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戸塚ヨットスクール戸塚宏校長の新潮新書「本能の力」より抜粋
平成18年4月29日、刑期満了で静岡刑務所を出所した私は、その足で、「戸塚ヨットスクールを支援する会」が用意していた静岡市内の記者会見場に向かいました。正直なところ、マスコミは私のことなど無視するだろうと考えていました。「事件」発生当時大変な話題になったとはいえ、もう一昔ではない時間が過ぎています。さすがに私を叩きに来るまでもないのではないか、そんなふうに思っていたのです。 |
ところが、私の考えが甘かったことは会見場に入ったとたんにわかりました。会場では数多くの報道陣が私を待ち受けていました。主要なテレビ、新聞はすべて揃っていたのではないでしょうか。 |
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まだそんなに私に関心があるのか。まだ私を責めたいのだろうか。驚きと同時に、マスコミは私に何を期待しているのだろうと、不吉な予感が胸をよぎりました。 |
約20年前に起こった「事件」において、私が校長を勤める戸塚ヨットスクールでは訓練中に2人が亡くなり、2人が逃亡しようと海に飛び込んで、そのまま行方不明となりました。これは紛れもない事実で、悔やんでも悔やみきれるものではありません。 |
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名古屋地検は、体罰によって2人の生徒を死に至らしめたと、私とコーチたちを傷害致死罪で起訴しました。裁判では「体罰は教育か暴力か」が争点となり、一審の名古屋地裁は、「(体罰)の多くは治療・矯正のため、あるいは合宿生活維持のため」と認め、私に懲役3年、執行猶予3年の判決を下しました。 |
しかし、「遺族に冷たい判決」「寛大判決、波紋広がる」などと、マスコミは一斉にこの判決を批判。こうしたマスコミの報道に影響されるように、二審の名古屋高裁は「訓練は人権を無視。教育でも治療でもない」として一審判決を破棄し、私に懲役6年の判決を下したのです。すぐさま上告したものの、流れは変わりませんでした。最高裁は二審判決を支持し、実刑が確定しました。 |
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判決についての不満はありますが、それを述べるのはこの本の趣旨から外れるので、ここでは割愛します(ただし一言述べさせてもらうと、故意に生徒を傷つけたことはありませんし、体罰によって生徒が死んだ事実もありません。詳細にご関心のある方は、「戸塚ヨットスクールを支援する会」のホームページをご参照下さい)。 |
もちろん、死者が出たことについては、心が痛みます。彼らのことを忘れたことはありません。そのことに間違いありません。 |
さて、記者会見の最初に飛び出した質問はこうでした。
「いまでも体罰は教育だとおもいますか」 |
この続きは、戸塚ヨットスクール校長 戸塚宏著「本能の力」新潮新書を、是非、お読み下さい。 |
| 私も、この本を読んで一番感じたことは、実際非行少年を抱えて、更正に関わった人間でなければ、理解できないだろう。普通の人には考えられないくらいな、想像を絶する闘いだ。特に精神障害を持っている子は、なおさら難しい。 |
しかし、この活動の基本は戸塚先生も言われている通り、指導する人間は受ける人間より力を含めて全てが上でないと、なめられたらお終いだ。
しかし、力だけではなく、それなりの愛情も持ってやり、それに集団生活をしていれば、先輩達もいる訳だから、皆上手に関わってくれたから、うまく更正が出来た。
とにかく私も上手く表現が出来ないが、戸塚ヨットスクールの戸塚宏校長先生の出版された「本能の力」を何回も読み返しましたが、今までにない、素晴らしい内容。皆さん是非、読んで頂ける事を薦めます。 |
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