前回は、神奈川県南足柄市にある「矢倉岳」に登った時に撮影した画像を中心に、その山についての言われも、簡単ながら紹介した。
「富士山~矢倉岳ミステリー(仮題)」・・・矢倉岳 - ムラカミの公開制作的ブログ (goo.ne.jp)
では、もう一度、前回提示した画像2枚を見てみよう。
この2枚の画像は、だいたい同じ位置に立って前後を撮っている。つまりほぼ180°前後の風景となる(正確にはやや南に振れている)。
矢倉岳頂上から富士山を眺めて、そして振り返った先には相模湾の先に霞んだ三浦半島、そしてもっと視界が良ければ房総半島も見えるはずだ。この位置関係を地図上で確かめてみると以下のようになる。
富士山と矢倉岳を結んだ線を延長していくと、神奈川県二宮町の「吾妻山」をかすめて大磯で海上に出、江の島先を過ぎて葉山に至る。大楠山を越えた先には横須賀市の観音崎界隈に行きつくが、そこは走水である。
走水には走水神社があり、御祭神は日本武尊(やまとたけるのみこと)と弟橘媛命(おとたちばなひめのみこと)である。ここに伝承される物語は有名なので説明するまでもない。ご存じない方は、以下のリンク先を参照されることをお勧めする。
日本武尊の東征ルートについては諸説あり、彼方此方に所縁の地とされる所がある。だが、現在のように道路が発達し、街が広がっていたわけではない昔々、その古道や荒野を歩き続けるには「富士山」は最大の目印だっただろう。そしてその手間に見える「矢倉岳」との関係を見て行けば、自分が歩いている方向の目安となる。その延長された直線上に弟橘媛命が海に身を投じられた場がある。
それは単なる偶然だろうか。
矢倉岳頂上から見た東南東方向の風景の中のポイントに、出かけてみた。
次回に続く。