今日は週明け月曜日でしたが、指導教官は完全に体調が悪そうなご様子で、私の風邪をうつしてしまったかなとちょっぴり申し訳なく感じました。来月には栄誉ある国際学会の大会長を務める予定なので、弟子としてはあまり無理をしないでもらいたいと思います(いつも迷惑ばかりかけている不肖の弟子ですが)。
私も来月は2つの大きな国際学会へ出席するため日本・横浜とメキシコを訪問する予定となっており(その間にも様々な打ち合わせがあり)、ほとんど英国には居ません。秋はいわゆる「学会シーズン」なので仕方ないとはいえ、やはり気忙しいものです。11月も欧州の学会、12月にはアジア・オセアニアの学会に参加する予定です。指導教官ほど多忙ではないのですが、私もそれなりに忙しくなってきました。これから年末にかけてハロウィーン、クリスマスというソーシャルイベントもありますが、体調管理に気をつけながら、なんとか乗り切りたいものです。
閑話休題。
昨夜から今朝にかけてドイツ人の知り合いたちが騒いでいたので何事かと思ったら、ドイツ総選挙で極右政党AfD (Alternative für Deutschland)が第3位政党になったのでした。
私が以前にお世話になったドイツ人女性研究者が「ドイツの恥」とまでSNSでコメントしていたように、ナチを想い起させるような主張も持ち併せているこの政党の躍進は、一部のドイツ人たちには受け入れ難い結果となったようです。「賢者は歴史に学ぶ」と言いますが、たいへんな危機感をもって、今回の出来事を受け止めている方々がいるようです。
たしかに極右政党を支持する人たちが10%以上も占めるというのはちょっと驚きではありますが、それだけ欧州の移民問題が深刻な社会問題であることを裏付けているのかもしれません。これはあくまで私見ですが、いわゆる移民問題は、単なる難民の移動と受け入れだけではなく、人種差別、宗教差別などの様々な社会病理をも包括しているように感じます。
誰にだって、なんとなく、好きな人・嫌いな人がいます。
嫌いな理由として、なんとなく意見が合わないとか、話し方がむかつくとか、見た目が生理的に受け付けないとか、雰囲気が気持ち悪いとか、色々な場合があるのでしょう。しかし、それらがなんとなく自分と肌の色が違うから、信じる宗教が違うから、などということになるともはや「差別」ということになるわけです。とはいえ、実際のところ、このあたりの境界判断は実に難しいでしょう。つまり、それぞれの個人的な嗜好と差別はどこで分けられるのかについて、かなり微妙な部分があるのではないかと私は疑っています。
自分の家の近所にいきなり自分たちとはバックグランドが全く異なる難民集団が出現した時に、「優しく受け入れてあげなさい」と綺麗ごとを言うのはとても簡単ですが、実際にはかなり精神的な抵抗があるのだろうというのは想像に難くありません。ドイツ人の多くは、先の二度の大戦で耐えがたい苦汁を飲み、今はEUの優等生であろうとする気質を持っているように見えますが、しかし、かつて世界中に植民地を有し、搾取を行い、今日の世界情勢を良くも悪くも作ったはずの列強の多くが移民を拒んでいる中(英国なんてさっさとEU離脱を宣告して移民受け入れ拒否反応中)、「なんで私たちがここにきて率先して移民を大量に受け入れなければならないのか」と疑問に思う方々もいるのかもしれません。そして、AfDに投票しようと人たちもいるのかもしれません。
今回の結果、Angela D. Merkel率いるメルケル政権はまだ続くことになりました。この女傑は21世紀初頭を代表する国際リーダーの一人として世界史の教科書に名を遺すことになるのでしょうが、この安定感のある長期政権の下、しかし、確実に何らかの変化がドイツ国内で起こりつつあるようです。
昨年は英国のEU離脱、米国のトランプ大統領選出がありました。今年になって極東ではミサイル問題、核実験問題が生じており、トランプ大統領が言うところの「ロケット野郎」が近くにいる日本も、世界情勢を見極めながら、きわめて慎重な判断が求められる局面でしょう。
