「不可視の両刃」放射線に挑む~英国大学院博士課程留学~

英国に留学して放射線研究に取り組む日本人医師ブログ

福島第一原発作業員、白血病の労災認定

2017-12-14 | 2017年イベント
福島第一原発で事故後に作業に従事していた方が白血病を発症し、労災認定されたと昨日報道がありました。白血病としては3人目、他に甲状腺がんで認定された方が1名いらっしゃるとのことです。下記はNHKニュースから引用しました。


『東京電力福島第一原子力発電所の事故で、原子炉格納容器への注水作業などに当たっていた東京電力の40代の社員が、白血病を発症し、厚生労働省は、被ばくしたことによる労災と認定しました。
労災認定されたのは、去年まで19年余り、福島第一原発で機器の保全業務などを担当していた東京電力の40代の男性社員です。

厚生労働省によりますと、男性は、事故直後から9か月にわたり津波の被害の確認や1号機や3号機の原子炉格納容器への注水作業に当たっていたということで、去年2月白血病を発症し、労災を申請しました。

男性の被ばく線量は99.3ミリシーベルトで、厚生労働省は、白血病の発症と相当な因果関係があるとして労災と認定しました。

福島第一原発では事故以降、ことしの5月までに、およそ5万6000人の作業員が収束作業に当たっていて、白血病や甲状腺がんを発症して労災が認められたのは、今回で4人目となります。』


事故後累積被ばく線量は96ミリシーベルトということで、問題は100ミリシーベルト以下であることですね。過去に認定された方も100ミリシーベルト以下でした。このような低線量域での放射線影響をどのように評価するべきなのか、放射線生物学的な課題としてはきわめて重大なのですが、正直、まだよく判っていないのです。私はこういう点に切り込みたいと願って放射線研究に取り組んできましたが、しかし、まだ力及ばずです。

放射線は難しい……