松本古墳群は50m級の前方後方墳2基を擁した出雲最古級の古墳群で、直前まで造られていた四隅突出型墳丘墓との関連を視野に入れて考えてみても非常に興味深い古墳群です。
2基の前方後方墳
発見容易
到達には自動車必要
駐車場あり
説明板あり
お勧め度:
*** 本ページの目次 *** 1.基本情報 2.諸元 3.探訪レポート 4.補足 5.参考資料 |
1.基本情報
所在地
島根県雲南市三刀屋町給下
現況
山林
史跡指定
1号墳:島根県指定史跡
3号墳:雲南市指定史跡
出土遺物が見られる場所
2.諸元
築造時期
3世紀後半か
墳丘
1号墳:墳丘長50mの前方後方墳
2号墳:径15mの円墳
3号墳:墳丘長52mの前方後方墳
埴輪、葺石なし
主体部
1号墳からは組合式木棺と割竹形木棺が出土しそれぞれ粘土槨
出土遺物
1号墳第1主体部から獣帯鏡
周堀
2号墳に周溝あり
3.探訪レポート
2018年10月3日(水)
この日の探訪箇所
稲用城跡 → 出雲大社 → 古代出雲歴史博物館 → 西谷墳墓群 → 出雲弥生の森博物館 → 荒神谷遺跡 → 加茂岩倉遺跡 → 神原神社古墳 → 松本古墳群
神原神社古墳で竪穴式石室の移築復元を見学した後は、松本古墳群へ向かいます。
時刻はすでに17時に近い・・・
ヤバい、急がなければ。
松本古墳群は2基の前方後方墳が主役の古墳群ですから、前方後方墳マニアとしては是非とも見ておきたい。
ナヴィに脳内を支配されながら車を操縦して行くと、道は山の中へ向かって行きます。
前期古墳にありがちな、山の上にあるタイプの古墳のようですね。
やがて舗装道路が終わった場所に駐車スペースのようなものがあります。
ここに止めて歩いて向かいましょう。
登ってきた舗装道路。
ここから先は未舗装。
夕暮れ時にこういう場所を歩いていると心細いですが、勇気を振り絞って歩きますよ。
お、墳丘らしきものが見えてきました。
早速古墳発見!
登りましょう。
これは前方後方墳ですね。
下に説明板が見えますので後で確認しに行きます。
後方部から前方部を見ます。
今度は前方部から後方部。
なかなか立派な墳丘じゃないですか。
説明板を見に行きましょう。
おー、やっぱり52mの前方後方墳でしたか。
葺石も埴輪も確認されておらず、埋葬主体の様相が不明なので何とも言えませんが、説明板が言う通り、出雲内での最古級の古墳と考えていいでしょう。
1号墳がさらに古そうなようなので、1号墳も見に行きます。
というか、すぐ隣にいます。
早速登りますよ。
ここにも説明板があるようなので後で見に行ってみましょう。
前方部から後方部を見ます。
この石は何でしょうか。
墳丘からの眺望。
なんかこの平たい石は石室の石のように見えますが、そもそも1号墳の主体部って調査されているのでしょうか。
説明板を読んでみます。
1号墳も50mあるんですね。
こちらは発掘調査がされており、主体部も開けていますが、箱型木棺と割竹形木棺がそれぞれ粘土にくるまれた状態で見つかったということで、先ほど見た神原神社古墳ような「石室」と呼べるような構造ではなかったんですね。
つまりは粘土槨です。
となると、先ほどの平たい石はなんでしょうかね。
この古墳群は中世以降も墓域だったようなので、後世の物でしょうか。
さらに奥にもう1基、古墳が見えますよ。
行ってみましょう。
え、この「殿様墓」って何だ?
看板の綺麗さが異様に際立っており、矢印が示しているすでに暗くなっている藪の雰囲気と不釣り合いです。
手元の「松本古墳群」リーフレットによると、鎌倉末期のものと伝えらる宝篋印塔が2基あるようですが、実際は江戸初期のものだそうです。
この奥にあるのかなあ?
もう日が暮れそうだし、今日はやめておこう・・・
では古墳に戻ります。
また説明板がありました。
こちらは2号墳ですね。
径15mの円墳です。
これで、3基の古墳を見ました。
とくに出雲に来る計画を立てていた段階から気になっていた前方後方墳を見ることができて嬉しい。
松本古墳群はちょっとした山奥にありますが、駐車スペースもあるし、こうやって説明板もあるし、なかなか好感度が高いですよ。
では駐車場へ戻りましょう。
1号墳の横を通過。
というわけで、今日もたくさんの遺跡を見学することができました。
明日は最終日の4日目で、初めて鳥取県に足を踏み入れますよ。
(つづく)
4.補足
5.参考資料
・現地説明板
・「松本古墳群」リーフレット 島根県雲南市教育委員会/編
・『古代出雲を歩く』 前島己基/編著 1997年