200枚あまりの年賀状の中で、たった1枚当たった!
「お年玉切手シート2019」である!!
しかし、これ、私が当てたのではないのである・・・。母から譲ってもらったのだ。
まあ、いいさ。
というわけで、数枚しか届かない私の年賀状の中に当たりが出るはずもなく、受け取る年賀状の枚数が多い家族から譲ってもらうのである。
今年のお年玉切手シートは、珍しく「干支」に因んだ図案ではない。
縁起物の「招き猫」である。郵便局のHPを見たところ、「一年中使えるように、干支ではなく縁起の良い図柄」にしたようである。
ちょっと待て。何も干支はお正月に限った物でもないだろう。今年は「一年中亥年」なのであるから、猪の図案の切手を今年のいつに使おうがちっともおかしいことなんか無いではないか。
と、まあいささか立腹していたのである。これじゃあ猪さんがかわいそうである。
ところが、いざシートを手にしてみると、「これ、なかなかいいんじゃないの」なんて思うようになってしまったのだから、私も大概なやつである。
まず、目に付くのがこの穿孔(切り抜き)だろう。
「LUCKY」「HAPPY」と、縁起の良い文字を切り抜きでデザインしている。
その他、「松竹梅」、「打ち出の小槌」、「稲穂」、「鯛」、「小判」に「当たり目」と、ありとあらゆる縁起の良い図柄をこれでもかと盛り込み、ちゃっかり猪を紛れ込ませた、ゴージャス海鮮丼的お年玉切手シートなのである。
そして、一番注目してほしいのがこれ。
左下のカラーマーク。
「あ、かわいい、ハートだ!」
などと思ったあなた、甘い。これは「猪目」なのである!と思う。
「猪目」(いのめ)とは、古来より建築物などにもデザインされている文様の一つである。文字通り、「猪の目」を図案化した文様だ。魔除けや護符の意味合いがあるのだそうだ。実際にはハートを逆さにした形のことを指す。
別に郵便局のHPに、「猪目」と書かれてるわけではないので、もしかしたらハートなのかもしれないけれど・・・。いや、そこは郵便局の心憎い演出であると思いたいのである。
ところで、「お年玉切手シート」の歴史をみてみると、一番最初の発行は1950年の「円山応挙の虎」だった。以降、毎年発行されているが、必ずしも「干支」に関連した図案だけではなく、郷土玩具やそれこそ縁起物とされるグッズを図案に取り入れたりと、結構バラエティ豊かなようだ。
というわけで、ちゃっかり猪が紛れ込ませてある縁起物てんこ盛りの切手シートに、まんざらでもなく満足してしまった次第である。いやはや。