一寸の兎にも五分の魂~展覧会おぼえがき

美術展のおぼえがきと関連情報をすこしばかり。

さりげなくお宝満載、伝雪舟・利休・白隠@東京・永青文庫

2013-05-24 | 展覧会
新緑も鮮やかな晴天の午後、早稲田の杜にほど近い、永青文庫を訪れました。

世に有名な細川家伝来の秘宝を管理し、一般に公開しています。

そこで、伝雪舟筆「琴棋書画図屏風」(六曲一双、室町時代)が展示されていたのですが、遊びに興じる人々や猿、驢馬(?)、豚(いのしし?)のような身近な動物がいきいきと描写されており、とても500年以上も前の作品とは思えない親近感を抱かせます。

「伝」なので雪舟の真筆ではないかもしれないのですが、誰が描いたにせよ、とてもおもしろい(しかも人物や動物がかわいらしい)。

なんだかほのぼのした「この世の春」といいますか、ある意味桃源郷めいた趣のある作品で、見ていて楽しくなります。

そのほか、つい半年ほどまえ、Bunkamuraザ・ミュージアムで開催された大回顧展が話題をさらった白隠の作品もたくさん展示されています。Bunkamuraで展示されていた作品はもちろん、見かけなかったものでもひきつけられる作品が普通に展示されていますので、白隠ファンも足を運びたいところ。

特別展としては、「細川三斎の茶」と題する企画展が開催されており、千利休の弟子(利休七哲のひとり)だった細川三斎(忠興)ゆかりの茶道具、70点ほどが展示されていました。

茶道は学生時代にほんのちょっぴりかじったものの、ほぼ門外漢のわたしですが、千利休直筆の書状や利休作の茶杓をはじめ、おそらく茶の道を少しでもたしなんでいる人だったら垂涎ものの名品が並んでいるのであろうことは、実感できます。

しかし、ここのすごいところは、どんなにすごい名品でも実にさりげなく展示してあるところ。決して派手派手しくなく、ほかの作品と並んであっさりと展示してあります。

意識して仰々しくしないところが、大名家の懐の深いところなのでしょう。

細川家は現・熊本県ゆかりの大名ということで、2012年にはくまモンもやってきたようです。

そのときの記念撮影の模様がとーってもかわいいので、ぜひご覧ください(こちら)。

そして、永青文庫といえば、「看板猫」は、菱田春草「黒き猫」(明治43年 絹本着色 1幅)。

今回はじかにみることはできませんでしたが、黄金色のクリアファイルやお一筆箋が売られています。

「黒き猫」には会えませんでしたが、かわりに虎ちゃんが寝ていました。



永青文庫にほど近い「関口芭蕉庵」の正面入り口にて。



完全にまん前ですね。不敵です。



「関口芭蕉庵」も覗いてみたかったのですが、時間が少し遅く、閉まってしまったので、また次回。

「細川三斎の茶」と「春季コレクション展」は6月23日(日)まで。

7月5日(金)からは「大名細川家への贈り物 -信長、澤庵、大観から」と題した企画展が開催されます。

歴代の名士から、どのような贈り物が細川家にもたらされたのでしょう。

楽しみです。

****以下、美術館HPより****


◎入館料(特別展を除く)
一   般:800円(団体10名以上は700円)
シ ニ ア:600円(団体10名以上は500円)
大学・高校生:400円
中学生以下:無料
※友の会会員、障害者手帳をご提示の方およびその介護者(1名)は無料
◎開館時間 10:00~16:30(入館は16:00まで)
◎休館日 月曜日(祝日の場合は開館、翌火曜日が休館)、展示替期間、年末年始




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