ドイツではAfDが躍進しました。さて、日本はどうなるのでしょうか。
私も来月は2つの大きな国際学会へ出席するため日本・横浜とメキシコを訪問する予定となっており(その間にも様々な打ち合わせがあり)、ほとんど英国には居ません。秋はいわゆる「学会シーズン」なので仕方ないとはいえ、やはり気忙しいものです。11月も欧州の学会、12月にはアジア・オセアニアの学会に参加する予定です。指導教官ほど多忙ではないのですが、私もそれなりに忙しくなってきました。これから年末にかけてハロウィーン、クリスマスというソーシャルイベントもありますが、体調管理に気をつけながら、なんとか乗り切りたいものです。
閑話休題。
昨夜から今朝にかけてドイツ人の知り合いたちが騒いでいたので何事かと思ったら、ドイツ総選挙で極右政党AfD (Alternative für Deutschland)が第3位政党になったのでした。
私が以前にお世話になったドイツ人女性研究者が「ドイツの恥」とまでSNSでコメントしていたように、ナチを想い起させるような主張も持ち併せているこの政党の躍進は、一部のドイツ人たちには受け入れ難い結果となったようです。「賢者は歴史に学ぶ」と言いますが、たいへんな危機感をもって、今回の出来事を受け止めている方々がいるようです。
たしかに極右政党を支持する人たちが10%以上も占めるというのはちょっと驚きではありますが、それだけ欧州の移民問題が深刻な社会問題であることを裏付けているのかもしれません。これはあくまで私見ですが、いわゆる移民問題は、単なる難民の移動と受け入れだけではなく、人種差別、宗教差別などの様々な社会病理をも包括しているように感じます。
誰にだって、なんとなく、好きな人・嫌いな人がいます。
嫌いな理由として、なんとなく意見が合わないとか、話し方がむかつくとか、見た目が生理的に受け付けないとか、雰囲気が気持ち悪いとか、色々な場合があるのでしょう。しかし、それらがなんとなく自分と肌の色が違うから、信じる宗教が違うから、などということになるともはや「差別」ということになるわけです。とはいえ、実際のところ、このあたりの境界判断は実に難しいでしょう。つまり、それぞれの個人的な嗜好と差別はどこで分けられるのかについて、かなり微妙な部分があるのではないかと私は疑っています。
自分の家の近所にいきなり自分たちとはバックグランドが全く異なる難民集団が出現した時に、「優しく受け入れてあげなさい」と綺麗ごとを言うのはとても簡単ですが、実際にはかなり精神的な抵抗があるのだろうというのは想像に難くありません。ドイツ人の多くは、先の二度の大戦で耐えがたい苦汁を飲み、今はEUの優等生であろうとする気質を持っているように見えますが、しかし、かつて世界中に植民地を有し、搾取を行い、今日の世界情勢を良くも悪くも作ったはずの列強の多くが移民を拒んでいる中(英国なんてさっさとEU離脱を宣告して移民受け入れ拒否反応中)、「なんで私たちがここにきて率先して移民を大量に受け入れなければならないのか」と疑問に思う方々もいるのかもしれません。そして、AfDに投票しようと人たちもいるのかもしれません。
今回の結果、Angela D. Merkel率いるメルケル政権はまだ続くことになりました。この女傑は21世紀初頭を代表する国際リーダーの一人として世界史の教科書に名を遺すことになるのでしょうが、この安定感のある長期政権の下、しかし、確実に何らかの変化がドイツ国内で起こりつつあるようです。
昨年は英国のEU離脱、米国のトランプ大統領選出がありました。今年になって極東ではミサイル問題、核実験問題が生じており、トランプ大統領が言うところの「ロケット野郎」が近くにいる日本も、世界情勢を見極めながら、きわめて慎重な判断が求められる局面でしょう。
ドイツではAfDが躍進しました。さて、日本はどうなるのでしょうか。