スタンプショウ2018へ行ってきた。それだけではない。同日、埼玉ミネラルマルシェにも行ってきたのだ。切手の祭典と鉱物の祭典が同期間(2018年4月20日~4月22日)に開催されたのだ。いわば「祭のはしご」である。盆と正月がいっぺんに来たのと同じである。すき焼きの後に最高級のステーキを出されたと想像して頂いても結構である。
何が言いたいかというと、私にとってすっごく幸せな一日だったということなのだ。
「切手趣味週間」の始まりである郵政記念日・4月20日に始まるというのは縁起が良い!と勝手に思い、この日を心待ちにしていたのである。というわけで、浅草まで出かけていった。産業貿易センター・台東館が会場である。
今日は夏日になるとの予報もあって、暑い。早くも日ざしがじりっとする。10時開始だが、早めに着いたので開場まで並んだ。
普段は飲食店の行列とか人がたくさん集まる所とか、全力で避けている私だが、スタンプショウとミネラルショウだけは早めに行って並ぶ。並んで何か良い事があるかというと、別にそこまでの良い事は無いのだが、並ぶ。列に静かに並んで気持ちを高める。ブースへ行く順番や何を探すかのイメージトレーニングを入念に行い、準備をするのである。
いよいよ開場である。ディーラーズ・ブース(切手屋さんの出店の事)のある5階へと急ぐ方々を見送り、義理を果たしに4階の展示スペースのある会場へと向かう。まずは主催者ブースでご挨拶である。本当にご挨拶したわけではない。公式ガイドブックを購入して4階会場をぐるっと一周してみたのだ。
様々な展示やイベント、ワークショップが開催されている。その中でちょっと楽しみにしていたのが、「外国郵政ブース」である。チェコ、スロベニア、カナダ、中国の郵政が、記念切手や郵趣品(葉書や郵便関連グッズの事)の販売を行ったり、押印サービスをしてくれるのである。しかも各国、3日間それぞれ異なる種類の消印を用意してくれているのだ。
私の目当てはチェコ郵政である。ミラン・クンデラの故郷でもあるチェコには、何だか憧れというか、ちょっと思い入れてしまうところがあるのだ。
というわけで、チェコのかわいい犬の切手を購入した。消印が犬だから、犬の切手にしてみた。
かわいい!切手の犬もだが、消印のデザインがかわいい!さすが芸術の都(勝手に私が呼んでいる)チェコである。ついでにミュシャが過去にデザインしたプラハ城の切手も買った。
ところで、中国も犬の消印を用意していたが、今年が戌年だからだろうか。
続いて楽しみにしていた「さくら日本切手カタログ」を購入。4月20日、発売日に購入である。日本で最初に発行された切手から、2018年4月20日に発行される切手までが掲載されている。価格の参考になると共に、眺めていて実に楽しい。
このカタログは毎年郵政記念日が発売日だ。何度も言うようだが、こいつは春から縁起が良い。郵政記念日は、郵趣家にとって誕生日の次に大事な記念日である。多分。
ある程度4階を満喫したところで、5階へと向かう。なんと32もの切手屋さんが全国から集まるのである。鼻息が上がっても致し方ないだろう。
しかしながら開場は至って落ち着いているかのように見える。各ブースの前にもうけられた机の上には、たくさんの切手が納められたファイルがずらっと並ぶ。椅子に腰をおろして物色である。どのようにして切手を購入するのかというと、ビニール袋に入った切手が貼り付けられたページがファイリングされているので、そこから欲しいものをページごと抜き取る。ストックブックに入っているものは、ピンセットで欲しい切手と値札を一緒に抜き取るのだ。
皆さん、静かに、だが熱心にファイルをご覧になっていらっしゃる。こういうシーンを写真に納めておけば面白いのだろうけれども、色々失礼になるかもしれないので撮影は控えた。あしからず。
ところで、スタンプショウに来ていらっしゃる方々をみると、平日という事もあるかもしれないが、かなり年齢層が高いようにお見受けした。要は、おじ様ばっかりなのである。熱心だけど、落ち着いた雰囲気である。ブースとブースの間も広くもうけられているので、それほど込み入った感じもなく、じっくり切手を選ぶ事ができる。
その中に、こぎれいな「切手女子」達がちらほら。「かわいい切手」ファイルがそこかしこに見かけられ、そういったファイルを熱心にご覧になっている。素敵だ。しかも彼女らは何か手作りの品にそういった「かわいい切手」を活用なさるとも聞いた。そういう使い方ができるなんて良いじゃないか。
その一方、そうしたファイルに目もくれず、ひたすら目をこらして「恐竜」、「古生物」、「先史時代の生物」ファイルを探していたのが何を隠そう、この私だ。
もうほんと、この日は「恐竜祭」である。大収穫だった。かねてより欲しかったクラシックな切手がどかどか出てきた。
最近、コレクションの方向性をもうちょっと大人びたものにしたいものだと思うようになった。それでちょっと古めで、発行に意味合いのあるものだったり、図鑑などに紹介されているようなものも探す事にしているのだ。
もちろん、見た事のないおもしろい恐竜切手も外せない。
恐竜関係の漁獲である。これは今後小出しに紹介していこうと思っているのでお楽しみに。
そんな中でこの日一番のおもしろ恐竜切手があったのでご紹介しよう。今回の恐竜切手漁獲のうち、まさに白眉とも言える一品である。それがこちらのスティラコサウルスの切手である。2002年にモザンビークで発行された切手である。
かわいい!どうだろう、このポーズ!襟飾りの裏側辺りがちょっとかいーので、後ろ足でカシカシと掻いたところの図案だ、と思う。犬やなんかが耳の後ろを掻く時にやる、あの仕草である。
ここで、「いや、これはきっと御不浄の直後だ」と思った方もいらっしゃるであろう。
私も最初、ファイルをめくっていて「なぜにこのポーズ?」と固まったのである。後ろに木が描かれているところといい、「ちょっといいの?この格好?!」と思ったのだ。まさかと思ってファイルから抜いたのである。「はばかり」ポーズなのか?いやいや、絶対「かいーのでカシカシ」の方に違いない。その方がかわいいのでそういう事にしておこう。
というわけで、この先はまだまだ続くので、次回へ。