』
9位 『つぐない』
10位 『チェチェンへ アレクサンドラの旅』
◇文化映画ベスト・テン
1位 『嗚呼 満蒙開拓団』
2位 『緑の海平線』
3位 『里山っ子たち』
4位 『いのちの作法-沢内「生命行政」を継ぐ者たち-』
5位 『シロタ家の20世紀』
5位 『柊の向こう側~ハンセン病患者・回復者の歩み~』
7位 『木工芸-中川清司のわざ-』
8位 『チョコラ!』
9位 『つみきのいえ』
10位 『腫瘍血管新生』
昨年はあまり映画が観られませんでしたが、偶然にも外国映画の1位2位3位は劇場で観ることができました。
観そびれた中で是非観たい作品は『おくりびと』『アフタースクール』『イースタン・プロミス』『その土曜日、7時58分』『つぐない』というところ。『トウキョウソナタ』にも興味あります。
年齢のせいか、サラッと観られるものよりも、咀嚼するのに時間がかかる噛みごたえある作品、様々な「読み」を誘い、思索を要求し、レビューを書くにも真剣に格闘しなくてはならないような作品に心惹かれます。
日本でもアメリカでも「兄弟作」のように受け取られていた『ノーカントリー』と『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』、どちらも初見の衝撃度は高かったけれど、後々まで印象が残り、またそれがトップノートだけでなく、時間とともにミドルノート、ラストノートと変化して行く過程までじっくり味わえたのは『ゼア~』の方でした。
初めはひどいヤツに思えた主人公ですが、時とともに彼の弱さや悲しさが心にしみ、「怪演」などと評されもしたダニエル・デイ=ルイスの演技は、寧ろのその繊細さこそが際立って感じられるようになりました。彼の演技については、何か次元の違う途轍もないものを見た、という思いが今も消えません。
一方で、ヒーローものとしては「ダーク」「ハード」と言われつつ、あのテーマと盛り沢山な内容を、あまり引っかかる個所や目に余るような矛盾点なく、一気に見せてくれたのが『ダークナイト』ですが、この作品については、まずは非常によくできたエンターテインメント映画として観るのが一番だと思いますよ。
これもまた初見の衝撃度は半端ではなかったけれど、何回も観るうちに様々な発見があって、そのつど楽しめるスルメ映画でした。
でもまあ、自分としては、ベスト10の類いを選ぶようなことにあまり興味はありません。一応プロの批評家やライターの評価を総括したものであれば、その年度の「まとめ」やそれなりの目安としての意義はあるかも知れませんが、うちのような素人ブログでその真似っこをしても意味はないと思うので。
今年はあまり多くの映画を観られなかったという事情もありますが、今年に限った話ではないし、個々の作品について点数や星取りで評価することも、無意味どころか寧ろ有害だとさえ思っております。
この種の評価などはしょせん個人の嗜好によるもの、即ち好き嫌いの問題でしかないというご意見もありますが、映画というのはそれほどにまで底の浅い文化ではないでしょう。
そんな訳で、今年もいろいろな意味でこちらを打ちのめしてくれるような映画と出会えますように。
ちょっと前の話題ですが、2月8日に第82回キネマ旬報ベスト・テンが発表されました。
日本映画部門の第1位は滝田洋二郎監督の『おくりびと』、外国映画部門の上位3作は『ノーカントリー』『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』『ダークナイト』となりました。
バラエティ・ジャパン | 『おくりびと』が作品賞含む4部門制覇
以下、各部門ベストテン。
◇日本映画ベスト・テン
1位 『おくりびと』
2位 『ぐるりのこと。』
3位 『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程(みち)』
4位 『トウキョウソナタ』
5位 『歩いても 歩いても』
6位 『闇の子供たち』
7位 『母べえ』
8位 『クライマーズ・ハイ』
9位 『接吻』
10位 『アフタースクール』
◇外国映画ベスト・テン
1位 『ノーカントリー』
2位 『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』
3位 『ダークナイト』
4位 『イントゥ・ザ・ワイルド』
4位 『ラスト、コーション』
6位 『イースタン・プロミス』
7位 『その土曜日、7時58分』
8位 『エグザイル/絆』
9位 『つぐない』
10位 『チェチェンへ アレクサンドラの旅』
◇文化映画ベスト・テン
1位 『嗚呼 満蒙開拓団』
2位 『緑の海平線』
3位 『里山っ子たち』
4位 『いのちの作法-沢内「生命行政」を継ぐ者たち-』
5位 『シロタ家の20世紀』
5位 『柊の向こう側~ハンセン病患者・回復者の歩み~』
7位 『木工芸-中川清司のわざ-』
8位 『チョコラ!』
9位 『つみきのいえ』
10位 『腫瘍血管新生』
昨年はあまり映画が観られませんでしたが、偶然にも外国映画の1位2位3位は劇場で観ることができました。
観そびれた中で是非観たい作品は『おくりびと』『アフタースクール』『イースタン・プロミス』『その土曜日、7時58分』『つぐない』というところ。『トウキョウソナタ』にも興味あります。
年齢のせいか、サラッと観られるものよりも、咀嚼するのに時間がかかる噛みごたえある作品、様々な「読み」を誘い、思索を要求し、レビューを書くにも真剣に格闘しなくてはならないような作品に心惹かれます。
日本でもアメリカでも「兄弟作」のように受け取られていた『ノーカントリー』と『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』、どちらも初見の衝撃度は高かったけれど、後々まで印象が残り、またそれがトップノートだけでなく、時間とともにミドルノート、ラストノートと変化して行く過程までじっくり味わえたのは『ゼア~』の方でした。
初めはひどいヤツに思えた主人公ですが、時とともに彼の弱さや悲しさが心にしみ、「怪演」などと評されもしたダニエル・デイ=ルイスの演技は、寧ろのその繊細さこそが際立って感じられるようになりました。彼の演技については、何か次元の違う途轍もないものを見た、という思いが今も消えません。
一方で、ヒーローものとしては「ダーク」「ハード」と言われつつ、あのテーマと盛り沢山な内容を、あまり引っかかる個所や目に余るような矛盾点なく、一気に見せてくれたのが『ダークナイト』ですが、この作品については、まずは非常によくできたエンターテインメント映画として観るのが一番だと思いますよ。
これもまた初見の衝撃度は半端ではなかったけれど、何回も観るうちに様々な発見があって、そのつど楽しめるスルメ映画でした。
でもまあ、自分としては、ベスト10の類いを選ぶようなことにあまり興味はありません。一応プロの批評家やライターの評価を総括したものであれば、その年度の「まとめ」やそれなりの目安としての意義はあるかも知れませんが、うちのような素人ブログでその真似っこをしても意味はないと思うので。
今年はあまり多くの映画を観られなかったという事情もありますが、今年に限った話ではないし、個々の作品について点数や星取りで評価することも、無意味どころか寧ろ有害だとさえ思っております。
この種の評価などはしょせん個人の嗜好によるもの、即ち好き嫌いの問題でしかないというご意見もありますが、映画というのはそれほどにまで底の浅い文化ではないでしょう。
そんな訳で、今年もいろいろな意味でこちらを打ちのめしてくれるような映画と出会えますように。