「不可視の両刃」放射線に挑む~英国大学院博士課程留学~

英国に留学して放射線研究に取り組む日本人医師ブログ

世界初の有人宇宙飛行

2018-04-12 | 雑記
4月12日は初めて人類が宇宙を飛んだ日です。
1961年4月12日にソ連の宇宙飛行士ユーリイ・ガガーリン Yuri Gagarinが初めて宇宙を飛びました。冷戦当時のソ連は後進国ではなく、世界のスーパーパワーとして、一部の分野ではアメリカ合衆国に先行していました。
彼が宇宙に行ってから、すでに半世紀以上が経過しました。しかし、人類は未だにこの地球から離れることが出来ずにいます。宇宙ステーションの滞在も長期間は叶わず、他の天体に旅行に行く日はまだ当分先になるでしょう。

私の指導教官が欧州の宇宙開発に一部携わっていることもあり、私も宇宙には強い関心があります。
宇宙空間における放射線被ばくをどう克服すれば良いのかというのは宇宙医学の一つの課題であり、私も放射線研究に取り組む1人として、この問題を考えさせられることがあります。私が放射線を研究しようと思った直接的なきっかけは福島原発事故ですが、放射線が人体に与える影響を研究するということは、被ばくの被害を明らかにして予防や治療につなげるだけでなく、いつか人類が宇宙に旅立つときに「宇宙放射線からの被ばく影響を抑える」方策を講じるきっかけにもなるのです。
基礎研究というものは、どの分野も相応に重要であり、未来への投資なのです。放射線研究もまさにそうなのですね。

おそらく私が生きている間は、人類が宇宙で生活するのが一般的になることはないでしょう。しかし、いずれ宇宙空間にまで生存圏を拡大しないと人類は滅びることになると思います。現在の人口爆発、環境汚染、食糧問題などを統合的に考えれば、私たちに残された時間はあまり長くないのではないかと悲観的にならざるをえません。

I see no God.
神はいなかったよ。

ガガーリンと言えば「地球は青かった」という言葉で知られますが、英国ではどちらかと言えば「神はいなかった」という言葉の方が有名なようです。おそらく宗教の在り方に密接に関わるからでしょう。西洋ではキリスト教の影響がとても強いので、神の存在に関する議論にはやはり慎重になる必要がありますね。

子供の頃、塾の帰りに、よく星を見上げた思い出があります。とくに冬のオリオン座が綺麗でした。
たまには難しいことは考えずに、ただ宇宙を見上げるのもいいかもしれませんね。


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