ひとやすみ(風のいろ:別館)

あなたは私のいのちを穴から引き上げてくださいました(ヨナ)
闇の中に座っていても主がわたしの光である(ミカ)

松本清張は 大人にならないと 理解できないのかも

2011年03月07日 | Sorrow
松本清張の作品は タイトルからして 難しい。
ゼロの焦点、点と線、、、作品の数も多く
どのタイトルがどんな内容だったか
混乱してくるというか 覚えられない。。。
タイトルと内容が覚えていられるのは
「10(?)億分の1の偶然」
「式場の微笑み」
「影の車」
「獣道」
「黒皮の手帳」
「天城越え」あたり?
(どれもこれもちょっとエロイ場面があるが
 小説って結局 推理でなくても そういう場面が
 ほとんど出てくるんですよね・・・・。
 私が小説読みから離れてきたのは そういうとこもある)


昨夜 「ゼロの焦点」:現代版を見た。
かつて見たのは 映画版で
有馬稲子?とか久我よしこ?とかが出てたもの。
「君の肌は若いね」という台詞と
一人の新婚の男が 実は重婚(片方は籍なし)だった
というストーリーしか 覚えていなかった。


今回、55歳の私があらためてこのドラマを見させて
戴いて 若い時に見た時には理解できなかった
人間の生き様の悲しさ、生きることの大変さ、、、
を あらためて教えられ、感慨深かった。

アメリカ軍が戦後の日本にしてきたこと。
焼け野原で 靴磨きの少年とかの苦労話は聞いたけど
米軍人相手の娼婦にならざるを得なかった少女たちのことは
正直 戦後、何となくうやむやに隠されていたのではないか?
自分も女だから もし同じ状況に置かれたら
同じ運命を生きていたかもしれないと
サスペンス部分ではなく、戦後の混乱期の
孤児たちの苦しい人生から、教えられた。
死ぬ、という選択肢もあっただろうけど。
今なら 児童養護施設などあるし
仕事も選ばなければ なんとかかつかつに生きる程度には
あると思うが あの時期は な~んにもなかったに違いない。

背景は昭和32年とのこと。
私が生まれた翌年だった。
景気も上向き始め 高度経済成長期に突入し始めたころか?


どの人も悪くなかった。
身を守るために 昔の恥の部分を知られたくないために
犯人は殺人を繰り返したけれど・・・
この人自身 哀しい哀しい運命を背負っていた。
ラストに近い場面で 散々この犯人を男女の倫理界において
裏切ってきた夫が、「私は誰も殺してない!」と叫んで錯乱し
自分を傷めていた妻を抱きしめ、
「お前は誰も殺してない!」といい
更に 逮捕の場面では 自分が殺したと 身代わりにまで
なってたところが印象的だった。

木村多江演じる、なまりの激しい哀しい女の役も
ほんとにお人よしで 誠実で 彼女の雰囲気にマッチしていたと思う。

いいドラマだったと思う。


しかし 清張さんの話、ほんと 難しいわ。
点と線って どんな話だっけ?
調べてみよう。




そういえば、、、森村誠一の 「人間の証明」も
戦後混乱期の哀しい女性の 似たような立場が描かれていたなあ。

戦争って、、、、、、、、
幸福になる人は誰もいないね。
軍人も民間人も捕虜も自害した人も孤児も
娼婦も、、、、暗い時代だったね。
原爆が広島と長崎に落とされなかったら
日本はまだ戦争を続けていたに違いない。

コメント    この記事についてブログを書く
« ドイツ語の「ヨハネ受難曲」 | トップ | 「情報提供書」にふりまわされて »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

Sorrow」カテゴリの最新記事